短文ネタ置き場

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2010年03月

中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、新華社通信が36歳の男を拘束したと伝えた。

2010.3.28 03:02
このニュースのトピックス:主張
 中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、新華社通信が36歳の男を拘束したと伝えた。ギョーザ製造元の臨時従業員で、給料や待遇など個人的不満から注射器でギョーザに有機リン系殺虫剤メタミドホスを注入したという。
 事件では日本の3家族計10人が中毒を起こし、女児が一時意識不明の重体となった。食の安全をめぐり、日本社会に与えた不安とショックは計り知れないものがあった。中国食品に対する消費者の警戒はいまも続いている。それだけに、中国には背景も含めた事件の全容解明を強く求めたい。
 今回の拘束について、鳩山由紀夫首相は中国側の努力を評価する見解を示した。だが、これまでの中国側の不誠実な対応を考えると、手放しで歓迎するのはどうか。中国人が容疑者という以上、日本への謝罪や賠償問題などを政府はきちんと処理すべきだ。
 事件は不明な点が多い。単独の犯行なのか。拘束はいつだったのか。犯行から2年以上も経過しているが、どう注射器を押収したのか。中国は事実関係をきちんと公表してほしい。
 警察庁は中国の警察当局と公式非公式合わせて約30回も捜査協議を続けてきたが、連絡はどうだったのか。日中間では犯罪人引き渡し条約が結ばれていないため、容疑者は中国で処罰される。ただし、刑事共助条約で、警察庁は捜査に協力できる。捜査情報の提供を強く要求すべきだ。
 それにしてもなぜ、もっと早く、犯人を割り出せなかったのか。中国の警察当局は早い段階でギョーザ製造元の従業員を疑い、数人を事情聴取していたとも伝えられていた。
 これまで、岡田克也外相は外相会談を通じて「事件をうやむやにしてもらっては困る」との立場を明確にしてきた。捜査状況の報告を求めるなどの主張を続けてきたことも影響したのだろう。
 近く食品の安全に関する日中間の覚書も結ばれる。今後の真相解明を中国任せにするのではなく、日本政府も積極的にかかわっていくべきである。
 日中関係はこの事件以外、東シナ海のガス田開発などの懸案がある。中国側は一昨年6月の日中両政府の合意に反し、単独で開発を進めている。軍備増強にも邁進(まいしん)している。建設的な日中関係にするためには中国側がより大きな責任を担っている。

鳩山由紀夫政権は普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を

2010.3.27 04:18
このニュースのトピックス:主張
 鳩山由紀夫政権は普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を米軍キャンプ・シュワブ陸上部などに分散移転し、最終的にホワイトビーチ沖合に代替基地を造る「2段階移設案」を含めて地元や米政府との調整作業に入った。
 2段階案の中身はいずれも過去に地元や米軍から不都合とされ、決まっても実現は8~15年先だ。4年後に普天間を返還できる現行計画ではなぜいけないのか。その説明もないままに実現性を欠いた案を進めれば、日米同盟はますます空洞化の危機にさらされる。鳩山内閣は頭を冷やして原点に戻り、現行計画の履行を決断すべきだ。
 もともとシュワブ陸上案は、ヘリなどの飛行経路が住宅地の上にかかり、安全性や技術面からあえて現行計画のシュワブ沿岸案に差し替えた経過がある。しかも政府案では、米海兵隊のヘリ部隊と固定翼機が県内外に分散され、一体的運用を損なう恐れもある。
 ウィラード米太平洋軍司令官は「統合運用が難しく、任務を果たせなくなる」と警告し、抑止能力にも危険な欠落を生じかねない。これらの問題を無視して、つじつま合わせのような構想を推進するのは理解に苦しむばかりだ。
 さらに問題なのは、ホワイトビーチ沖合の埋め立て案が最低でも10~15年かかり、工事規模や費用の面でも現行計画を大幅に上回る可能性があることだ。普天間飛行場の長期継続使用が続くことになりかねず、地元うるま市も沖縄県も一斉に反対を強めている。
 何よりも疑問でならないのは、「現行計画はゼロに近くなった」(北沢俊美防衛相)としながら、鳩山首相も主要閣僚も、現行計画を選択しない理由について一度も国民や国会に明確な説明をしていないことだ。
 普天間返還は1996年に日本政府が要望した。地元の声も取り入れながら、10年の歳月をかけてまとまったのが現行計画だ。地元の名護市や沖縄県、米政府の足並みもそろっていた。それにもかかわらず、鳩山首相自らが「県外、国外」に自らこだわって迷走を重ね、決着を先延ばしにしてきた責任は重い。
 日本の安全を守る「抑止力の維持」と「県民負担の削減」の条件をともに満たせる案は現行計画以外にない。米政府もこれを最善としている。首相は過去の経過を改めて検証し、国益を見据えた決断を下してほしい。

