建築家の卵ブログ

建築を通して、社会、建築、街、教育などに関する考えを綴っています。
至らない点も多いかと思いますが、意見・批評などありましたらコメント等いただければと思います。

横浜美術館前の商業施設

日経新聞で読んだコラムにこういうものがありました。
 現在横浜美術館前に商業施設が工事中になっているのですが、その仮囲いが真っ白なキャンバスになっていて、そこにドイツ人アーティストがつくったシールを自由に貼ることができるという内容の記事がありました。
そのシールは、美術館で100円以上の寄付をすると8枚セットでもらえるというもので、寄付金は地震の復興費用に充てられるそうです。
art
これはすごいいい取組だなぁと思ったのは、美術館が積極的に街に対して働きかけるような仕組みになっていることです。アメリカや、カナダ、西洋の美術館のように街に対して働きかける力を日本の美術館も持ち始めたのかなぁーと思い、とても気持ちがいいイベントだと思いました。

仮囲いが、小学生などの遊び場になるだけでなく、街に対してアートが表情として立ち上がり、楽しい気分になりますよね。そして、結果的には今回の震災で困った人たちへの寄付金になるという総じていい取り組みだなぁと感じます。

僕がカナダのバンクーバーに行った時は、美術館は月に3回ほど無料の日があるのですが、その日は本当に無料で入ることもできるし、寄付金を出すこともできます。その寄付金はおそらく美術品の管理や、美術館の運営費として使われるのだと思いますが、時には、今回のように震災や被災した人のための寄付金として集めることがあってもいいのだなぁと、なるほどなるほどと、うなづきながら読んでいました。
art copy


話は変わります。
ところで、震災からもうすでに半年が経ちましたが、
いまだに体育館で生活している人が多数います。和歌山では悲惨な大雨、新潟でも大雨。
自然災害と人的要因が合い重なって、想像を絶する状況が続いているように思います。
今できることをやることが第一ですが、直接的に何もできない場合でも、
周囲にはそういう人たちがいるということを胸にとめていることが大事ですよね。

建築をやっている人なら、同じように感じている人もいるかもしれませんが、
建築のアイデアコンペなど、不毛なアイデアがもてはやされて、
夢のようなおとぎ話ばかりが重宝されているように感じます。
コンペの主催者も、こういう非常事態の時に、実際的な提案につながるようなコンペや、
そういう提案をしやすいコンペを開催してはどうなんだろうか・・・と思うんですが。
それと同時に、自分はアイデアコンペの時でも、少しでも実際的な(でもやる以上は趣旨から外れることはできない・・・) 提案をできるように心がけたいなと思います。

アメリカのシンクレア?という名前だったと思いますが、Architecture for Humanityという団体を立ち上げて、全世界の自然災害によって苦しんでいる人たちや、貧しい人たちに対して建築的に、且つ安く、人々の生活を改善するような活動をしている団体があります。
コンペでその案を募集ときもありますし、実際にそれが実施されたりしています。

そういう面でのアメリカの民間団体の力強さは、
お金にも余裕のある日本の国は、真似すべき、真似したいところだなぁと思います。
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ガードレール

前回のつづきで、
ガードレールがあるものとないものを作って実際に比較してみました。と、自分の作品を置いてみたりしました。
Hodo-A
Hodo-C
 全く同じアングルの、全く同じ写真に建物を合成してみました。
全体に4階建ての建物が覆ってくるので、歩行環境として、
「めっちゃいい」ものになっているかは自信ないところですが、 

ガードレールの部分にだけ注目してみてください。自転車の放置駐車などがなくなれば、
どんなにすっきりするか。自転車のために狭くなった歩道を避けて、車道を歩く必要もありません。
かといって、車がいない時は車道にも出ることができるような開放感があるような・・・気がしませんか?

