2007年12月07日

沼地のある森を抜けて 梨木香歩3

沼地のある森を抜けて

■やぎっちょ書評
梨木さんの小説(エッセイ以外)は全部読んだと思っていたのに、まだあった!うわわ。
それにしてもこのところ、自分の好き好き作家さんばかり読んでいるから、なんか精神的に安定しているというか、楽。

この本はなんかもう、凄い感じでした。
現実世界の部分は1章でフリオにぷんぷんして、2章でなんか恐怖体験して、そんなことしているうちに謎が深まっていきます。まるで恩田陸さん的な印象を受けました。
に対して、シマの話の方は梨木さんのファンタジーワールドではなく、どっちかと言うと村上春樹さん風な印象。読んでるとき何回か錯覚してしまいました。
おもひでブルージーのcoutacaさんもそんなこと書かれています。

それでも主人公ならぬ主物公がぬか床で、菌類の話しにやたら詳しかったり、生命のいとなみに踏み込んで話を進めるところが梨木さんらしかったですねぇー。あと家族というか、親戚とか。
抑えられた訴えるべきことみたいな、そんな空気を感じながら読んでいました。
あ〜お漬物が食べたい。。。

科学では絶対に認めない(というか証明できない)ことだけど、最後に久美と風野さんの間で話になった、原初の最初1個の細胞が感じた孤独、その孤独を味あわない(味わわない??)ために生き残ろうとするという考え方。
なんか、深くうなずいてしまった。まぁ生きるためだけに生きているわけでもないんだろうけど、深ーいところを突き詰めるとそういうことになるのかなぁ。

こんな深い話も交え、ストーリーもしっかりし、お笑いはないけど怖くなったりイラっとしたり、共感できたりなど感情を揺らされる(それも静かに)梨木さんの本ってやっぱいいですね。早く次が読みたいなぁ。
でもエッセイだけは読む気がしないんですよねぇ。これは梨木さんに限ったことじゃないけど。
早く次の小説を出してほしいです!!



TBうまく飛ばない方の直リンク

沼地のある森を抜けて  梨木 香歩  モンガの独り言 読書日記通信
叔母が亡くなり、叔母が守っていた一族の家宝のぬか床を守るようになった久美に起こるさまざま現象。その謎に迫っていく。行くつき先にあるものは......
『沼地のある森を抜けて』/梨木香歩 ○   蒼のほとりで書に溺れ。
あれ?今まで私が読んできた梨木香歩さんの作品とは、何かが違う感じがする。少々湿度の高い、美しい情緒のある世界は、同じ雰囲気。けれどこの『沼地のある森をぬけて』は.....

