今日 2005.09.20 は、秋田県の「田沢湖町」、「角館町」、「西木村」の三町村が合併して「仙北市(せんぼくし)となりました。人口は、約 32,000 人。全国ても有名が「田沢湖」、「武家屋敷、みちのくの小京都、桜」、「玉川温泉に代表する温泉郷」などなど、観光都市としてもこれらが一本化した「仙北市」これからもよろしくね。

20050920ローズ 20050920ジャスミン ローズとジャスミン。

とても貴重な精油ですよね。その精油のもとになるハーブの画像です。有名だから皆さんご存じですよね。 。

今日、「Diet & Beauty 2005.09.15 No.33」が見本紙として届きました。内容を見ると、最後のページにジャスミンやミモザなどの花から精油を抽出する方法で、「溶剤抽出法」の記事が載っていました。

とても興味があったのは、その溶剤に、本来アロマテラピーでいわれている「ベンゼン、ヘキサン、石油エーテル」などの有機溶剤を使わない点でした。オーガニックアロマにこだわるために、有機溶剤にかえ、植物由来のもの(詳しくは書かれていませんでした)を利用しており、こうして抽出したモノを「バイオアブソリュート」と呼んでいました(通常はそのまま「アブソリュート」)。

そもそも、とても繊細なひまわりのような花、あっ違いました、ローズ Rosa damascena 、ジャスミン Jasminum officinalis 、ネロリ Citrus aurantium (Fl) などの花は、一般的な水蒸気蒸留法ではなく、前述した溶剤抽出法という方法で香りの成分を抽出します。

そのため、アロマテラピーの世界では、その有機溶剤が香りの成分に残留することを恐れ、アブソリュート(有機溶剤法で抽出したもので、特に抽出部位が花の場合、また、それ以外の部位で抽出されたものを一般にアロマテラピーの世界では「レジノイド」といわれています)は、メディカルの分野では使われていないのが現状です(例えば、ジャスミン Jasminum officinalis (Abs.) というように、後ろに Abs. なる文字をくっつけています)。

そのため、ローズ Rosa damascena は、特殊な方法で水蒸気蒸留します。何でもローズは、水蒸気をあててしまうと香りの成分が固まって蒸気として抽出できなくなってしまうため、一度、水の中に漬け込んで全体を暖めて抽出するのだそうです。また、漬け込む水とローズの比率、立ち上がった水蒸気を冷却する場合の冷却水の温度など、とても経験と熟練が必要な工程を経て抽出されます。このように抽出されたローズは、ローズオットーと呼ばれています。

ですから、例えば、一般的には、ローズの場合は、有機溶剤法で抽出したモノ「ローズ アブソリュート」と、水蒸気蒸留法で抽出したモノ「ローズ オットー」があるわけです。みなさん、これって同じローズの香りがすると思われますか?

私でもその違いが分かります。香りを言葉にするのは苦手ですが、アブソリュートは、とても濃厚、オットーはちょうとバラのハーブティー(赤いガリカ種)のような香り。うわぁ〜「香りあてクイズ」なるものがあったら、間違いだらけになるような貧弱な表現)

面白いのは、その香りの違いは、成分と大いに関係あるんですよね。それは抽出方法の違いに起因するんです。ローズ オットーは、水蒸気蒸留法で抽出したものですが、これは媒介に「水」を使います。そうすると、蒸留の際に出てきた香りの成分「フェニルエチルアルコール(芳香族アルコール類)」が、水に解ける性質があって、結局精油としての成分にはわずかにしか含まれないことになんるです。

ローズ オットーは、フェニルエチルアルコールが 1〜 3 %で、モノテルペンアルコール類のシトロネロールとゲラニオールが主要な成分であるのに対して、アブソリュートは、フェニルエチルアルコールが 75% 前後含まれています。

賢い読者の方々は、ハイドロゾル(フローラルウォーター)にはいっぱいそれが含まれているな〜と思われたでしょう。実際芳香族(炭化水素の基本骨格がベンゼン環)は比較的水に溶けやすいので、水の層の中に含まれているため、結構香りがします。

今まで見てきたのは、どのような抽出方法により抽出したかによって、成分や香りが違う(ローズの場合は、品種によっても違います)ということです。

ところが、「超臨界流体抽出法(ガス抽出法)」という抽出方法では、条件によって植物に含まれている、揮発性の芳香成分、高級テルペン(炭素数が多い)、油脂、樹油、ロウ、ワックス、色素などのいろいろな成分のうち「どのような成分を含んだモノ」を抽出するか、という、選択的な抽出が可能となります。

わかりやすい例でいうと、カフェインという特定な成分を取り出すことでカフェインレスのコーヒーを作ったり、トウガラシのピリピリする辛みを抜くとか、辛みを取り除いて色素だけ残すとか、いろいろな目的によって「目的となる成分」を抽出することが可能となります。

一般の抽出方法は、抽出するための媒介を回収したり(残留の問題)、温度をかけたりします(香りが飛んでいってしまう)が、この超臨界流体抽出法(ガス抽出法)は、次のような特徴を持っています。

・炭酸ガスを常圧にもどすと、飛んでいってしまうため、アブソリュートのような残留という問題がない。
・炭酸ガスを利用しますが、圧力をかけると 30 度前後で液化状態となるため、温度が高くない。
・トップノートといわれる香りが飛ぶ前に、炭酸ガスが先に飛んでしまうため、トップノートの香りを残すことができる。

将来は、皮膚に刺激を与える成分だけを抜き出すなどの、応用もできるかもしれませんね。今日の新聞チラシに「山田養蜂場のプロポリス」が入ってきました。よく見ると、山田養蜂場独自の「三種抽出法」という独特の抽出法が載っていました。

アルコール抽出(アルテピリンC、p-クマル酸、フラボノイドなど)、水抽出(有機酸、アミノ酸、ミネラル類など)、超臨界抽出(テルペノイド類など)となっていましたが、最後の抽出法がそれにあたります。(別に山田養蜂場の宣伝をしているわけではありませんので)

このように、抽出方法によって、いろいろな目的の成分を抽出することができ、また、超臨界流体抽出法(ガス抽出法)では、条件によって、目的の成分を選択的に抽出することが可能となりました。

でも、これって、植物の中の成分を化学的に分析する「すべ」を手に入れて、研究室の中だけで「その成分を作り出す」ことができるようになった時代と同じようなことを、天然成分ではあるけど、「目的の成分だけ」抜き出すような「人為的」なことをしている様な感じがします。

ケモタイプの精油といわれてまだそれほど時代は経っていませんが、最近では、植物に含まれる「芳香分子」の比率が少しづつ変化しているように感じます。天然物ですから当然のことですが、メディカルで利用する目的のために、「基準値」という大義名分をたてに「人為的」な操作が加えられたとしたら、大変ですね。

植物の成分を「精油(揮発性の芳香成分)」として選択的に抜き出してはいるものの、あくまでも「あるがままの全体」を使いたい気がします。人間も植物と同じ環境で生きているわけですから、植物の変化も「あるがまま」人間は受け入れた方がいいのかも。でも、すべては、「目的による」ということになりますね。

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2006.07.16 エマルジョン精油
2006.05.28 精油の成分解析
2006.04.27 香気成分の抽出方法
2005.09.20 精油の抽出方法と使う人の目的
2005.09.02 精油のケモタイプとハーブ