【網走、斜里、旭川(北海道) 28日 Tricky!ニュース】

特急オホーツクで網走入り。車中泊2連泊というのに、すこぶる体が軽い(笑)

そこからは釧網線に乗って、知床斜里駅へ向かう。
時刻表で見て、「こんな遠くて不便なローカル線なんて絶対乗ることはない」と思っていたんだが、今回ついに乗ってしまいました。
その車窓から、すごくオホーツク海が見えるポイントがあるんですよ。
特に、本来の目的地であった北浜駅あたりの眺めが良かったです。
天気も良かったので、水平線もくっきり。
しかし、肝心の流氷は気配すらない。今回のツアー、本当に大丈夫なのか??

知床斜里に到着後は、すし詰め状態のレンタカーでウトロ地区へ移動。
待ち合わせ場所となったホテルのロビーで待っていると、意外なお出迎えがありました。

クリオネ
流氷の天使・クリオネです。
流氷の次に楽しみにしていたクリオネとの出会いが、ホテルのロビーで達成されました。
実際に出会ってみると、本当に小さい生き物でした。あんな小さな体では、海中で見つけるのは大変だね。
水中をすいすい泳いでいる姿は、たしかにかわいいもんです。天使と呼ばれるだけある。


さて、ロビーで「知床ナチュラリスト協会(NPO・SHINRA)」というNPO団体の方と合流し、流氷ツアーに出かけます。
こちらでもやはり流氷はかなり減っていて、本来はツアー実行もムリではないかとも思われましたが、いつもとは別のポイントを開拓していただいたようで、予定通り流氷ウォークがやれます(^_^)v


ドライスーツ 流氷に乗る前に、転落しても大丈夫なようにドライスーツというものに着替えます。
極寒の知床だけに、氷から転落でもしたら命に関わりますからね。


で、いよいよ流氷の上へと旅に出ます。
流氷の下は海。しかし、波音はせず、氷が揺れることもありません。氷付けの地面を歩いている感じ。
でも、普段は海である場所を歩いているんだよね。なんか不思議な感じである。
また、そこにあるのは静寂のみ。自分たちの声と足音しか聞こえません。
流氷の上で記念撮影 流氷の上では、平らで大きな氷を見つけて滑り台をやったり、氷の上で回転したりなど、いろいろ遊んでみました。
23歳にもなって、童心に帰ったような遊び方しましたよ(笑)
しまいには、記念撮影の時になぜか組み体操の「扇」とか、「ピラミッド」とかやる始末。アホだ。アホすぎる。

そして、極めつけのアホ企画はやはりカキ氷ですよね。
ここでは、本場で作られた氷がいくらでもあります。タダで食べ放題です。
仙台から持参したカキ氷機に流氷をつっこみ、カキ氷機のレバーを回すと、見慣れた食べ物が出てきます(笑)

そして、予め斜里町のコンビニで買っておいた練乳をかけ、ついに流氷カキ氷を食しました!
流氷カキ氷
思えば、「流氷の氷ってしょっぱいのかな?」というふとした疑問から始まり、それを確かめたいという邪念から始まったこの企画。
たぶんしょっぱいんだろうという仮説は立てましたが、それを検証しなければなりません。
そしてついに、それを確認するときがきました。

食べてみての感想。

ちょっとしょっぱい。


やはり少しは塩分が入っていますからね。練乳がかかっていないところはちょっとしょっぱい。初めて遭遇した感覚。
ただし、海水を直接飲んだときのような強烈なしょっぱさではありません。「塩分がまじっているなー」程度。
実は流氷の中にも「当たり」「はずれ」があって、塩分濃度は一様ではないみたい。
自分らが食べたのは「当たり」でした。
ということで、流氷の氷はしょっぱいんだということが確認されました

ここまでつきあってくれたみんな、お世話になったNPO・SHINRAのM井さん、本当にありがとうございました。


流氷に乗って感じたことはいろいろあります。
まず漠然とした感想だけど、純粋に自然の大きさを感じましたね。
遥かかなたでできた氷が海流に乗って流され、冬だけの白い大地を作り出している。
そこには静寂以外の何もない。
そして、その氷によってアザラシとかクリオネがやってくるし、運んできたプランクトンによって知床の生態系の食物連鎖ができている。
(我々も流氷の氷を食ったから、知床の食物連鎖に組み込まれたのでは?(笑))
岸にある程度接岸しているだけでもあれだけはしゃいじゃいましたけど、次は水平線も見えなくなるぐらいの大きな流氷に出会ってみたいですね。
というわけで、もし機会があればリベンジ希望です。
一度行った人が流氷にハマるってのがわかる気がしました。あの感動は、行ってみないとわかりません。


しかし、知床に来る流氷の量は年々減っているみたい。
やっぱり地球温暖化の影響って大きいらしい。
去年なら3月中旬でも接岸していた流氷が、まだ2月末だというのに姿が見られなくなっている。
地元の人も、こんなに早く流氷がいなくなったのは記憶にないんだってさ。
あと10年もすると、北海道に流氷がこなくなるかもしれない。そうすると、知床の生態系も危ういでしょう。


あと、自然をガイドしてその大切さを教える仕事への魅力を感じてしまった。
今日ガイドしてくださったM井さんっていうお姉さんの生き方を聞いて、かっこよく感じたり、なぜか共鳴する部分があったり。
ふと周囲を見渡してみると、こんなに自然が残っているところもある。
本来、人間も自然界の生き物のひとつにすぎない。
だから自然に根ざした生き方をしていれば、生きていけるぐらいのリターンは自然から得られると思う。

株がどうとか売り上げがどうだとか、そんな生き方がなんかつまらなくすら思えてしまう。
「自分の県は田舎だけど、少しでも都会に追いつくように頑張ろうと」か気張るのも、アホらしくすら思えてきた。

ベンチャー企業の立ち上げなんてあこがれているんだけど、何もビジネスじゃなくても、こういう生き方もあるね。
お金という価値に固執するのではなく、お金では買えない財産を伝えるという仕事。
六本木ヒルズに住むぐらい稼がなくても、自分が生きられる程度の生活して、豊かな環境で暮らしていければいいじゃん。

などと、1ヶ月後に就職する人のたわごとを言ってみました。

___________________________________________________ 【北東パス&スーパー前売りきっぷ損得勘定】
乗車区間:旭川→知床斜里、網走→函館
乗車距離:968.2km
正規料金:26,260円
損得勘定:19,260円