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 沼地のある森を抜けて 梨木香歩  [ くろにゃんこの読書日記 ]   2007年12月07日 09:21
プラチェット作品を読んだ後だったので、続けて梨木さんで大丈夫だろうか、頭がすぐに切り替わるかなと少し心配だったんですが、読み始めてみて、違和感をまったく感じませんでした。 皮肉交じりの文章にクスリとしながら、ああ、そうか、考えてみたら梨木さんに魅せられた...
2. 「沼地のある森を抜けて」  [ ぱせりブログ ]   2007年12月07日 10:35
「沼地のある森を抜けて」 梨木香歩 新潮社 正直で、現実的で、信頼できると人から評価され、 たぶんそれだから恋愛とも結婚とも遠い久美。 亡くなったおばのマンションを譲り受けるのと引き替えに、 古いぬか床を引き継ぐが、 それによって自分の家族の秘密に向き...
3. 第16回紫式部文学賞梨木香歩  [ 及川的大人のブログ ]   2007年12月07日 14:57
女性の文学作品を対象とした「第16回紫式部文学賞」は、 「奇怪な世界を綿密に論理的に追求しており 不思議な構成力がある」と評価され、 梨木香歩さんの「沼地のある森を抜けて」に決まりました。   受賞作「沼地のある森を抜けて」は、 先祖伝来の「ぬか床」の中に....
4. 「沼地のある森を抜けて」梨木香歩著  [ 映画と読書の感想ブログ ]   2007年12月07日 15:39
沼地のある森を抜けて 化学メーカーの研究室で研究者として働く上淵久美は、叔母の時子が突然亡くなったことで代々伝わる「ぬか床」を引き継ぐことになった。ぬか床を引き継いでから不思議な現象が相次ぎ、その謎を探っていく。というお話。 サイドストーリーとして異...
5. 「沼地のある森を抜けて」 梨木香歩  [ 今日何読んだ?どうだった?? ]   2007年12月07日 22:37
沼地のある森を抜けてposted with 簡単リンクくん at 2006. 4.21梨木 香歩著新潮社 (2005.8)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
6. 「沼地のある森を抜けて」梨木香歩  [ ナナメモ ]   2007年12月09日 09:00
沼地のある森を抜けて梨木 香歩主人公の久美は独身。亡くなった叔母から、マンションとともに先祖伝来というぬか床を受け継いだ。 「気に入らない人に手入れされると呻く」と言われているぬか床。ある日、中に不思議な卵らしきものが出来た。久美とぬか床。男を捨てた風野。...
7. 「沼地のある森を抜けて」梨木香歩  [ AOCHAN-Blog ]   2007年12月09日 21:40
タイトル:沼地のある森を抜けて 著者  :梨木香歩 出版社 :新潮社 読書期間:2006/08/07 - 2006/08/11 お勧め度:★★★ [ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ] 始まりは「ぬか床」だった。先祖伝来のぬか床が、呻くのだ。変容し、増殖する命の連鎖。連綿と息づく想...
8. 「沼地のある森を抜けて」梨木香歩  [ 本のある生活 ]   2007年12月10日 22:00
沼地のある森を抜けて 先祖伝来のぬか床がうめくのです。そしてその中から人が出てくるのです。ずいぶんと突飛な発想だし、ホラー?って感じなので、どんな風に展開していくのか、想像もつきませんでした。でもこれが後半、生命の壮大な物語に変わっていくのです。その転....
9. 沼地のある森を抜けて / 梨木香歩  [ おもひでブルージー ]   2007年12月17日 00:18
沼地のある森を抜けて著者: 梨木 香歩発売元: 新潮社価格: ¥ 1,890発売日: 2005/08/30売上ランキング: 699おすすめ度 posted with Socialtunes at 2006/03/12 梨木さんの作品は「深い」という表現に尽きる、とこれまで思っていました。確かにこの作品も「深い」のだけれ...
10. 沼地のある森を抜けて 梨木香歩  [ リトル・バイ・リトル ]   2008年03月04日 11:26
沼地のある森を抜けて(2005/08/30)梨木 香歩商品詳細を見る若くして亡くなった叔母の持っていたぬか床。それは上淵家の家宝といわれ、上淵の女た??.
11. 梨木香歩著「沼地のある森を抜けて」(感想)  [ 夕螺の読書ブログ ]   2008年03月18日 13:45
2005年8月 新潮社より初版発行 「こんなに酷い世の中に、新しい命が生まれること。それが本当にいいことなのかどうか。」                      (プロローグより引用)このプロローグは、長女佳子が子を宿し、その佳子に三女時子がつぶ...
12. 『沼地のある森を抜けて』/梨木香歩 ○  [ 蒼のほとりで書に溺れ。 ]   2008年06月04日 11:20
あれ?今まで私が読んできた梨木香歩さんの作品とは、何かが違う感じがする。 少々湿度の高い、美しい情緒のある世界は、同じ雰囲気。 けれどこの『沼地のある森をぬけて』は、梨木作品特有の突き詰めてくる痛みや悔恨がない。いや、在るのかも知れないが、私には迫ってこ...

