今日も朝から秋晴れのいいお天気。ただ、夏の日差しと違って、じりじり暑い感覚はもうなく、日に当たって体にその暖かみを味わいたいとい感覚です。でも、この紫外線、実はくせ者ですからね。長波長が多くなっているのでくれぐれもご注意を。

今日は、昼と夜、二回アロマのセミナーでかなりへたばっていますが、何とか皆さんに早く第二日目のアロマセミナーをお伝えしたく、頑張りました。自分では、「適応力を越えれば病気になる」よ、と常々お伝えしているにもかかわらずこの調子ですから、どうなることやら。ご紹介の前に、バッパが、また考えられないような事をして、「ちょっと食べてみて」と味見を要求。それは、「青く固い渋柿」のみそ漬け。まずは写真をご覧あれ。

20051012栗の渋皮むき 20051012青く固い渋柿漬け 栗の渋皮むきと青渋柿のみそ漬け

栗の実は簡単につぶれたり痛んだりしませんから、その点は他の秋に収穫される果物などに比べると取り扱いは簡単ですが、虫栗なるものが数多く収穫されます(農薬で消毒しませんから)。もったいないので皮むき専用のはさみで「ねふかき」しながらむいているところ。ご覧の通りみその中に青く固い渋柿が。でもスライスしたもの試食しましたが、渋みとれていました 。

いつも前置きが長くなりますね。さあ、本題に入りましょう。

第二日目(2005.10.10)のセミナー、前半は、ハーブウォーターに関する興味ある情報と、いろいろな香り、特に通常の「科目や属」などの分類とは別に「香り(臭い)」を中心とした研究が紹介されました。
以下は続きです

● 10:00〜11:00 川口 健夫(城西大学 薬学部講師)
○ ハーブウォーターの性質とその応用

1. ハーブウォーターの組成と性質
・脂溶性と水溶性
・分配現象
2. ハーブウォーターの皮膚吸収
・経皮吸収の家庭
・角質層への分配過程
3. ハーブウォーターの安定性と保存
・温度の影響
・pHの影響
・微生物汚染の回避
4. まとめ

今回の報告の一部はケモタイプ・アロマテラピー 2005.55号(精油成分の経皮吸収メカニズム) ケモタイプ・アロマテラピー 2005.57号(エッセンシャルオイルおよびハーブウォーターの保存条件と安定性) でも紹介されていますが、報告は、

「精油に関してはなじみ深いがハイドロゾルが入手しやすくなってきました。この二つの性質の違いについてお話したい。ハーブウォーターの組成と性質、物理化学的な話も入ります。我が国のアロマテラピーは皮膚へ塗ってマッサージする手法が多いが、ハーブウォーターが皮膚に塗ってどうなるか、理論を説明したい。流通、購入、保管するための安全性について、精油とはかなり違う面を持っています。この点について説明します。」

というお話から始まりました。精油とハーブウォーター、それぞれの特徴を理解し補完的な使い方をすることで、アロマテラピーの有効性を高めることができます。そして、とてもおもしろく興味を持ったのが、精油とハーブウォーターの脂溶性の物質の経皮吸収という問題です。脂溶性物質が皮膚の角質層に経皮吸収される事を「分配現象」という難しい理論で説明されていました。

脂溶性の成分は、当然「キャリアオイルに希釈された精油(キャリアオイルと精油)」の方が、ハーブウォーターよりも濃度が高いです。しかし、分配現象で、角質層へ分配され、最終的な血液循環として確認できる脂溶成分の濃度は、ハーブウォーターの方が「高くなる」んだそうです。ちょっと想像できないでしょうが、理論上そうなるそうです。従って、これからの精油やハーブウォーターの利用方法を再認識して、それぞれの特徴に基づいて有効に活用しないといけないかもしれませんね。

