2007年01月04日

失はれる物語 乙一3

失はれる物語

この本は「コンパスローズ」の雪芽さん「まんだの読書日記」のまんださん「活字中毒」のみわさんにオススメいただきました。ありがとうございました。


■やぎっちょ書評
大きな印象を感じたのは「この本なんだか江戸川乱歩みたい」ということ。誰もそんなふうには思わなかったかなぁ?特にタイトルにもなっている「失はれる物語」なんかそういう感じがしましたね。どこかに文学が入っているようなそういう感じ。
普通に考えると深い絶望が舞台で、読み手に「自分がもしこうなったらどうなるだろう」なんて思わさずにはいられないそういう設定。他のストーリーもそういった空気を感じました。なんといいますか、救いないというか・・・(ボソ)。

いちばん好きだったのは一番最初の「Calling You」なんつーつらいお話。リョウあんた男だよ〜!!よよよ〜(泣)。つらいというか、切ないお話でしたね。
「しあわせは子猫のかたち」を「失踪HOLIDAY」で読んでいたので、これがはじめてだったらこのお話が一番だったかもしれない。

乙一さん5冊目でまだ完全に印象をつかんでいないんだけど、「死」が多い割に死を使うことで読者の感情を上下させることはあまりないように感じます。その反面「不自由」は多いですね。盲目とか今回だと全身不随とかケガを自分の体に移すことのできる「傷」とか親がダメダメでトラウマ抱えているとか。
少し「不自由」を都合よく使っている気がしますね。いいんだけど、頼りすぎみたいに感じる・・・。

それからよく読んでみると「白」と言われている乙一さんは、「黒」はブラックだけど「白」は決して白くないですよねぇ??グレー?みたいな。よくいろんな人が死ぬし、救われない話もたくさんあるし・・・。
ブラックじゃないだけ?みたいな??
雰囲気と文章とたぶん構成のうまさが不快感を感じさせないだけじゃなくて、どこか救いとか希望とかに光を当てるのがうまいからだと思うんだけど、まぁ、何気にそんなことを思いました。

次はZOO1が積載中。
これって「黒」だっけ?
そろそろ「黒黒真っ黒」が読みたい気分になってきました!!