さらに適当な街路樹があれば、この敷地の場合、奥の公園から緑が連続してつながってくるようになります。
photo
今回の敷地で、執拗に歩きやすい歩行空間を実現する必要はありませんが、
必要な場所では、適切に自治体などが対応してほしいものです。
たしかに安全面が重要視される場合は、ガードレールも必要な場合もあるでしょうし、
警察側が、ガードレール撤去なんて認めるわけがないと思いますが・・・、
オープンカフェ制度といい、道を使うことに対して消極的すぎる日本は、
なにかしら変えていかなきゃ、街が生き生きできない場所も、たくさんあると思うんですが・・・。
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歩きやすさをつくる

日本の歩道は、やっぱり歩きやすいようには作られていないんじゃないかなと思います。
問題は、歩道の狭さと、ガードレール、街路樹の地面回りが、大きな問題かなと。あわよくば、自転車専用道路があれば車道とのバッファーゾーンもできて良いと思うのですが、そこまでやる場所は限られても仕方ないと思いますが。

ガードレールの一番の問題点は、本来、歩行者の安全を守るためであるのはわかりますが、
実際には、自転車などの放置駐輪を増やしています。そのために歩道がさらに狭くなることもあれば、車道側に止められることもありますが、どちらにしろ、歩行空間の圧迫を高めているのが実際の状況ではないでしょうか。
また、ガードレールのデザインにもよりますが、ポールと、それらをつなぐような垂れ下がる鎖のようなものであれば、簡単にまたぐこともできるし、そこまで分断されている感じがない場合でも、
腰の高さまでずっと続くようなガードレールの場合は、ガードレールがない場所以外では、またぐこともできずに、これも圧迫感。

別にきれいな舗装にする必要はないと思います。もちろん、するにこしたことはありませんが、
普通のモルタル舗装でも、適度な歩道幅と、ガードレール無、もしくは簡易な仕切り、それと街路樹の足元に緑を入れられるような場所が、理想ですね。
sidewalk
それと、対面の歩道とあまり距離がない方が、いいのは言うまでもありませんが、その大きさはその用途にも依ってくる問題だと思います。
国道、県道、市道、村道とさまざま道路がありますが、行政に期待するのはもはや無理なような気がしますが、
丸の内の仲通りの整備は、どうやってやったのか気になります。
道路はもともと公共の土地なので、三菱地所がどのような関わりで整備したのか・・・。

中国や海外でプロジェクトがある場合は、日本よりもかなり大きなスケールで物事が進められると思いますが、その時に一体的に意見を言えるような環境にあるんじゃないのかなぁ?と勝手に予想しているのですが、地図上で道路を決定する人と、土木の人と、都市計画の視点から考える人と、建築の視点から道を考える人と、できるだけコミュニケーションがあって、決定されるべきだなぁと思います。

友人に都市計画系の人が何人かいるので、日本でこれからやる場合でも、海外でやる場合でも、「道」は、建築にも大きな影響を与える要素なので、いままでの失敗を繰り返すようなことが海外でも行われないことを望みますね!ヨーロッパの都市や、バンクーバー、モントリオール?等は、圧倒的に東京よりも参考にすべき例になると思います。韓国ソウルの市内の街の集まり方も、歩ける街としてはかなりいいモデルじゃないかなぁと思います。

もうすぐ終了する仮プロジェクト。
Site out2-3
コンセプトのひとつに歩きやすい街づくりに貢献するということを掲げたのですが、オフィスビルという用途を考慮すると上部階のオフィスフロアの整形さを保つために、内部にアトリウムを設けて、人のたまり場を提供することを考えました。現実の写真と合成していますが、ここは本来人通りの多い道なので、ガードレールをなくして、歩道幅をちょっと広くするだけで、全く違う風景になると思います。その予想図も作ってみようと思っています。今は自転車や車の路上駐車がかなり多くて、モッタイナイ。
上に出したような写真の歩道と合成してみると、全く違うものになるでしょう。
Subway Ent1-3
地下鉄駅出口と直通のアトリウムから地上階出口をみたものです。
出口と、建物内部に向かって、円弧上にアプローチをつくることで奥行き感を与えます。地下部分は、プロフィリットガラスで仕切られた飲食店テラスがあり、そこから光が漏れ、これも奥行きを与えます。
狭い敷地に色々詰め込みすぎたのはちょっと失敗でしたが、その点、狭いながらも奥行き感が重要なポイントでした。