まとめのところで、おもしろい比喩をされましたので、ご紹介しておきますね。

「皮膚に塗布した場合、経皮的に吸収される量は、ハーブウォーターの方が水から油の方へ、ハーブウォーターから角質層へ逃げようとするその力に依存しているということです。この理屈、ずいぶんたくさんの経皮の実験では、今日の話で解析できます。ただし、皮膚は一つの膜であるということを前提としたものです。この話の延長線で、もう少し実際のことをもっとしないといけません。

バスタブにキャリアオイルを入れます。100リッター、そこに精油のビンを二、三本いれます。それを暖めお風呂として入る。そうやって適応した場合に、精油を体中に適応した場合に、皮膚から体へ入っていく脂溶性の物質の量は、普通のお風呂に精油を二、三滴落としてかき混ぜ、そのときに、皮膚を通して体の血液に入る脂溶成分の量に比べると、後者のほうが量的には多い理屈です。油のお風呂に入っても精油は油のほうに、すごくいたいわけですから、体の中に入っていこうという力がありません。

むしろ、ハーブウォーターのように、水の中、少しいごこちが悪いなといっている精油成分の方が、体の方へ行こうとする力が強いので移行します。この理論から適応できます。実際にそうなると思います。皮膚に塗った場合の問題です。」

● 11:00〜12:00 指田 豊(東京薬科大学名誉教授)
○ 植物の臭いと効用

1. 臭いとは
2. 何故臭いを感じるか
3. 植物の臭い物質
4. 精油を含む植物の多い科
5. 臭いのする植物の部分
6. 植物の持つ色々な臭い
・青葉の臭い、きゅうりの臭い
・スミレの臭い
・クローブの臭い
・サロメチールの臭い
・レモンの臭い
・桜餅の臭い
・梅酒の臭い
・バラの臭い
・タイムの臭い
・バニラの臭い
・ハッカの臭い
・ニラの臭い
・悪臭
・その他の臭い
7. 臭いの効用
・アロマテラピー
・浴用による皮膚刺激、血行促進
・方向性健胃薬
・抗菌性
・抗酸化作用
・その他の薬効


「話は、皆さん、アロマテラピーの専門家ですので、釈迦に説法ですが、別の見方からとらえてみたいと思います。」というお話からスタートされました。確かに、この植物にはこんな香り、そして、その香りの芳香成分類、芳香分子は、などという、そんな区分に慣れているものにとって、香りという観点に視点をむけて考えてみると、精油の持っている、「嗅覚療法」的な側面にとても有効性を見いだすことが可能になるのかなぁと思いました。

そして、その香りを中心としたお話が、時には生化学的な側面からも、そして、日本各地に自生している日本固有の植物にも目を向けられ、とても面白かったです。

印象に残ったお話を二、三ご紹介しましょうね。

「一つの植物が場所(利用部位)によって香り違います。ニラスミレですが、いい匂いと変な匂いが混ざっています。コリアンダーです。東南アジアの料理にコリアンダーがないと話になりません。これがないとだめです。カメムシ様の香りです。雲南省に行ったときにドクダミの料理でてきました。きんぴらの方がおいしいです。このコリアンダーは、種子ですが、これはいい香りがします。場所にによって全然違います。」

「桜餅の香り、クマリンの香りです。ソメイヨシノは、片親が大島桜と片親は彼岸桜です。彼岸桜は数百年、ソメイヨシノは80年くらいです。親は長生きですが、子短命です。桜餅は、大島桜の葉っぱで、伊豆大島、伊豆半島などに生えています。生では香りませんが、塩漬けにすると香ります。あれがクマリンです。

マメ科のシナガワハギですが、これも生ではにおいませんが、干すとクマリン生成してにおいます。次がフジバカマです。これも生がわきのときに桜の木の匂いがします。平安朝の人たちは、あまりお風呂に入らなかったんだそうです。髪の毛の臭いを消すのにフジバカマを使いました。だから枕元においておいたそうです。

