2007年04月07日

【新訳】走れメロス 森見登美彦3

新釈 走れメロス 他四篇

■やぎっちょ書評
森見登美彦さんの月。で、発送が一番早かった、そして最近出版されたこの本を読んでみる。正直文学は大の苦手だが果たしてだいじょうぶか!?
「走れメロス」他4編の短編から成ってますが、個人的には「走れメロス」が飛びぬけていて、他のものはちと・・・。
なので「走れメロス」中心で感想書いてみたいと思います。

この本一冊の中でも登場人物などの関わりがありましたけど、「走れメロス」は「夜は短し歩けよ乙女」に関係するキーワードが結構出てきましたね。詭弁論部とかパンツ番長とか。
あ〜あのワールドよふたたび!ということで少々酔い気味。
そして主人公芽野の逃亡劇が始まるわけですよね。その逃亡に迫る図書館警察長官の十重二十重の罠!二重、三重どころじゃないですよ。「人を見たら敵と思え」の世界。芽野は果たして逃げ切れるのか。そして芹名との友情は!
うーむ。熱い。熱すぎる。この2人の厚き友情に乾杯ぢゃ!!
図書館警察長官に拘束されている芹名はこう言う!
「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」

芹名は実は芽野の身代わりにされていて、芽野は詭弁論部を守るために桃色の破廉恥きわまるブリーフ1枚で、「美しく青きドナウ」をバックミュージックに踊らなくてはならない!逃げれば身代わりの芹名が桃色ブリーフで踊る羽目になってしまう。
で、逃げる芽野。
そこに友情はあるのか?
そしてこの芹名のセリフは??
芽野は追い詰められながら、こんなセリフを。友情ここにありき!!
「やはり俺はここで約束を守るわけにはいかない。そんなつまらぬ羽目になっては芹名に申し訳ない。彼の期待に応えなければ!」

なんだ、その友情は?意味わからん!?と思った諸君。「走れメロス」を読め!!

と、いうことで少々熱くなってしまいました。
かくも素晴らしき友情と、逃げる側追う側の戦いが肉薄して涙(註:笑い泣き)なしには読めぬ作品でござる。既に言葉がおかしいぞ。。。


この独特の笑いの感性がとっても魅かれるんだけど、たの4編はそれがあまり感じない気がしました。
「夜は短し〜」から入っているのでそう思うだけかもしれないけど。でも、森見さんの、他の作家さんにない感性ってそういうところにあるんじゃないのかなぁ。なら、その感性を輝かせた小説を書いてほしいなぁなんて思うわけです。

個人的には「走れメロス」が長編でこの本一冊でも良かったくらい。
逃げに逃げる逃走劇を書いてほしかったですね。



TBうまく飛ばない方の直リンク

『【新釈】走れメロス 他四篇』/森見登美彦 ◎  蒼のほとりで書に溺れ。
森見登美彦さんが、京都を舞台に日本近代文学を翻案?!そこに描かれるのは「腐れ大学生」なのか。「魑魅魍魎」なのか.....