地下鉄駅出入口という公共性と、それに面する3つのカフェ、飲食店などに加え、
ベンチ、販売スタンドを用意することで、人のたまり場を作り出します。

人のたまり場は、「空間」「用途」「きっかけファーニチャー」の3つがそろうことで、一層その効果が強まります。
(これは僕のバンクーバーの中心市街地を調査した修士論文の結論のようなもので、上のイメージ図にもそれを意識して計画しました。)ベンチがちょっと堅そうとか、そういう細部はまだまだ再考の余地ありですが。
Entrance In2
階段をのぼった後のイメージ。下の吹き抜けとつながります。
奥の方では、地下のテラスを見降ろすことができます。

Restaurant 1-2
たとえばの飲食店イメージ。机はそぐわないので再考が必要ですね。

Reception1
Office 4-4-3(light)
オフィスのレセプションとオフィス空間。

余談になりますが、
円弧の壁を使ってみて思ったのは、その不自由さ。
空間に広がりを持たせるためには、吹き抜けなどが重要な要素になりますが、吹き抜けを作るには防火シャッターが必要になることが多いのです。が、シャッターは基本的には直線なので、見せたくないシャッターレールがどうしても明らかに見え見えになってしまうことが大きな問題。

特に飲食店舗は、建築基準法で特殊建築物に当たるので、異種用途館区画が必要で、
ここに円弧の壁を用いるのはナンセンスだなぁと実感しました。 

それと、▼ブレースの外壁ですが、これも難しいのは、層間区画ですね。今回はスプリンクラーで適用面積を2倍にすることで、かなり逃れることができましたが、基本的には、垂直方向に900mmのスパンドレルか、最外壁から500mmの庇に値するスパンドレルが必要ですよね。
(敷地ぎりぎりに建てなければ、ブレースに耐火性能のボードを内包したアルミパネルをつければ、それで回避できると思いますが。。。)

当面、オフィスとはおさらばで、商業建築に携わることになりそうです。
良い商業建築って、なんでしょうか・・・ね!?
購買意欲を増すような空間と、仕掛けについてこれから考えてみたいと思います!
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いまさらGlobal Warming

プレゼンの参考になるという紹介を受けて、Al Goreのプレゼンテーションが見れる「不都合な真実」という映画を見ました。

内容は、地球温暖化に関するもので、Al Goreは生涯にわたって、ずっと地球温暖化について人々に考えさせ、注意を促し、説得させようと、同じスライドを1000回以上も各地で演説してまわったそうです。

僕は、個人的には「できることならエコがよい」という気持ちで、分別もわりとしていたりしていましたが、間下のほうは、半信半疑で、でもやれる範囲では回りの流れがそうだから、それに乗っても問題はないというスタンスでした。

けれど、Al Goreのプレゼンを聞くと、説得させられてしまうなぁと思ってしまいました。
反発したい気持ちも多くあるなかで、「本当なのか?」と何度も思おうとしても、
次々と出てくる説得要素に、頷かずにはいられない・・・というようなプレゼン。


地球温暖化に関する科学的研究論文の中で、二酸化炭素などの地球温暖化ガスが、地球温暖化とは関係ないという結果を書いている論文は、全論文の10%にあたる900の論文のうち、「0」だ、そうです。

僕も以前聞いたことがある反対論として
「地球の冷暖のサイクルだ」という説に対しても、何百年もさかのぼって、
氷河期と温暖期を繰り返す気温のグラフと、それとセットでその時の二酸化炭素量を示すグラフが
ほぼ対応して増減していることを示した後に、

現在の二酸化炭素量が、過去のどの時期にも比べて多く、
温暖化もそれに沿って起きていることを表すグラフを見ると、僕の聞いた反対論は、あっという間に論破されてしまいます。