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この記事へのコメント

1. Posted by yori   2007年01月04日 22:50
遅まきながら明けましておめでとうございます。
昨年はほんぶろの立ち上げなど、大変だったと思います。
今年もまたいろいろな企画、楽しみにしております。
相変わらず今年もよろしくお願いをいたします。
2. Posted by やぎっちょ   2007年01月04日 23:49
yoriさん
明けましておめでとうございます♪
いやーほんぶろはちと大変でした。思いつきの延長は計画的に!って感じでした(苦笑)。
ほんぶろはできるだけ本ブロガーさんの顔を見せていけるようにしたいので、その路線でやってみます!!
こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いします★
3. Posted by ia.   2007年01月05日 22:23
やぎっちょさん、こんばんわ。
私も表題作を読み始めたときは、乱歩の「芋虫」を連想しました。
これって「白」だと思っていたのですが・・・「グレー」と言われると、それっぽいですね(笑)
4. Posted by ディック   2007年01月05日 22:40
『失はれる物語』は未読ですが、ぼくは自分のブログの感想で、「乙一さんは現代の江戸川乱歩だ」と言い続けているのですよ。
小さな短編でも、異常な状況設定のアイデアが抜群です。「屋根裏の散歩者」とか「人間椅子」とかを思い浮かべています。
江戸川乱歩風ということでは、『さみしさの周波数』をお薦めします。
5. Posted by やぎっちょ   2007年01月06日 00:26
ia.さん
こんばんは〜♪
おおーー!!「芋虫」想像した人がここに!!!わーい♪うれしい★★
やっぱいるんですね〜同じように考える人が!!感性が近いのかな?それともみんな考えるのだろうか・・・。
乙一さんの白って白って感じがしないんですよね〜〜★
6. Posted by やぎっちょ   2007年01月06日 00:27
ディックさん
「現代の江戸川乱歩」遅ればせながらそうかなと思いはじめました。そういう匂いがしてきたんですよね。
「さみしさの周波数」既に購買して届くのを待っている気が・・・。ちょっとチェックしてみます!!・・・あ。といいますか、以前にディックさんに紹介してもらってますね。現在配送待ちです!
7. Posted by みわ   2007年01月07日 02:48
確かに乙一さんの本って、黒・白・グレーとあるという話も聞いたことあります。だから、もしかするとこれってグレーかもしれないですね。
私的に「暗いところで待ち合わせ」はグレーよりも、やっぱり白って感じなんです。
8. Posted by やぎっちょ   2007年01月07日 09:56
みわさん
確かに「暗いところで待ち合わせ」は白という感じかもですね。じゃこれはやっぱりグレーなのか?こうやって読者が話をするところが作家冥利に尽きますよね★
9. Posted by ディック   2007年01月07日 19:12
やぎっちょさん、どうもややこしいことに気がついたのですが、本日書店で「失はれる物語」を確認したところ、「さみしさの周波数」と二話ダブっています。『手を握る泥棒の物語』と『失はれた物語』の二話。また、本書はぼくもすでに読んでいる「失踪HOLIDAY」と『しあわせは子猫のかたち』がダブっている。
どうしてこういうややこしいことをするんですかねえ。それでいて、どちらにも収録されていない短編もあるようですね。
結局、承知の上でこれも買って読むことになりそうですが…。
「ZOO」と「GOTH」は分冊にしてしまうし、どうも乙一さん関連は出版状況がややこしい。
10. Posted by やぎっちょ   2007年01月07日 21:43
ディックさん
しかしよく見てますね。感心しました!「幸せは子猫のかたち」はダブっていたので「あれ」と思ったのですが、その他の短編もかなりかぶっているんですね。そういうのは覚えている限り見たことがないですが・・・。
『どちらにも収録されていない短編』というのが最も謎ですね。もったいない。ともあれちょうど「ZOO1」をこれからはじめるところです★
11. Posted by 雪芽   2007年01月08日 19:23
やぎっちょさんの感想と、他の皆さんのコメントも合わせて読んでみて、江戸川乱歩風というのがよく理解できました。
デビュー作からしてとても「不自由」な設定でしたね。
乙一さんはまだ2冊だけなので、もう少し他の作品も読んで、白黒の違いを味わってみたいと思います。
12. Posted by やぎっちょ   2007年01月08日 21:09
雪芽さん
今ZOO1を読み終わったんですが、この本も江戸川乱歩ぽかったです!乙一さん今読み終わったので7冊目、、、え?7冊も読んだっけ?なんですが、これがどうしてなかなかハマってしまいます〜★
13. Posted by 苗坊   2008年02月11日 13:30
こんにちは。TBさせていただきました。
私は読んだ事がない作品は「マリアの指」だけだったのですが^^;
乙一さんは切ない話を書くのが本当に上手いですよね〜。
どの作品も本当に素敵だと思いました。
それに、ちょっと前向きになれるんですよね。
それがまた私は好きです。
14. Posted by やぎっちょ   2008年02月11日 16:52
苗坊さん
こんにちは〜♪
TBありがとうございます。いつもコメントありがとうございます。ダブルでありがとうです!!
乙一さん黒いのに(白乙一でも)なぜか前向きになれるんですよねぇ。不思議だなぁ。
最近本が出てませんね。次の本を早く読みたいです!!
15. Posted by しお   2008年07月28日 12:09
前5作品は飛ばしました。「マリアの指」は同じトラウマをもつ姉弟の切なさって感じですかね。姉はどこに・・・。
16. Posted by やぎっちょ   2008年07月28日 17:34
しおさん
あーやばっ。マリアの指覚えてないかも・・・。あー。あー。姉ー。姉ー。。。

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【やぎっちょバイブル】
やぎっちょの生き方に大きな影響を与えた、独断と偏見の★5です。

[小説](12冊)

スロウハイツの神様
辻村深月
(人間の形というもの)

ダンス・ダンス・ダンス
村上春樹
(「僕」をめぐるシリーズ4部作で)

エンジェル・エンジェル・エンジェル  梨木香歩
(少女と祖母のドラマ)

少女には向かない職業
桜庭一樹
(青空色のブラック)

天使の卵
天使の梯子
村山由佳(切ない恋愛小説)

そのときは彼によろしく
市川拓司
(切ない恋愛小説)

青空感傷ツアー
柴崎友香
(空気感のある友情モノ)

恋愛寫眞
市川拓司
(切ない恋愛小説)

容疑者Xの献身
東野圭吾
(ミステリー)

銀河英雄伝説
田中芳樹
(壮大なリアルファンタジー)

バナナフィッシュ
吉田秋生(マンガ)
(友情と戦いのストーリー)

■ケインとアベル
ジェフリー・アーチャー
(天才二人の壮大な人生ストーリー)


[ビジネス書、実用書、古典など](10冊)

シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップシンクロニシティ
ジョセフ・ジャウォースキー
(社会科学)


P.F.ドラッカー
エリザベス・ハース・イーダスハイム
(マネジメント)

ティッピング・ポイント
マルコム・グラッドウェル
(社会心理学)

ドラッカー 365の金言
ピーター・ドラッカー
(マネジメント)

無痛文明論
森岡正博
(社会生態学)

スターバックス成功物語
ハワード・シュルツ
(ビジネス回想録)

愛の論理
飯田史彦
(抽象概念の論理化と検証)

韓非子
西野広祥・市川宏 訳
(中国古典)

影響力の武器
ロバート・B・チャルディーニ
(行動心理学)

■貞観政要
呉兢 守屋洋訳
(中国古典)
Ciel Bleu