2008年06月04日

犬はどこだ 米澤穂信3

犬はどこだ

■やぎっちょ読書感想文

お好み焼き屋はどこ行った!?

いやね。
表紙をめくると解説文がありまして、そこに
何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。そこで調査事務所を開いた。この事務所〜〜〜

という解説文があるんですよ。その後のストーリーも要約した。
なのに、お好み焼き屋をやろう→こんな支障がありました→しょうがない犬探し業でもやるか、の流れが本文にないんですねぇ〜。なんで??
どんな支障があったのか気になるよ。。。

それからそれから、タイトルが「犬はどこだ」なのに、そして職業は犬探しなのに、犬をさがす場面は出てこないんですねぇ。野犬は退治するんだけど。
いや、お話が「犬のはずなのにぃ」という感じで進むからいいんだけど、それじゃあタイトルと内容が合っていない気がするし。。。
やぎっちょこまかい??

ある田舎町で犬探し業をはじめたのに、探偵と間違えられ(あながち間違いでもない)て人探しをすることに。
翌日は古い文献を調べてくれという依頼が入り。。。

ストーリーは人探しをする主人公紺屋と、文献の元探しをするハンペイの交互で進みます。
全然違う依頼がどこかでひとつにつながって・・・というミステリーな設定。
あらかじめリサさんに「黒い」と聞いていたので、やや身構えて読みましたが、あれれそんなに黒くないよー。と、思いつつ読み進める。
展開がなかなかおもしろいし、米澤さん読みはじめて間がないけど、細かいどうでもいい会話や描写が随所にあって、どこか物語を盛り立てています。

終盤になっていくにしたがって、もちろん謎は解明されつつあるのですが、終盤の終盤になるといきなり推理が反転して、雰囲気ががらっと変わります。クライマックスだけ黒かったなぁ。なるほどねぇー。
逆転の発想だ。
ストーカーされている人はひとつ参考に。
それにしても、よくもここまでまどろっこしい作戦を立てますよねぇ。すごい根気だなぁ。ストーカーもすごい根気だけど、対ストーカーにこれだけ作戦実行するほうがもっとすごいかも。ある意味どっちも変質的だよねぇ。

なんかシリーズになりそうな予感なんですが、個人的にはハンペイの今後が見てみたいんですよねぇ。
どこかふざけているのに、なんか頭いいのか教養があるのか、それとも抜けているのかよくわからないキャラ。良いですぞぉ!

米澤さんまだ3冊だからはっきりとはいえないけど、やぎっちょ「黒い」のが好きかも。ボトルネックも少し絶望的だったでしょ。それでいてあそこまで絶望的ならあとは希望があるのかも、とか。いや、ないなとか。
この話もキレイに解決しなかった(できなかった)黒さと保身がなんか良いといいますか。
あ〜でも今は同じ黒でもミステリーじゃない方がいいかな。
ボトルネックみたいにちょっとSF入っていたり、恒川さんみたくホラー入っていたりがいいかも。
気分は「黒」になってきました!

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社名は紺屋S&R。 犬捜し専門の仕事を開始。   25歳の私立探偵・紺屋の仕事始めの依頼は、  犬捜しではなく、失踪人捜しと古文書の解読。  調査を進めていくプロセスで 失踪人捜しと古文書の解読、  この二つの依頼は、 影響し合い複雑に交錯していく。   でもそ...
2. 犬はどこだ  [ slow match ]   2008年06月05日 00:42
犬はどこだ THE CITADEL OF THE WEAK 米澤穂信著 みずからの立てた人生設計からやむなくはずれた紺屋長一郎。何か自営業を…と一番に思い浮かんだ??.
3. ◎◎「犬はどこだ」 米澤穂信 東京創元社 1680円 2005/7  [ 「本のことども」by聖月 ]   2008年06月05日 08:55
2006年版聖月大賞受賞作品    傑作である。だから早々と、2006年版聖月大賞(2005年版聖月大賞は◎◎『そのときは彼によろしく』市川拓司)を授与しよう。年末まで待てない。本書がこのミスの国内編1位をとっても評者は別段驚かないし、直木賞だとかその他の有名ど...
4. 「犬はどこだ」 米澤穂信  [ 今日何読んだ?どうだった?? ]   2008年06月05日 11:04
犬はどこだposted with 簡単リンクくん at 2005.11. 6米沢 穂信著東京創元社 (2005.7)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
5. 「犬はどこだ」米澤穂信  [ しんちゃんの買い物帳 ]   2008年06月05日 12:16
犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)(2008/02)米澤 穂信商品詳細を見る 体調不良により銀行を中途退社した紺屋長一郎は、地元に帰って何か自営業を宮.
6. 『犬はどこだ』米澤穂信  [ 今夜、地球の裏側で ]   2008年06月05日 18:38
犬はどこだ米澤 穂信 東京創元社 2005-07-21売り上げランキング : 7,248おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools  着実な人生を送っていた主人公・紺屋長一郎は希望通り銀行に就職したが、重度のアトピー性皮膚炎を発症し、2年で故郷の八保市に戻ることになった。そ...
7. 犬はどこだ  米澤穂信  [ 今更なんですがの本の話 ]   2008年06月05日 23:03
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8. 犬はどこだ  [ 本のある生活 ]   2008年06月06日 22:15
犬はどこだ 米澤穂信 25歳の紺屋は順調に思い描いたとおり、大学卒業後東京で銀行員となったものの、どうしてもその生活を捨てなければならなかった。故郷に戻り、犬探し専門(希望)の「紺屋S&R」を開業したところ、初めてきた依頼は失踪人探しと、古文書の解読だ....
米澤 穂信 「犬はどこだ 」 何とか持ちこたえようとしたものの、力及ばず、糸がぷつりと切れたように、退職した「私」こと紺屋。東京のアパートを引き払って地元に戻り、約半年間のほぼ引きこもり生活を終え、彼が起したのは犬専門の調査会社。<紺屋S&R(サーチ&レ
10. 犬はどこだ 米澤穂信  [ 色々なポイント+α ]   2009年10月27日 00:02
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この記事へのコメント