足利事件の菅家利和さんの無罪が確定した。

2010.3.27 04:17
このニュースのトピックス:主張
 足利事件の菅家利和さんの無罪が確定した。法曹界全体をはじめ事件の関係者が猛省し、冤罪(えんざい)防止に向けて最大の努力を行わねばならない。
 菅家さんは栃木県足利市で平成2年に4歳女児が殺害された事件でいったん無期懲役が確定した。昨年6月、17年半ぶりに釈放され、宇都宮地裁は無罪を言い渡した。今回は、それを法的に決着させるための再審判決だった。
 従来の再審は、被告の名誉を早期回復することが目的とされた。しかし足利事件では、菅家さんと弁護側が冤罪となった原因の究明を主張し、同時に、誤った判断を下した裁判官の謝罪なども求める異例のケースとなった。
 担当した同地裁の佐藤正信裁判長は、菅家さんの心情に最大限に配慮したといえる。取り調べ検事の証人尋問や、取り調べの模様を録音したテープを再生し、法廷で証拠調べする措置をとったのも、その表れだった。
 この日の判決で、捜査段階の有力な証拠とされたDNA型鑑定の科学的信頼性が否定され、証拠能力も認められなかった。菅家さんの自白も、この旧鑑定の結果を告げられたことによるものであり、信用性は皆無であると結論づけた。当然の判断だろう。
 判決文を朗読した佐藤裁判長は菅家さんに、「17年半もの長きにわたり自由を奪う結果となり、誠に申し訳ない」などと謝罪し、深々と頭を下げた。裁判官として、精いっぱいの反省の気持ちを伝えたものと理解したい。
 取り調べを担当した警察・検察当局ばかりでなく、DNA型鑑定に何ら不信を抱かなかった裁判所の責任も大きい。最高裁は平成12年の上告審で、「DNA型鑑定は科学的に信頼される方法で行われた」として、菅家さんの上告を棄却する決定を下した。
 この段階でもう少し慎重に審理し、鑑定結果に疑問を持てば、もっと早く菅家さんを救済できたかもしれない。
 また捜査段階でのメディアの報道についても行き過ぎがなかったか、再検討する必要がある。
 菅家さんは無罪が確定したが、事件は真犯人が不明のまま時効になった。足利市周辺では昭和54年以降、女児計4人が殺害され、いずれも未解決のままだ。
 捜査当局は、冤罪防止に細心の注意を払いつつ、凶悪事件の解決に全力を傾けてもらいたい。

