アチャミ、到着しました」

「アチャコ…到着しました」


「これで全員だな」


アチャコとアチャミが着いた頃には、既に他の弓部隊のメンバーは集合していた。完全に遅刻だ。


「集合予定時間より大幅な遅れだな。これが普段の訓練ならグランド30週だが....

今回は訓練ではない。全員傾注!!!」


隊長の声が響き渡る。訓練の時とは比べものにならない重圧と緊張感。


「いいか、今から半刻前。正体不明の襲撃が村の外れの小屋で起こった。


幸い、現在の被害は最小限に留まっているがいつ村がその標的になるか分からない。よって先ほど、チーフにより緊急事態宣言が発令。村の護りを強化。敵に備えろと事だ。


我々弓部隊は塔の強化と........


(今、村の外れの小屋って言った?襲撃場所がウィズおじさんの小屋だとわかっていた??


だけど、チーフはおじさんの救出には行かなかった


「できなかった」じゃなくて「しなかった」


信じたくない...けど.... 本当に.....)


「ちょ...ちょっと待ってください!」


「なんだ、アチャコ。質問は話が終えてからにしなさい」


「なぜ、助けに行かなかったんですか?襲われた小屋ではウィズおじさんがいつも研究をしていました。チーフはウィズおじさんがそこにいることを知ってて救出に行かなかったんですか?」


「そうだ」


「なんでですか!チーフは村の住人のことを第一に考えているって教官がいつも言ってました。それは嘘なんですか!?」


「嘘ではない。チーフはいつも我々のことを1番に考えてくださっている」


「じゃあ.....じゃあなんで?」


「考えてくださっているからこそだ。1人を助けようとして、それ以上の被害が出たらどうする? 襲撃者との戦闘になれば被害は確実に大きくなる。


100を守る為の1の犠牲は仕方がないのだ。


結果、今の被害はウィザード1人のみ。それ以上の被害を出さない為にも今、出来ることをやれ。質問の答えは以上だ。


いい加減、大人になれ。アチャコ」


「でも....それでも!」


「アチャコ!」

「ストップ」


突然、両腕を誰かに掴まれる。アチャミとアチャヨだ。


「隊長すいませーん、こいつまだ頭が混乱してるみたいで」

「連れていく」


2人とも離して!」


(いいから、とりあえず今は引いとけ)

(退避)


そう耳元で言われてズルズルと引きづられていく。


分かんない...分かんないよ。



私は1人でずっと呟いていた。


続く