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2829日に開催されたB129節。秋田ノーザンハピネッツとの戦いはサンロッカーズは2連勝で終わった。


GAME1は最終的に相手のラストショットの成否に勝敗を託される、薄氷の勝利だった。シーズン序盤に嫌という程味わった胃がキリキリするような接戦の感触を思い出す、まさに『死闘』。そこまで試合がもつれてしまったことには、チームとしての反省(ミスの多さやフリースローの成功率など)もあっただろう。対する秋田が流れるようなパスワークと、戻りの早いディフェンス、そして何よりプレーオフ争いから振り落とされまいとする高いエナジーで良いバスケを展開していたこともあり、翌日に不安の残る内容だとも感じた。


















しかし、そんなGAME1での不安要素を払拭するかのようにGAME2はサンロッカーズが20点近い差をつけて快勝した。関野(この試合で通算1000得点を記録)やケリーが鮮やかにスリーポイントを決め、マカドゥがインサイドの柱として躍動する。成長著しい西野もますます積極的なプレーで会場を湧かせてくれた。何よりも第3Qでは激しいプレッシャーで秋田の攻撃を全てシャットアウトするような、「サンロッカーズらしいディフェンス」の時間帯が見られたことがすごく嬉しかった。






GAME2でリクシル賞を受賞したマカドゥのスタッツは22得点10リバウンド4スティール。だが、彼はこの数字に対しても「全員が結の精神で戦い、セルフィッシュにならずにプレーができた結果」と語った。自身が量産したスティールについても、ガードがハンドラーを苦しめてくれたおかげだと言い切った。


そして同じくLIXIL賞を手にした関野は、持ち前の明るさとユーモアで1000得点という記録を誇りながらも、今後も自分はディフェンスで会場を湧かせたいという思いをはっきりと語った。


マカドゥと関野。彼ら二人の言葉に共通するのものは、目指すものの明確さだと思う。シーズンも残すところあとわずかとなった今、サンロッカーズの強みはここにある。今、何をしなければならないか。それが個人レベル、チームレベル共に明確化されている。だから一人のスーパースターがあれもこれもと役割を担う必要はない。ガードが、シューターが、ビッグマンが、そしてベンチメンバーが。それぞれが自分の戦場で、自分がやらなければならないことをひたむきに実行しているのだ。
 

それはシーズン序盤あるいは昨シーズンから、伊佐HCが頑固なまでに貫いてきたスタイルのおかげでもあるし、今節の解説を務めた松島良豪(元レバンガ)さんが言っていたように、プレーが止まるたびに選手たちが自らハドルを組んで次に何をするべきかを確認し、タイムアウトでは試合に出ていないメンバーも含めて全員でHCの意見を聞くほどの『強い主体性』によるものでもあると思うのだ。


マカドゥもインタビューで言っていたように、試合に出ているか否かに関わらず、サンロッカーズは常に全員で戦っている。その高い主体性と激しい運動量のディフェンスというスタイルが、いよいよ磨き上げられてきた。


この先は、自分たちの積み重ねてきたものをいかに信じられるか。そして遂行できるかという戦いである。そこで「結の精神」を持ち続けることができれば、きっとどんな難敵とも戦えると僕は信じたい。なんか毎回同じようなことを書いている自覚はある。でも、そう思うのだから仕方ない。見るたびに思うんだもの。そういう風に。



今週はあまりブログを書いている時間がなく、秋田との激闘をあっさりとまとめるしかないのが少々もどかしいけれど、チームの勝利と頼もしさを感じられる僕の喜びが少しでもテキストとしてここに保存できていれば嬉しい。