2008年04月29日

無銭優雅 山田詠美3

無銭優雅

■やぎっちょ読書感想文

お粥さん。お稲荷さん。飴ちゃん。

主人公の恋人同士はどちらも42歳。
やはりえーちゃんの作家人生と共に、主人公の年齢も上がっていくのでしょうか。
そしてそして、おだやかであーる。
平易な家庭の図式であーる。
ただ主人公の慈雨が42歳で独身なので、兄夫婦や両親や上の姪との折り合いが悪いというくらい。下の姪とは仲が良い。やっぱ味方は一人くらいいないとね。
それにしてもこういった家族関係の図式が細やかに書かれるところを見ると、やっぱデビュー当初少女のお話を書いていた頃よりは、人間社会の世知辛さが作品に表れているような。。。そしてその分、一個人の心にフォーカスしなくなった気がします。
好き嫌いは個人的だと思うけど、やぎっちょは少女の心の方がむぐむぐと来るかなぁ。

恋人の栄くんはなんかどこか子供っぽいアダルトチルドレン(正に死語)なのに、途中で突然息子が現れたりして。
でもまぁ、事件といえばそういった日常のできごと。
心に感じる部分も平坦に過ぎていきます。
これはこれでいいかなぁ・・・と思っていたら、かーっ!クライマックスはやられました。今までの平易さは前奏曲か?長いわ!!

ちょうどこの本の前に物理学者のファインマンさんの本を読んで、最初の妻を亡くしてからしばらく経って悲しみが押し寄せてくる場面があったのですが、それの複雑版。
複雑なだけに、心の糸が絡み合って、最後はうぐうぐぐへー(なんかきたない)って感じでした。
かーやるなぁえーちゃん。
最後の最後の締めは少しゆるくてね。
平凡な希望とか、安心ってきっとこういうことを言うんだろうなぁ。

冒頭の三単語は、それぞれ関西弁です。
九州とかちょっとわかんないけど、関東ではお粥や稲荷に「さん」はつけない。飴に「ちゃん」はつけないのです。
とはいえ、やぎっちょもお粥さんやお稲荷さんと言ったことはないです。イメージとしてはおばちゃん言葉か、大阪の下町に住む人の言葉という感じがしますがこれいかに?
飴はちゃんづけで呼んでましたけどね。東京生活が長くなって、周囲にそう言う人がいなくなったので自然にちゃんつけなくなりました。というか、最後に飴を食べたのはいつのことだろう。。。
というお粥の話が本文に出てきました。



TBうまく飛ばない方の直リンク

■「無銭優雅」山田詠美  BOOKCASE
最初から最後まであますとこなく恋愛小説。ちょっと好き嫌いが別れそうな気がしますが、私が読んだ著者の本の中では一番好きかも。慈雨42歳独身.....

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1. 山田詠美の「無銭優雅」を読んだ!  [ とんとん・にっき ]   2008年04月29日 10:48
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2. 無銭優雅  山田詠美  [ ナカムラのおばちゃんの読んだん ]   2008年04月29日 11:24
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3. 無銭優雅  山田詠美  [ 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版) ]   2008年04月29日 11:27
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4. 山田詠美『無銭優雅』○●  [ 駄犬堂書店 : Weblog ]   2008年04月29日 13:13
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5. 無銭優雅 〔山田 詠美〕  [ まったり読書日記 ]   2008年04月29日 20:07
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6. 無銭優雅  山田詠美  [ 今更なんですがの本の話 ]   2008年05月06日 19:57
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7. 「無銭優雅」  [ 月灯りの舞 ]   2008年05月26日 00:22
「無銭優雅」 ?? 山田 詠美:著 ?? 幻冬舎/2007.1.31/1400円 ? 「心中する前の日の心持ちで、つき合って行かないか?」 人生の後半に始めたオトコイ(大人の恋!?)に勤しむ、 42歳の慈雨と栄。 ふたりは今、死という代物に、世界で一番身勝手な価値を 与え...
8. 無銭優雅/山田詠美 [Book]  [ miyukichin’mu*me*mo* ]   2008年10月15日 00:20
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この記事へのコメント

1. Posted by エビノート   2008年04月29日 20:22
お粥さん、飴ちゃんは言わないけれど、お稲荷さんは言いますね〜。お稲荷さん食べたい♪
臆面もなくじゃれあっちゃう二人の様子が微笑ましくって、こういうのもアリかなぁ〜って思えて好きでした。
2. Posted by やぎっちょ   2008年04月30日 00:55
エビノートさん
こんばんは♪
おおお。そうですか。お粥さん、飴ちゃんはないけど、お稲荷さんはある。ふーむ。
お粥さん、飴ちゃんの西端はどこなんだろう。気になーる!
恋人はいくつになっても仲がいいのが決めてですね!!
3. Posted by ゆゆ   2008年04月30日 18:41
うんうん。
お稲荷さんは言いますね♪

「無銭優雅」の主人公は42歳なんですね。
そうゆう年代も読んでみようかしら。。。
4. Posted by やぎっちょ   2008年04月30日 20:41
ゆゆさん
おー。東京者のゆゆさんがお稲荷さんといいますか!いまどきは東京でも節分になったら巻き寿司食べるぐらいですもんね・・・ってそれは関係ないか。
最近の作品は最近の良さがあるようですね。これが全然違う作家さんなら昔と比較しようがないから、きっとそのまま素直にファンになっていたと思います★
5. Posted by 琉歌   2008年05月02日 09:25
やぎっちょさん、こんにちはー。
身内に味方がいてホントに良かったです。
ちなみに「さん」「ちゃん」をつけて言わないし聞いた事もないけど、「お稲荷さん」は聞いた事あるし、聞く分には違和感ないです☆
6. Posted by やぎっちょ   2008年05月02日 19:24
琉歌さん
こんばんは〜♪
これで身内に味方がいなければ何気に救われないですよねぇー。
お稲荷さんというのは全国区?ですか?北海道の友達の妹が、友人に「お稲荷さん」と言ったら「なにそれ〜(笑)」と言われたそうです。北海道だけ違うのかなぁ★
7. Posted by たまねぎ   2008年05月06日 21:42
こんばんは。お稲荷さんは普通に使う。飴ちゃんは言わないけど、別に不自然とも思わない。しかしお粥さんだけは違和感ありまくりな関東人です。
山田さんはバブルのイメージが強くて昔は敬遠したけど、最近読んでみて悪くないと思ったので、こういう感じの方が私はむぐむぐです。
8. Posted by やぎっちょ   2008年05月07日 01:54
たまねぎさん
こんばんは〜♪
へええ。ではお粥さんがワースト1なんですね!全然関係ないですが、ブログで何度か蕎麦は関西の方が美味しいと書きましたけど、蕎麦そのものは関東の方がおいくて、汁は関西の方が美味しいと思います。
やぎっちょ今バブルのイメージのを読んでます・・・はずしたかも・・・。むむむです★

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