また、よく聞く話で、「経済」とどっちが大事?という話では、
「金塊」と「地球」を天秤にかけて、どっちか選ぶとしたらどっち?という問いも面白おかしく、でも
妙に説得力のあるプレゼンだと思いました。

お金は地球がなければ使えないし、地球があれば、後からお金をつくれます・・・よね。


日本で、特に東京で生まれ育った人は、回りに自然が少なくて、自然の価値に、もしくは自然の美しさや、優しさに感動する機会があまりないではないかなぁと思います。
僕自身、普段の生活では、自然なんて、なんの関係もないかのような暮らしをしているのが実情です。

でも、他の国に行けば、本当に美しい自然を持つ国がたくさんあります。
カナダに行った時は、街のほんのすぐ近くに山があって、小川があって、そこには魚たちがいて・・・

こういうのは日本の田舎でも見られる風景かもしれませんが、東京や大阪ともなると、そういう場所を見つけるには時間がかかりますよね・・・。


前から言われていることですが、温暖化が進めば、南極?北極?の氷がとければ、海抜が1m以上あがったりするわけです。海に浮いている氷が解ける分には関係ないのですが、陸の上にある氷が解けると、海抜が高くなってしまいますよね。そうすると、日本でも多くの場所は海に沈み、もちろん、バングラディッシュやアメリカや多くのアジアの国々が、海に沈んでしまいます・・・。

・・・と、僕がここで環境問題について説明するよりも、「不都合な真実」の映画を一回見てもらった方が早いでしょう。是非オススメします。



日本の車や、電子機器の二酸化炭素排出量は、とても少なく、優秀です。
その他の電子機器(洗濯機、冷蔵庫など)もネット管理することで、電力消費量を抑えるスマートハウスも現在開発中で、日本は環境に関しては、トップの国なんだなぁと実感させられます。


東京にいると、自然を感じることがあまり少ないのに、エコを進める国民がいて、それに猛進しているのを見ると、
日本人ってちょっと変わってるのかなぁとも思ったりもしつつ、真面目でいい国なんだなぁと思い、馬鹿を見ている国なのかもなぁとも思い、
でも、これをうまく自分のプラスになるように進む道が、日本にとって最善の道なんじゃないかなぁと思いました。


世界が追いつけないほどのエコ商品を開発し、売る、エコならば、日本という、日本ブランドがすぐにできてしまうと期待しましょう。一方で、日本は技術やソフトや、アイデアを売ることしかできない国という方向に進んでいるように思います。エコ住宅でも、地震対策の技術でも、細部の技術には目が行き、必要性からそれらがもてはらされて、日本の街がおおきな世界の実験場のように感じられることもあります。

エコの目指す先が、美しい地球を守ることなら、 
美しい街、美しい文化、美しい歴史を保ち、それを見に人々を招くことができる都市という視点も、本当は欲しいのですけれど・・・。


ゴアは、地球温暖化に取り組むということは、Ethicsの問題だと言っていました。
それを日本は、うまくエコ(=消費電力を下げる=一般市民の光熱費などを下げる)事業に転換したと思いますが、美しい街づくりも、観光事業と合わせてか、もしくは、他の何かと合わせて、人々の意識の中に組み込まれたらなぁと思います。


たとえば、ショッピングをする時も、郊外のロードサイドでの購買意欲と、ハイファッションな街での買い物、どちらが購買意欲があがるか・・・・などをもし分析してみたら、魅力的な街と購買活動の関係が見出されて、魅力的な街づくりが盛んに意識されるかもしれません。


今日は、長くなりましたが、
最近、地震、さらには大雨で、地球の異常事態を、感じずにはいられません。
独身の僕でさえ、50年後にはひどい事態になるかも、と話を聞いて、それを本当に想像したら
なんとか回避しなければ、と思ってしまいました。

まだまだ、ネタのつきない、知恵の多い映画だったなぁと感じましたが、みなさんも是非一度。
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岡本 大(おかもと まさる)

'05 建築学科卒@京都
'09 都市計画と不倫@東京
'09 短期留学 @Vancouver
'11 設計部所属@ゼネコン

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