1. Posted by romi   2008年06月05日 00:53
こんばんわ。
私も『犬はどこだ』最近読んだばかりでした^^
ハンペイもいいキャラでしたが、GENも気になってました。次が楽しみですね。
そういえば、「飲食系の仕事は水仕事が皮膚に悪く〜」みたいなことが書かれていた気がしました。見返してないので定かじゃないのですが^^;ではでは!
2. Posted by 樽井   2008年06月05日 13:20
 タイトルについて確かに中身にあってはないといえばないですけれど、ラストの「黒さ」に衝撃を与えるためにお気楽そうに見えるタイトルをつけたって線もありかなぁ。
 或いは、犬=追跡者として、追跡者のあの人はどこだ、と考えると、、深読みしすぎですかね。
 トラバ、はっておきますね〜。
3. Posted by たまねぎ   2008年06月05日 23:33
読み終わった瞬間に思わず突っ込みたくなる一言をタイトルにしてみたとか。んで、犬は?と。でもそれはタイトルに犬はどこだとあるから犬は?となるんだから、鶏が先か卵が先が的なジレンマに陥るのか。もしかしてそれすらも狙いだったりして。とタイトルについて考えてみたのですがいかがでしょう。
4. Posted by やぎっちょ   2008年06月06日 12:08
romiさん
こんにちは〜♪
同じ時期に同じ本を読むってなんだかいいですよね〜!確かにGENもそうだ。忘れてた。このお話がシリーズ化になると、GENの活躍も増えるのでしょうが、結局は謎の人路線なんでしょうねー。
あ!そうですか。そんなこと書かれていましたか!!すっかり見逃してるし。。。うーむ、ありがとうございます★
5. Posted by やぎっちょ   2008年06月06日 12:10
樽井さん
なるほど。ラストから逆算して、物語の雰囲気とか構成をお気楽にしたということですね。策士だなぁ。ふぅむ。
犬探しの短編とか書けそうですよね★
6. Posted by やぎっちょ   2008年06月06日 12:11
たまねぎさん
おおお。そこまで考えてのタイトルだったら上級者ですね〜!そんな風に深く考えてもみなかったです。どこからもそんな推理は浮かんでこなかったなぁ。奉太郎失格!(それは違う物語だ!)
7. Posted by つな   2008年06月06日 23:36
やぎっちょさん、こんばんは〜。
私もこれ、結構好みでした。
米澤さんは、私は他には「春期限定いちごタルト事件」などの小市民シリーズを読んでます。
こちらも面白かったですよ〜。
GENもハンペーも気になるし、「犬はどこだ」の続編も読みたいです♪

さて、ここに書くべきことではないのですが、実は私、ブログのお引っ越しをしました。
お手すきの時で結構ですので、お手数ですが「ほんぶろ」の登録の変更をお願いしたく。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします〜。
8. Posted by やぎっちょ   2008年06月08日 00:56
つなさん
こんばんは〜♪
あ、「春季〜」積読にありまーす!かぶってますね♪
最近米澤さんを覚えたところなので、まだまだこれからという感じです!

ほんぶろの方了解です。
今ほんぶろ全然手が回っていませんので、申し訳ありませんが、しばらくお待ちくださいね。
このブログのリンクの方はURL変えました。
つなさんの新しいブログにもリンク貼ってくださるとうれしいで〜す★

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