以前鎌田先生にモルタルによる気流止めという手法は成り立たたないかかと相談した時 先生に叱られました。先生はそれが成り立つか否かより、『そんな面倒で手間のかかる方法をする必要があるのか』それは当然と言えば当然ですが圧縮グラスウールの気流止め考案者である先生の応えでした。

 断熱層の空気は動いてはいけません。通気層の空気は動かなければいけません。高断熱&劣化対策でこの2つのことは、基本中の基本だと思います。断熱には気流止めの概念は絶対に必要な項目です。劣化対策には通気層と言う概念が必要です。当方の個人的な考えですが通気層と断熱層を区分けする防風層という概念も合わせて大切だと思っています。

CIMG3195
 当方は手間のかからない効果的な方法としてモルタル気流止めは成り立たないかと今も模索しています。先生から衣川は変な事を言うと時々言われます。今回広島での会員の勉強会の時に、当方が現在考えている、RCやALCの改修時に断熱工事を行わなくても結露のしにくい方法は無いかと自分なりに模索していていますが そのことを相談すると、新住協の会員なら、断熱改修を提案してくださいと ごもっともな回答でした。




IMG_2108

 私もお客様にはまず断熱改修を提案しますが、壁天井を全部壊して断熱を新たに施して改修することは様々な面でハードルが高く、マンションなど部分的な改修工事の場合や、断熱改修を行えない予算の時でもコストを抑えながらも、出来るだけ結露を防ぐ施工方法を行いたいと考えてのことです。今回の会員の方に見学いただいた現場の一つがそれになります。ビル建築でも気流を止めるという考えは必要です。

又先生には、私が以前結露の計算をしたものを送付し相談した時に、結露の計算は出来ているのに壁体内の温度の変化は計算は出来ないのかと指導され、それは私にはできませんと応えました。

 そういう悶々とした中でも、結露の発生予測を何らかのソフトで行おうと考えて長期優良住宅の申請に使う結露計算シート(定常計算)で様々なパターンで計算しました。今回個人的な相談に留めましたが、結露の計算と壁体内温度の計算が私が考える設定温度や設定湿度にて行ってよいのかを相談させていただきました。又先生には定常計算と非定常計算 何方で計算すればよいのですかとお聞きすると、どちらで計算しても計算されるように現場が出来ていなければ、どちらも信用できないとも教えていただきました。RCでも気流止めという考えは必要だとも指導いただきました。

 静止空気層の空気が動くとそこは外気になることになると考えれば先生の言われることが解ります。計算の出来るような現場になっているかどうかを、見極める技術力がなければ計算の根拠は根底より崩れてしまいます。またそれが高額な非定常計算を導入しても、その計算がどのようになされているかを理解していなければ意味の無い計算結果が出るのでしょう。それが高断熱 高気密の難しい所だと改めて感じました。いかに気流を止めるという事が大切かという事にも繋がります。



CIMG6387 長期優良住宅認定等に係る技術的審査マニュアルに添付されているエクセルの内部結露計算シートでは、室温10℃ 湿度70% アメダスの示す冬の温度で内部結露計算をし それで結露判定が出なければ防湿シートを省くことも出来ます。結露のし難い側の計算になると思いますが、私は実際に暮らしているに近い室温20℃以上 湿度60%で内部結露の計算を行うほうが現実に近くなると考えています。特に気密の良いビル建築ではそのほうが良いと思います。

☜写真は土屋先生から教わった結露防止ガイドブックです。古い本ですが結露のメカニズムの事がわかります。気流止めの施工法は若干現在には即していないようにおもいます。

 改修工事では窓は2重構造(内窓)給気口は寒さを感じない位置に移動させることや冷気の冷気が直接人を直撃しないタイプの吸気口に変える事を勧めます。

 気密の高いマンションの中部屋では内窓と給気をコントロールすれば室温は安定しエアコンの連続運転での暖房をある程度省エネで可能にするようになります。
 外皮が外気に面するところが多い最上階 1階ピロティーの2階や角部屋は断熱構造は検討され断熱強化をされることをお勧めします。

 定常計算では、一時的な結露の現象を察知しますが、非定常計算では、材料の含水率の変化の繰り返しも考慮する結露計算になるようです。簡単に言えば結露するまでもなく木材等の材料が湿り、乾燥し、また湿るという繰り返しを考慮して結露判定をするようなものだとおもいます。

 前述のような現象があることから、壁体内結露の定常計算の室内温度の設定は10℃ 湿度は70%という事になっているかと思いますが、私は24時間連続暖房をするものとして、実際暮らす温度・湿度で計算したほうが良いのではないかと考えています。

 私も解らないことは多いのですが、この定常計算は、壁体内の温度変化も表示されます。会員の皆様にもせめて定常計算でも結露のメカニズムの話ができるようになっていただくと もう少し突っ込んだ実務の話が出来るかなと感じてブログに書きました。そして我々プロからすれば多少断熱性能や省エネ性能に難があったとしても、それをよしとする方の今現在暮らされている家を否定はしたくはありません。その中で価格を含めより良い改修と暮らし方を提案したいと考えています。そういう考えは如何でしょうか?


最後まで読まれた記念にポッチトをお願いします。

広島ブログ


 地下熱循環住宅のカオル建設  会社のホームページにもお越ください。