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この記事へのコメント

1. Posted by たまねぎ   2007年04月07日 01:10
なんか森見ブーム、あちこちで局地的ゲリラ的に勃発ですね。
かな〜り男臭い世界なのに、皆様乙女心を擽られているのが不思議です。
2. Posted by やぎっちょ   2007年04月07日 11:30
たまねぎさん
局地戦起こってますね〜。あちきは今月で全部読む力技で勝負したいと思ってます!
あ、たしかに男子が主人公ですよねぇ。登場する男子がかわいいんじゃないでしょうかねぇ〜★
3. Posted by 雪目   2007年04月09日 22:19
やぎっちょさん、お久しぶりです。
森見さんの「太陽の塔」が面白かったので、「夜は短し〜」と最新刊のこの本を買ってしまいました。いまどきとは言い難い男の子たちや、彼らの爆走度合いとかが楽しかった〜
そろそろ復活する準備中です。暖かくなってきたし、週末にはおつかいに行ってきますね。
4. Posted by 雪芽   2007年04月09日 22:20
あら、名前の変換間違ってました。すみませぬ。
5. Posted by やぎっちょ   2007年04月09日 22:57
雪芽さん
こんにちは〜♪おひさです!!
お!「太陽の塔」おもしろいですか。今目の前に積まれています(笑)
あちきは「夜は短し〜」が大大大好きです!な〜んかいいんですよ〜。感想楽しみにしていますね。
とうとう冬眠からお目覚め(笑)ですね!ブログも楽しみです。あ、おつかい!ありがとうございます。よろしくお願いします★
6. Posted by 香桑   2007年04月14日 20:39
こんにちは。TBよろしくお願いいたします。
以前、洛西に住んでいたものですから、やっと西京区が出た!と喜びました。
丸々一冊、長編ヴァージョンの「走れメロス」というアイデアに意表をつかれました。それも読んでみたいですねえ。
7. Posted by やぎっちょ   2007年04月14日 21:38
香桑さん
こんにちは〜♪
あ、そうか。西京区ってあまり登場しませんもんね。ほんと京都を縦横無尽に走ってましたね〜。太宰さんの走れメロスって読んだことがないんだけど、元になっているくらいだから同じ感じなのかなぁ。よんでみようかな。。
この本が長編になると、それこそ京都の交通機関を全部使って、名所もたくさん出てきそうですね!!
8. Posted by the salaryman   2007年06月16日 13:29
こんにちは。
はい、僕も『走れメロス』がダントツだったと思います。
こんな作品で笑うのも心の健康にはいいですね。
他の作品も含めて、僕はこれ大好きでした。
9. Posted by やぎっちょ   2007年06月16日 19:40
the salarymanさん
こんにちは〜♪
あ、やっぱそうですか!うれしいです!!
心の健康にいいってぴったりな表現ですね。たしかにそのとおり♪
他の作品も含めたら、あちきは「夜は短し〜」の次点かもしれません!!
10. Posted by 苗坊   2007年08月05日 16:01
こんにちは。
私は森見さん初読作品だったので、他の作品を読むのが楽しみです。
5作品の中で既読なのは「山月記」と「走れメロス」だけなんですよね。
他の実際の作品も読んでみたくなりました。
11. Posted by やぎっちょ   2007年08月05日 17:35
苗坊さん
こんにちはー♪
あ、そーなんですか!意外や意外。やぱ「夜は短し〜」がいっとう良いのではないかと思われますよ!!
走れメロスのように京都がたくさん出てきます★
12. Posted by tomekiti   2007年08月29日 21:44
やぎっちょさん、こんばんは〜♪

確かに『走れメロス』が一番面白かったですね!
他の話もダメなわけではないんですが、もうちょっとボリュームをもって書いてもらえるとさらにふくらみがあって良かったのかなとも思います。
茅野と芹名のちょっとフツーではない友情。
素晴らしい!!
13. Posted by やぎっちょ   2007年08月29日 22:09
tomekitiさん
こんばんは〜♪
ですね〜♪♪人間はみんな信用ならないなぁ。
森見さんはこういうお話をどんどん書いてほしいですね★
14. Posted by ia.   2007年10月20日 02:01
こんばんわ。
やっぱり「走れメロス」がダントツですよね。
一話目で「詭弁論部って何だ?」と思いましたが、
そう来るとは・・・。
パンツ番長は臭そう〜!
15. Posted by やぎっちょ   2007年10月20日 20:59
ia.さん
こんばんは〜♪
で・す・よね〜〜♪♪
詭弁論部って「夜は短し〜」にも出てきましたよね??
よく考えてみると色々と男臭い物語ですね!
16. Posted by しお   2008年02月14日 12:00
「走れメロス」は笑いましたね。あんなにしてしまっていいのかな?ってくらいはじけてましたね。他の作品は文学的な表現が多々あり、多少読みづらかったところはありましたが、森見さんらしい偏屈な主人公ばかりでよかったのではないでしょうか。
17. Posted by やぎっちょ   2008年02月15日 21:02
しおさん
はいー。この本では走れメロスが一番好きでした!森見ワールドは主人公偏屈ですよね〜。一種独特の魅力が好きです。好きですが・・・たまにくどくてしんどいかも。。。
個人的には夜は短し〜の続編が読みたいなぁ★
18. Posted by 水無月・R   2008年04月27日 00:12
やぎっちょさん、こんばんは(^^)。
「走れメロス」の逃走劇、面白かったですねぇ〜。逃げてはとらわれ、脱出しては騙され。「そんなんアリかい!」というツッコミ読みしまくりでした(笑)。
私的には「百物語」の語り手が「森見君」であったことが、非常に気になります。自分の物語に入り込み、「舞台袖から眺めて暮らす」のはどんな感じなんでしょうね。
19. Posted by やぎっちょ   2008年04月27日 22:24
水無月・Rさん
こんばんは〜♪
この本は「走れメロス」が一番おもしろかったです!ドタバタ劇だけど、京都がよくわかるし、笑えながらある種の緊迫感があるし。
うわー。そうですか。百物語は森見君だったのですね。すっかり忘れていたりして・・・(汗)
20. Posted by たかこ   2009年10月22日 15:55
「走れメロス」が1番面白かったですね〜。
周囲はすべて敵!というのもあれですが、あれ?なんで逃げてるんだっけ?
原典は友達の元へ駆けつけるはずだったのに〜!
逃走マップがついていたので、京都の町を歩きたくなりました。

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