第2期日韓歴史共同研究の報告書が公表された。

2010.3.26 03:25
このニュースのトピックス:ライフスタイル
 第2期日韓歴史共同研究の報告書が公表された。両国の学者の歴史に対する考え方の違いが一段と鮮明になった。
 今回は第1期(平成14~17年)で研究対象となった「古代史」「中近世史」「近現代史」の3分野に加え、「教科書小グループ」が新設された。特に、この新しいグループで激論が展開された。
 韓国側には、いわゆる「従軍慰安婦」と軍需工場に女子が勤労動員された「女子勤労挺身(ていしん)隊」との混同や、「侵略→進出」をめぐる昭和57年の教科書騒動が日本のマスコミの誤報に端を発していたことへ理解不足が見られた。平成14年から登場した扶桑社の「新しい歴史教科書」を「右翼教科書」とレッテルを張って非難した。
 これに対し、日本側は韓国側の誤解を指摘し、相応な反論を行っている。日本側の学者が韓国側の主張に引きずられず、それぞれの研究成果をきちんと発表したことも評価したい。
 今夏、100年目を迎える「日韓併合」についても、「明治政府の強制はあったが、第2次日韓協約(1905年)や日韓併合条約(1910年)は有効だった」とする日本側の見方と、「大韓帝国の皇帝(高宗)の署名がなく、無効だ」とする韓国側の主張は、ほとんどかみ合わなかった。
 全体として、日本側の学者が実証的な研究を重視する傾向が強いのに対し、韓国側は政治的な主張が強すぎるようだ。
 日本ではいまだに、政治家や閣僚が日韓の歴史問題について自由にものを言えない雰囲気がある。これまでも、韓国の意に沿わない発言をした閣僚がしばしば、謝罪や辞任を強いられた。2期にわたる共同研究で、これだけ違いがはっきりした以上、韓国の要求を一方的に受け入れるだけの姑息(こそく)な対応を繰り返してはいけない。
 日韓歴史共同研究は、1月に報告書が公表された日中歴史共同研究よりは、意義があるといえる。中国が言論・学問の自由を認めない独裁国家であるのに対し、韓国にはそれらの自由がある。だが、歴史問題では金完燮(キム・ワンソプ)氏の著書「親日派のための弁明」が過去に有害図書に指定されるなど、自由はかなり制限されたものだ。
 今後、共同研究を続けるとしても、日中間と同様、日韓間においても、「歴史認識の共有」などの幻想は持たず、違いを明らかにすることにとどめるべきだ。

亀井静香郵政改革相が発表した郵政改革法案の骨子をめぐり、

2010.3.26 03:23
このニュースのトピックス:主張
 亀井静香郵政改革相が発表した郵政改革法案の骨子をめぐり、閣僚から異論が相次いでいる。
 この法案は郵政事業の将来像が不明なまま巨大「官業」をめざす中身だ。改革を逆行させる「改悪」と言わざるを得ない。鳩山政権は手直しより直ちに白紙に戻し、議論し直すべきだ。
 骨子では郵便貯金の1人当たり預入限度額を現在の倍の2000万円、簡易保険の加入限度額もほぼ倍の2500万円に上げることにした。また、政府が3分の1超の株式を握る持ち株会社に郵便事業会社と郵便局会社を統合し、金融2社をその傘下に収める3社体制とする。郵便事業が今後厳しくなりそうなので郵貯と簡保の事業を拡大し増収を図って、グループ全体を維持する狙いがある。
 閣内の批判は、この郵貯と簡保の肥大化方針に対してだ。仙谷由人国家戦略担当相は「民間企業に資金を回す仕組みをつくらないと経済が縮む」と懸念する。
 すでに郵貯と簡保あわせて270兆円もの資産があるのに、さらに資金を集めて民業を圧迫すれば「民間活力を阻害しかねない」と心配するのは真っ当な意見だ。
 民間金融機関の預金は元本1000万円と利子しか保護されない。国民は「暗黙の政府保証」を期待し、郵貯に資金を移すことが予想される。信金や信用組合などから大きな資金流出が起きれば、融資を受けている中小企業の経営にも影響するだろう。
 民主党は5年前、郵政改革をめぐり「金融業務を縮小すべきだ」と主張していた。それが連立政権で、国民新党代表の亀井氏が議論のかじを取るようになってから、支離滅裂ぶりが鮮明になった。
 その典型的な例は、郵政グループの約10万人の非正規社員を正社員として登用する方針だ。人件費は年間3000億円程度増える。そのコストを賄うため、金融2社が新たに住宅ローンやがん保険などまで手を広げるというなら、本末転倒だろう。
 閣内批判に対して亀井氏は再度協議する意向だが、骨格部分の修正には否定的だ。今夏の参院選に向け、全国郵便局長会や労組票を意識しているとも指摘される。
 亀井氏に法案作成を一任してきた鳩山由紀夫首相の責任は重大である。金融事業の縮小と経営効率化という郵政改革の原点を見失ってはなるまい。部分的な手直しで妥協すれば、禍根を残す。
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