前回、技術の実例なんて言っておきながら遊びのバイクを紹介したので、今回はちょっとだけまともな技術実例です。
牛や鶏などの家畜を飼っていて困ることの一つに糞の処理があるそうです。臭いし、汚いし、不潔だし、豚インフルや鳥インフルなんかがあるとさらに処理に困ってしまいます。
処理方法には、肥料化やボイラ発電などがありますが、最も有望だとされていて普及している技術が嫌気性消化(Anaerobic digestion)という技術です。
家畜の糞は、えさに含まれるエネルギー源の炭水化物(場合によっては脂肪やたんぱく質も)がかなり残っています。その他にも、体内で消化する時に、細菌や酵素などの炭水化物を分解する働きを持っているものが混ざっています。
そこで、この糞を大きなタンクに貯めて菌たちがいっぱい働きたくなる温度(40から50度くらい?)にしてあげれば、糞が分解してメタンと二酸化炭素が半分ずつくらいのガスを発生してくれます。このバイオガスを使ってガスエンジンで発電する、というのがプロセスの概要になります。
一応化学式を書いておくと、こんな感じ。
C6H12O6⇒3CH4+3CO2
この技術は、数年前からタイの畜産農家の間で急速に広まってきました。*1
オーストラリアのニュースにも「豚糞はタイの農家の金の成る木」のような形で特集されてます。
これって、バイオマス導入での大事で深刻なポイントなんですよね。
研究者って言ってみれば技術オタクだから、より効率が良くなるように、って利用者が必要としない機能をつけてしまいます。だけど、利用者は安くてそこそこの性能があればよいと考えます。そのギャップのせいで、バイオマスは儲からない、ってなっちゃうんですよね。。。
さて、話がそれましたが、タイのERDIという組織が作ってるこの施設を昔見に行ったので、それを紹介します。
はじめにシステムの写真です。

一見して分かると思うんですけど、すんごい単純ですよね。糞をでっかいドームにいれて、貯めておいて出てきたガスで発電する。それだけです。小難しい技術なんてまったく必要ありません。
(実際に見に行って何をみればよいか分からなかったくらい。笑)

で、これがその糞を貯めておくドームです。テニスコートくらいの大きさだったと思います。

そして、最後がエンジン。
これも、出てきたガスをためるタンクがあって、それを写真の左にある金属製のフィルターに通してエンジンで発電するだけ。
本当に単純です。
日本じゃ土地代の問題があるかもしれませんけど、これだけで農場で使う電気+αくらいが発電できてしまうので、畜産農家の方は一考してみてもよいのでは?
ってことで、それではまた。
注釈
*1 前回もタイでしたが、バイオマスが存在する地域+物価(人件費)が安い地域、というのが一番早くバイオマスのようなエネルギーが普及します。現在、バイオマスのメッカはどこか?と聞かれれば、東南アジアとヨーロッパ(税制や補助金の整備のおかげ)が先進地域で、アメリカが猛烈な追い上げをしてる、と思います。東南アジアは、発展途上国なので環境規制がゆるいこともシステム価格を下げる要因になっています。
牛や鶏などの家畜を飼っていて困ることの一つに糞の処理があるそうです。臭いし、汚いし、不潔だし、豚インフルや鳥インフルなんかがあるとさらに処理に困ってしまいます。
処理方法には、肥料化やボイラ発電などがありますが、最も有望だとされていて普及している技術が嫌気性消化(Anaerobic digestion)という技術です。
家畜の糞は、えさに含まれるエネルギー源の炭水化物(場合によっては脂肪やたんぱく質も)がかなり残っています。その他にも、体内で消化する時に、細菌や酵素などの炭水化物を分解する働きを持っているものが混ざっています。
そこで、この糞を大きなタンクに貯めて菌たちがいっぱい働きたくなる温度(40から50度くらい?)にしてあげれば、糞が分解してメタンと二酸化炭素が半分ずつくらいのガスを発生してくれます。このバイオガスを使ってガスエンジンで発電する、というのがプロセスの概要になります。
一応化学式を書いておくと、こんな感じ。
C6H12O6⇒3CH4+3CO2
この技術は、数年前からタイの畜産農家の間で急速に広まってきました。*1
オーストラリアのニュースにも「豚糞はタイの農家の金の成る木」のような形で特集されてます。
Mr Ong-Arj looked at a biogas pilot project at Chiang Mai University, but it was too costly.
After cajoling his bankers into a 1.5 million baht loan ($A52,804), he set to work designing his own system.
"Co-generation units cost millions of baht. So I did my own research and modified a car engine myself," he said.
これって、バイオマス導入での大事で深刻なポイントなんですよね。
研究者って言ってみれば技術オタクだから、より効率が良くなるように、って利用者が必要としない機能をつけてしまいます。だけど、利用者は安くてそこそこの性能があればよいと考えます。そのギャップのせいで、バイオマスは儲からない、ってなっちゃうんですよね。。。
さて、話がそれましたが、タイのERDIという組織が作ってるこの施設を昔見に行ったので、それを紹介します。
はじめにシステムの写真です。

一見して分かると思うんですけど、すんごい単純ですよね。糞をでっかいドームにいれて、貯めておいて出てきたガスで発電する。それだけです。小難しい技術なんてまったく必要ありません。
(実際に見に行って何をみればよいか分からなかったくらい。笑)

で、これがその糞を貯めておくドームです。テニスコートくらいの大きさだったと思います。

そして、最後がエンジン。
これも、出てきたガスをためるタンクがあって、それを写真の左にある金属製のフィルターに通してエンジンで発電するだけ。
本当に単純です。
日本じゃ土地代の問題があるかもしれませんけど、これだけで農場で使う電気+αくらいが発電できてしまうので、畜産農家の方は一考してみてもよいのでは?
ってことで、それではまた。
注釈
*1 前回もタイでしたが、バイオマスが存在する地域+物価(人件費)が安い地域、というのが一番早くバイオマスのようなエネルギーが普及します。現在、バイオマスのメッカはどこか?と聞かれれば、東南アジアとヨーロッパ(税制や補助金の整備のおかげ)が先進地域で、アメリカが猛烈な追い上げをしてる、と思います。東南アジアは、発展途上国なので環境規制がゆるいこともシステム価格を下げる要因になっています。