この記事へのコメント

1. Posted by モンガ   2007年12月07日 08:51
おはようございます。
梨木さんの作品は、読書する人を別次元の世界に連れて行ってくれる感じがします。
この作品も、もう一度じっくり読んでみたいものです。
【ほんぶろ】も、いつも楽しく見ています。
T・B出来ませんでしたのでコメントだけしました。
2. Posted by やぎっちょ   2007年12月07日 12:13
モンガさん
こんにちは♪
そうですねー。別次元ってなんだか正しい表現!アナザーワールドですねぇ。パラレルワールドですねー。
ほんぶろの方も読んでくださってありがとうございます。更新せねば。。。
TB飛ばないとのことですので、記事に直リンクを貼りますね★
3. Posted by Roko   2007年12月08日 21:57
やぎっちょさん☆こんばんは
最初はぬか床が文句を言うって何だぁ?と思いながら読んでいたのですが、どんどん違う世界に入っていく所がやっぱり梨木さんだなぁと思いました。
4. Posted by やぎっちょ   2007年12月08日 23:00
Rokoさん
こんばんは〜♪
確かに最初はとまどいますよねぇ。ファンタジーにしてはあまりに夢のない設定。ホラーならなんとなくうなずける。。。なんにせよぬか床ですもんね。
ぬか床でこんなにのめりこめるお話書ける梨木さんはやっぱ凄いですよね★
5. Posted by 水無月・R   2008年06月03日 23:08
やぎっちょさん、こんばんは(^^)。
私的には、今まで読んできた梨木さんの作品とちょっと違った感じでした。
あの胸に迫る痛み(喪失や悔恨)という感じからつい逃げてしまいがちでしたが、今回それはあまり感じられませんでした・・・助かったわ〜。
ちなみに。もし、こんな菌の世界があったとしたら。
物語ののち、世界はこの繁殖方法を応用した生物に席巻されるのでは・・・な〜んて妄想を走らせたりもしました(笑)。
6. Posted by やぎっちょ   2008年06月04日 01:59
水無月・Rさん
こんばんは〜♪
おおお。そうですか。やぎっちょは今まで喪失感など感じたことがあまりないのですが、ブロガーさんの中では少数派みたいです。。。
糠床ってすごいですね。なんか。しょう油だって顕微鏡でのぞけば菌いっぱいらしいです。見たくないです。。。
違う雰囲気といえば「丹生都比売(におつひめ)」は梨木さんのなかでも異色ですよ。ぜひぜひどうぞ!

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
【このブログ】
★の評価について
[客観的な基準]
★3
とても素晴らしい良書です
★2
好みが分かれる良書です
★1
まあ、何といいますか・・・
[主観的な基準]
★5
個人的なバイブルです
★4
とにかく大スキなんです

気になる本や、オススメ本は、画像をクリックすると直接アマゾンから購入できます♪
【探す!!】過去記事で
【探す!!】~カテゴリーで
【探す!!】~アマゾンで

【やぎっちょバイブル】
やぎっちょの生き方に大きな影響を与えた、独断と偏見の★5です。

[小説](12冊)

スロウハイツの神様
辻村深月
(人間の形というもの)

ダンス・ダンス・ダンス
村上春樹
(「僕」をめぐるシリーズ4部作で)

エンジェル・エンジェル・エンジェル  梨木香歩
(少女と祖母のドラマ)

少女には向かない職業
桜庭一樹
(青空色のブラック)

天使の卵
天使の梯子
村山由佳(切ない恋愛小説)

そのときは彼によろしく
市川拓司
(切ない恋愛小説)

青空感傷ツアー
柴崎友香
(空気感のある友情モノ)

恋愛寫眞
市川拓司
(切ない恋愛小説)

容疑者Xの献身
東野圭吾
(ミステリー)

銀河英雄伝説
田中芳樹
(壮大なリアルファンタジー)

バナナフィッシュ
吉田秋生(マンガ)
(友情と戦いのストーリー)

■ケインとアベル
ジェフリー・アーチャー
(天才二人の壮大な人生ストーリー)


[ビジネス書、実用書、古典など](10冊)

シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップシンクロニシティ
ジョセフ・ジャウォースキー
(社会科学)


P.F.ドラッカー
エリザベス・ハース・イーダスハイム
(マネジメント)

ティッピング・ポイント
マルコム・グラッドウェル
(社会心理学)

ドラッカー 365の金言
ピーター・ドラッカー
(マネジメント)

無痛文明論
森岡正博
(社会生態学)

スターバックス成功物語
ハワード・シュルツ
(ビジネス回想録)

愛の論理
飯田史彦
(抽象概念の論理化と検証)

韓非子
西野広祥・市川宏 訳
(中国古典)

影響力の武器
ロバート・B・チャルディーニ
(行動心理学)

■貞観政要
呉兢 守屋洋訳
(中国古典)
Ciel Bleu