1. EU離脱協定案を承認、「蛍の光」で別れを?
欧州議会(EU)において、イギリスのEU離脱(BREXIT)協定案を承認しました。
これで本格的にイギリスはEUから離脱が2月1日に行われることを明確に承認した形になります。
その様子をAFPは以下のように書いています。
引用はじめ
議場では議員らが別れの歌を合唱するなど、感情的な光景が繰り広げられた。
引用終わり
上記のBBC Politicsのリンクから、「蛍の光」をうたっている状況がわかります。
2. 日本語の「蛍の光」と英語の「オールド・ラング・ザイン」
しかし、注意しなくてはならないのは「蛍の光」は日本人が思っている「別れの歌」とは少し異なります。まず、日本語の「蛍の光」の歌の歌詞を考えてみましょう。以下wikipediaより引用。
一方、原曲のスコットランド民謡ではAuld Lang Syne(オールド・ラング・ザイン)と言い、歌詞は以下の通りです。これは、もともと18世紀にスコットランドの国民的な詩人、ロバート・バーンズ(Robert Burns)とい詩人が作詞したものと言われています。彼の詩の特徴は、英語の中にスコットランドを混ぜたことから、スコットランド語の普及に努めました。以下、wikipediaより引用。
Should auld acquaintance be forgot,
and never brought to mind?
Should auld acquaintance be forgot,
and auld lang syne?
Chorus:
For auld lang syne, my jo,
for auld lang syne,
we'll tak' a cup o' kindness yet,
for auld lang syne.
And surely ye'll be your pint-stoup!
and surely I'll be mine!
And we'll tak' a cup o’ kindness yet,
for auld lang syne.
Chorus
We twa hae run about the braes,
and pou'd the gowans fine;
But we've wander'd mony a weary fit,
sin' auld lang syne.
Chorus
We twa hae paidl'd in the burn,
frae morning sun till dine;
But seas between us braid hae roar'd
sin' auld lang syne.
Chorus
And there's a hand, my trusty fiere!
and gie's a hand o' thine!
And we'll tak' a right gude-willie waught,
for auld lang syne.
Chorus
これを英語にすると以下のようになります。日本語は筆者による試訳です。
Should old acquaintance be forgot, 古い友達は忘れられて、
and never brought to mind? 思い出すことはないのだろうか?
Should old acquaintance be forgot, 古い友達は忘れられて、
and auld lang syne? 追憶のかなたに消え去ってしまっただろうか?
Chorus:
For auld lang syne, my dear, 友よ、古き良き時代を思い出して
for auld lang syne, 古き良き時代を思い出して
we'll take a cup of kindness yet, 酒を酌み交わそうではないか
for auld lang syne. 古き良き時代を思い出して
And surely you'll buy your pint cup! 君は自分の飲み物を買って
and surely I'll buy mine! 僕も自分のを買おう
And we'll take a cup o' kindness yet, 二人で酒を酌み交わそう
for auld lang syne. 古き良き時代を思い出して
Chorus
We two have run about the hills, 二人で丘を駆け回って、
and picked the daisies fine; 可憐なデイジーの花を摘んだね
But we've wandered many a weary foot, でも、よろめく足取りで僕たちはさまよったね
since auld lang syne. 古き良き時代のあと
Chorus
We two have paddled in the stream, 小川で泳いだね
from morning sun till dine; 朝早くから日が暮れるまで
But seas between us broad have roared 荒海が二人を隔てたね
since auld lang syne. 古き良き時代のあと
Chorus
And there's a hand my trusty friend! 今ここに心から信頼できる友人の手がある
And give me a hand o' thine! 手を取らせてくれ
And we'll take a right good-will draught, 友情の証の一杯を酌み交わそう
for auld lang syne. 古き良き時代のために
Chorus
したがって、これはイギリスが#Brexitから去ることに対する「別れの歌」ではなく、「再会を願って、同志への友情の証と労いを示し、新しい幕開けへの乾杯の歌」と言えるでしょう。
この「オールド・ラング・ザイン」を歌うことによって、今後またイギリスがEUに戻ることがあるかもしれないという「余韻」を残していることが、この歌を歌う行為に隠されているのではないでしょうか。
こうした背景がわかると、単に「さよなら」を言っている別れの歌というわけではないことがわかります。
3. 今後に注目
今後イギリスが#Brexitをした後、どのように変化していくか注目したいところです。
こちらのツイートもご参照ください。
欧州議会(EU)において、イギリスのEU離脱(BREXIT)協定案を承認しました。
これで本格的にイギリスはEUから離脱が2月1日に行われることを明確に承認した形になります。
その様子をAFPは以下のように書いています。
引用はじめ
議場では議員らが別れの歌を合唱するなど、感情的な光景が繰り広げられた。
引用終わり
AFPBB News@afpbbcom欧州議会は29日、英国のEU離脱(Brexit)協定案を承認した。議場では議員らが別れの歌を合唱するなど、感情的な光景が繰り広げられた。
2020/01/30 14:00:04
https://t.co/QYTSkGHxac
BBC Politics@BBCPoliticsSinging of Auld Lang Syne starts in the European Parliament as the Brexit Withdrawal Agreement is approved by MEPs… https://t.co/eYLzMNgFF4
