先週のニュースは猪瀬直樹辞任というのが政治では大きかったが、全体を見通してみると、餃子の王将の社長射殺事件、それからミス・インターナショナルの吉松育美の外国特派員協会での記者会見というのがネット界では持ちきりだった。

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 Meeting with  John Kerry: Her Plea for world values
 

 そういえば秘密保護法に反対する人も、推進する人も吉松が会見で使った外国特派員協会(FCCJ)を選んで情報を発信する。

 私はFCCJには何度か取材で出かけたことがある。それはジェラルド・カーティスと上智大学の中野晃一教授の記者会見がメインだったが、この会見には欧米の主流メディアからアジア、中東の記者、フリージャーナリストが参加する。田中角栄の金脈問題が米国記者のサム・ジェームソンによって取り上げられたのもこの場所だ。

 実はこのFCCJという場所は最近は会員も減っていると聞くが、それでも今でも有楽町のこのビルを舞台にニュースは生まれていくのだということを今回の吉松育美の記者会見を見ながら強く思った。

 吉松は日本の芸能事務所のケイダッシュの幹部の谷口元一という人物にストーカーされていることをこの場所で告発した。ところが大手新聞はこの記者会見を報じていない。どうも吉松はこの少し前に日本の記者クラブ向けに記者会見を行ったらしいが、取材はたくさん来たが、実際に報じる主要メディアは皆無だったということで、急遽外国プレスに向けて記者会見をすることになったという。

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ケイダッシュ取締役 谷口元一

 それでも日本のメディアは黙殺したようだ。それはグーグルのニュース検索でこのFCCJでの記者会見について報じた記事は主要メディアでは皆無だったことからもよく分かる。報じているのはネット系のニュースサイトばかりだ。ところが、吉松のブログに記事がリンクされているが、海外のメディアは熱心に取り上げている。これは東洋の土人の国でまだ旧態依然のヤクザが芸能界で幅を利かせているという報道をする狙いもあるのだろうが、実際この落差はすごい。

 記者会見の内容は以下に貼り付ける。

 ただ、私はここで政治ブログという視点で重要な事を書く。

 今回の吉松育美の件、仮に吉松がミス・インターナショナル2012を受賞していなかったら、海外メディアはそれほど関心を示しただろうか、ということだ。

 ミス・インターナショナルは世界のミスコンであり、日本のミス◯◯のようなローカルのミスコンではない。世界のミスコンの受賞者である吉松は世界の支配層へのアクセスを得られた。

 藤原紀香がいくら頑張っても、藤原は結局、アンジェリーナ・ジョリーのモノマネをしただけに終わってしまう。それは世界普遍価値(ワールド・ヴァリューズ)が認めた存在ではないからだ。
 
 リベラルデモクラシー、人権尊重もこれも一応現在では世界普遍価値ということになっている。あるいは地球温暖化防止もそうだ。二酸化炭素が原因かどうかは実際はわからないのに、「世界普遍価値」としてのノーベル平和賞があるので、これも世界では反論が許されない。

 同じようにミス・インターナショナルも世界普遍価値だ。このコンテストには教養ある世界中のそれこそベネズエラなどの反米国からも参加者がいる。

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 だから、日本のナショナル(ローカル)・ヴァリューズ(国内だけでしか通用しない価値基準)は通用しない。だから世界のメディアは大々的に報じて、一報で日本の広告会社の電通とその傘下の芸能プロに支配された記者クラブは沈黙するという驚くべき好対照になってしまったのだ。



 だから、日本の山口組などのヤクザと繋がったバーニングプロダクションの周防郁雄とかその子分のケイダッシュの谷口元一(元TBSアナウンサーの川田亜子を練炭自殺に見せかけて殺したと言われる)というような芸能界の手配師たちは日本国内では威張っていられるが、世界では通用しない。世界には世界でユダヤ人とか白人の芸能界の綺麗事ではない世界が存在するわけだが、それは別の話だ。

 だから、ここで学ぶべき教訓は、ミス・インターナショナルと同様に、FCCJは世界普遍価値への窓口であるということだ。

 実は、安倍政権は世界普遍価値に乗っかっている部分と、そうではない部分がある。この場合の世界普遍価値とは、米国・ソ連・中国・英国・フランスなどの主導する「ヤルタ・ポツダム体制」のことだ。安倍政権はこのYP体制と、米国からの独立を果たした1951年以降の「サンフランシスコ体制」を別に捉えているが、世界はそういうふうには考えていない。

 だから尖閣問題ではそれほど世界的に日本の主張を一方的に支持する声はないのだ。ただ、同時に中国を支持する声もない。中国は南シナ海でYP体制の秩序の現状変更を目指そうとしている面があるからだ。

 ただ、尖閣問題は世界中が「領有権を巡る争い」だと認識している。日本や中国が領土紛争ではないといきがってみても、どう見ても尖閣諸島は国際法的(YP体制が確定させていないので)には領有権問題は未確定なのだ。この帰属を決める作業をやるかやらないかというだけの話だ。そんなどうでもいい島のために世界秩序を壊すなというのが世界の意見だ。

