米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相は23日夜、関係閣僚と協議し最終的な調整作業に着手した。だが、この夜の協議では首相は本音を語らず、国会審議などで、実現性の薄くなった「県外移設」などの建前をいまだに繰り返している。政府の議論も首相の本音も不透明なまま、関係者には疑心暗鬼が広がっている。

 ≪改めて決意≫

 「これから真剣勝負で、選択肢を定めたときは、生きるか死ぬかの論争、激論になる。最終的に国民の皆さん、沖縄の皆さん、米国の皆さんに理解いただけるものに仕立て上げたい」

 23日の参院予算委員会の集中審議(外交・防衛)。鳩山首相は「5月末までに結論を出す」とした自身の“公約”の実現に向け、改めて決意を強調した。

 ただ、野党からは「首相ではなく、失礼ながら夢想家の発想だ」(自民党の川口順子氏)、「外交は希望的観測だけでできない。軽々しい発言は慎むべきだ」(自民党の山本一太氏)などの批判が飛び交った。

 首相はその後、普天間問題で平野博文官房長官、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相と詰めの調整に入った。意思統一を図り、早期に米政府や地元・沖縄などとの本格的な交渉を急ぐ考えだ。

 ただ出席者の一人は「首相は何も言わず、聞き役だった」と振り返る。「名護市辺野古か別の場所かという単純な話ではない。いかに普天間の代替施設を、できるだけ県外に出すかを考えている」と語り、移設先を収斂(しゅうれん)させるにはなお時間がかかることを示唆した。

 ≪交渉は水面下で≫

 首相は予算委で「県外移設は難しいが、あきらめてはいない」と答弁した。しかも関係閣僚との協議を含む政府案を公表せず、交渉を水面下で進める考えも表明した。県外移設に向けて勝算があるのか分からないまま強弁を続ける首相の姿勢に対し、関係者の不信感は強まるばかりだ。

 また、首相は封印している常時駐留なき安全保障論について「一国の領土に他国の軍隊が居続けることは決して常識的ではない。その思いだけは忘れてはならないというのが私の信念だ」と答弁した。在日米軍再編を進める米政府をいたずらに刺激することになりそうだ。

 迷走が続いてきた政府の対応に、公明党の浜田昌良氏はこう切り込んだ。

 「国民が知りたい密約は(日米核密約の)古文書ではなく、今まさに議論している普天間問題のことだ」

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