2020/01/30 02:44:01
上記のBBC Politicsのリンクから、「蛍の光」をうたっている状況がわかります。
2. 日本語の「蛍の光」と英語の「オールド・ラング・ザイン」
しかし、注意しなくてはならないのは「蛍の光」は日本人が思っている「別れの歌」とは少し異なります。まず、日本語の「蛍の光」の歌の歌詞を考えてみましょう。以下wikipediaより引用。
ほたる | 螢 | |
---|---|---|
1 | ほたるのひかり、まどのゆき、 ふみよむつきひ、かさねつゝ、 いつしかとしも、すぎのとを、 あけてぞけさは、わかれゆく。 |
螢の光、窓の雪、 書讀む月日、重ねつゝ、 何時しか年も、すぎの戸を、 開けてぞ今朝は、別れ行く。 |
2 | とまるもゆくも、かぎりとて、 かたみにおもふ、ちよろづの、 こゝろのはしを、ひとことに、 さきくとばかり、うたふなり。 |
止まるも行くも、限りとて、 互に思ふ、千萬の、 心の端を、一言に、 幸くと許り、歌ふなり。 |
3 | つくしのきはみ、みちのおく、 うみやまとほく、へだつとも、 そのまごゝろは、へだてなく、 ひとつにつくせ、くにのため。 |
筑紫の極み、陸の奥、 海山遠く、隔つとも、 その真心は、隔て無く、 一つに盡くせ、國の為。 |
4 | ちしまのおくも、おきなはも、 やしまのうちの、まもりなり。 いたらんくにに、いさをしく、 つとめよわがせ、つつがなく。 |
千島の奧も、沖繩も、 八洲の内の、護りなり、 至らん國に、勳しく、 努めよ我が兄、恙無く。 |
Should auld acquaintance be forgot,
and never brought to mind?
Should auld acquaintance be forgot,
and auld lang syne?
Chorus:
For auld lang syne, my jo,
for auld lang syne,
we'll tak' a cup o' kindness yet,
for auld lang syne.
And surely ye'll be your pint-stoup!
and surely I'll be mine!
And we'll tak' a cup o’ kindness yet,
for auld lang syne.
Chorus
We twa hae run about the braes,
and pou'd the gowans fine;
But we've wander'd mony a weary fit,
sin' auld lang syne.
Chorus
We twa hae paidl'd in the burn,
frae morning sun till dine;
But seas between us braid hae roar'd
sin' auld lang syne.
Chorus
And there's a hand, my trusty fiere!
and gie's a hand o' thine!
And we'll tak' a right gude-willie waught,
for auld lang syne.
Chorus
これを英語にすると以下のようになります。日本語は筆者による試訳です。
Should old acquaintance be forgot, 古い友達は忘れられて、
and never brought to mind? 思い出すことはないのだろうか?
Should old acquaintance be forgot, 古い友達は忘れられて、
and auld lang syne? 追憶のかなたに消え去ってしまっただろうか?
Chorus:
For auld lang syne, my dear, 友よ、古き良き時代を思い出して
for auld lang syne, 古き良き時代を思い出して
we'll take a cup of kindness yet, 酒を酌み交わそうではないか
for auld lang syne. 古き良き時代を思い出して
And surely you'll buy your pint cup! 君は自分の飲み物を買って
and surely I'll buy mine! 僕も自分のを買おう
And we'll take a cup o' kindness yet, 二人で酒を酌み交わそう
for auld lang syne. 古き良き時代を思い出して
Chorus
We two have run about the hills, 二人で丘を駆け回って、
and picked the daisies fine; 可憐なデイジーの花を摘んだね
But we've wandered many a weary foot, でも、よろめく足取りで僕たちはさまよったね
since auld lang syne. 古き良き時代のあと
Chorus
We two have paddled in the stream, 小川で泳いだね
from morning sun till dine; 朝早くから日が暮れるまで
But seas between us broad have roared 荒海が二人を隔てたね
since auld lang syne. 古き良き時代のあと
Chorus
And there's a hand my trusty friend! 今ここに心から信頼できる友人の手がある
And give me a hand o' thine! 手を取らせてくれ
And we'll take a right good-will draught, 友情の証の一杯を酌み交わそう
for auld lang syne. 古き良き時代のために
Chorus
したがって、これはイギリスが#Brexitから去ることに対する「別れの歌」ではなく、「再会を願って、同志への友情の証と労いを示し、新しい幕開けへの乾杯の歌」と言えるでしょう。
この「オールド・ラング・ザイン」を歌うことによって、今後またイギリスがEUに戻ることがあるかもしれないという「余韻」を残していることが、この歌を歌う行為に隠されているのではないでしょうか。
こうした背景がわかると、単に「さよなら」を言っている別れの歌というわけではないことがわかります。
3. 今後に注目
今後イギリスが#Brexitをした後、どのように変化していくか注目したいところです。
こちらのツイートもご参照ください。
米山明日香 Dr Asuka Yoneyama@asuka_yoneyama_歴史的な瞬間。完全に #BREXIT へ。
2020/01/30 10:22:51
ところでここで歌われているのは「#蛍の光」です。スコットランド民謡でAuld Lang Syneと言います。「親愛なる友人のために酒を酌み交わそう」という歌で年始や披露宴などで歌われ、再… https://t.co/1lbHaxZwQz