 現在の覇権国である米国はYP体制の現状維持(status quo)を狙う。そうすることが彼らにとって最も合理的だからだ。

 世界普遍価値が常に民族固有価値と衝突した場合、どっちが正しいかという真実はない。ただ、重要なのは世界普遍価値には多数のオーディエンスがおり、支持者もナショナルヴァリューズよりは多く存在するということだ。

 吉松育美は世界普遍価値というものの重要さを教えてくれた。これが国際政治というものである。

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<参考記事>

ミス・インターナショナル2012優勝の吉松育美氏が脅迫被害の実態を告発 大手芸能プロ役員が協賛企業に圧力か
IWJ(2013年12月17日 22:39)
http://blogos.com/article/76077/

 2012年のミス・インターナショナル世界大会で日本人初のグランプリに選ばれた吉松育美氏が12月16日、日本外国特派員協会で記者会見を行い、11日に自身のブログで公表した脅迫被害の実態について語った。

 吉松氏は、昨年のミス・インターナショナル世界大会で優勝した後、当時所属していた芸能事務所を辞め、自ら会社を立ち上げて独立した。その際、反社会的勢力とのつながりが取り沙汰されているある芸能事務所に移籍するよう「圧力」があったという。

 吉松氏は、「暴力団排除条例もありますので、倫理的にもその圧力を断りました」と、その芸能事務所への移籍を拒否。するとその直後から、大手芸能プロダクション・株式会社ケイ・ダッシュ幹部である谷口元一氏による嫌がらせと脅迫行為が始まったという。吉松氏は、今月11日、谷口氏を威力業務妨害罪で警視庁に刑事告発し、あわせて東京地裁に民事提訴した。
自殺した元TBSアナウンサーの名前を出し「同じことになるかもしれない」

 吉松氏によると、谷口氏は今年の6月13日、吉松氏の実家の電話番号を調べ、両親に対して脅迫電話をかけたという。その際、谷口氏は2008年に自殺した元TBSアナウンサーの川田亜子さんの名前を出し、「私が知っている川田という女性はマット(※吉松氏の海外エージェントであるマット・テイラー氏)に洗脳されて自殺しました。育美さんも同じことになるかもしれない」などと語ったという。

 これについて吉松氏は「『川田さんと同じような目にあうぞ』あるいは、『自殺に追い込まれてしまう状況にする』という脅迫のメッセージにしか聞こえませんでした」と報道陣に配布した資料に記している。

 他にも、吉松氏の自宅オフィスに不審者が現れ、部屋の中を覗き込まれたり、写真を撮られるといった被害にあったという。
ミス・インターナショナルからの出席拒否、谷口氏による圧力か

 吉松氏は、12月7日(土)から17日(火)の日程で行われている今年のミス・インターナショナル世界大会に出席し、前年度優勝者として、今年の優勝者に王冠を渡す予定だった。

 しかし吉松氏は、11月12日にミス・インターナショナルの本部である国際文化協会から呼び出され、「今年のミス・インターナショナルの世界大会は体調不良を理由に自粛してくれ」と告げられたという。これについて吉松氏は、谷口氏がミス・インターナショナルの協賛企業に圧力をかけたためだと指摘した。

 吉松氏はこの日の会見で、「ジェンダーギャップ指数」を引き合いに出し、日本における女性に対する人権意識の欠如を指摘。「女性が先進国でありながら、このような扱いを受けるのは、根底は日本の文化にある」と語った。「ジェンダーギャップ指数」によれば、日本は136カ国中で、昨年は101位。今年は105位と、先進国でも最低ランクの評価を受けている。
海外メディアが関心を持つ一方、大手マスコミは沈黙

 この日、会見に参加していたメディアは、海外メディアとネットメディアが中心で、日本の放送局は一社も姿を見せなかった。また、吉松氏のオフィシャルブログによると、今月13日に司法記者クラブで記者会見をし、多くのメディアが会見に参加しているようだが、16日現在、大手メディア発の記事は配信されていない。(IWJ・石川優)

 

 【アメリカ】
Fox News
http://www.foxnews.com/entertainment/2013/12/16/japanese-beauty-queen-banned-from-ceremony/

Boston Herald news
http://bostonherald.com/news_opinion/international/asia/2013/12/japanese_beauty_queen_barred_from_ceremony

Washington Post
http://www.washingtonpost.com/entertainment/japanese-beauty-queen-barred-from-ceremony/2013/12/16/6765b148-664d-11e3-997b-9213b17dac97_story.html

abc News 
http://abcnews.go.com/Entertainment/wireStory/japanese-beauty-queen-barred-ceremony-21230270


【オーストラリア】

The Australian 
http://www.theaustralian.com.au/news/world/japanese-beauty-queen-barred-from-crowning-her-successor/story-e6frg6so-1226784631374

【シンガポール】
The Strait Times Asia Report 
http://www.stasiareport.com/the-big-story/asia-report/japan/story/japanese-beauty-queen-barred-ceremony-20131217

【中国  • 香港】
South China Morning Post
http://www.scmp.com/news/asia/article/1381781/japanese-miss-international-files-stalking-charges-against-talent-agent

【韓国】
http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20131216_0012596706&cID=10102&pID=10100