ヒヨドリバナはフジバカマの親戚です。面白いのは、イネ科のハルガヤで、ヨーロッパに生えていて、牧草に生えています。わざわざ牧草にいれるのだそうです。クマリン入っていると牛たちは食欲が増すそうです。干すと実にいい香りがしてきますが、これは花粉症の原因にもなります。クマリンですので、日本人は桜餅の匂いですが、アメリカでは桜餅がないんで、これをバニラグラスの香りといっています。」

香りのお話、いろいろ歴史的なお話や、うんちくがいっぱいはいっていておもしろかったです。変わったお話として、悪臭のお話など、ウイットにとんだ話もありました。

「悪臭では、まず、オミナエシ。これは分解をするとイソ吉草酸、花瓶の水が腐った匂いです。カノコソウがそうですが、鎮静剤で、ヨーロッパでは気持ちを静める薬に使っています。オミナエシは漢方で、排膿薬として、化膿性のときに飲んで使います。

オオカメノキですが、きれいな花ですが、葉苦いので、苦い成分研究していたとき、自動車のトランクに入っていたのが、あまりにも臭くて研究やめました。イソ吉草酸の香りです。ドクダミも悪臭で有名ですが、消毒殺菌があり、化膿性のおできに塗るのは極めて理論的です。ところが、干したもの、お茶にすると利尿作用があり、浮腫、胃腸、フラボノイド入っているので、血管系にいいです。穏やかな下剤にも使えます。」

「大学退職してから、根拠のある機能性食品の開発をしようと展示会その他にいきますが、根拠がないのが多いです。確かに細胞レベルには作用するのかもしれませんが、副作用がでないといいのですが、ああいうのに頼るために医療機関に行かなくなったので、あんなものに頼らない、日本の民間薬を生活に取り入れて楽しんだらいいということで、ヘチマ水の処方が書いてあります。」

● 13:00〜16:30 ドミニック・ボドゥー(ベルギー薬学博士)
○ 消化器系の障害とアロマテラピー

・消化器系疾患におけるケモタイプ精油の生化学

1. 抗感染作用のある精油
・フェノール類
・芳香族アルデヒド類
・モノテルペンアルコール類
2. 鎮痙れん作用および鎮静作用のある精油
・エーテル類
・テルペン系アルデヒド類
・エステル類
3. 廃液促進作用、解毒作用、胆汁廃液促進作用、胆汁分泌促進作用のある精油
・ケトン類
・フタライド類
4. 肝臓に作用する精油
・モノテルペン炭化水素類
・セスキテルペンアルコール類
5. 消化促進作用、健胃作用、駆風作用、発酵抑制作用、防腐作用、食欲促進作用、下痢・緩下作用のある精油
・消化促進作用
・健胃作用
・駆風作用

・消化器系疾患に効果のあるケモタイプ精油プロフィール

1. 抗感染作用のある精油
2. 鎮痙れん作用のある精油
3. 廃液作用、解毒作用のある精油
4. 肝臓を元気にする精油
5. 体質に効果のある精油

・投与方法と用量

1. 経口
2. 座薬
3. 皮膚塗布
4. 室内拡散

・消化器系疾患に対する処方

1. 胃酸過多
2. 空気嚥下症
3. アメーバ症およびアメーバー性嚢疱
4. 口内炎
5. 大腸炎、全腸炎、腸炎
6. 便秘
7. クローン病
8. 感染性下痢
9. 胆嚢の異常機能
10. 消化不良、消化困難
11. 切れ痔
12. 胃炎、胃酸過多、胸焼け
13. 肝炎(種類、病因にかかわらず)
14. 胆嚢不全または膵臓不全
15. 肝不全
16. 肝臓中毒およぎ肝臓疾患の病後
17. 熱帯病(アメーバー症、赤痢、マラリア、チフス)
18. つわり(妊娠中の吐き気)
19. 膵臓炎、胆嚢の炎症
20. 吐き気、嘔吐、乗り物酔い(妊婦を覗く)
21. 腸内寄生虫(ギョウ虫)
22. 肛門の痒み
23. 消化および胃腸の痙れん

後半は、内容が盛りだくさんのてんこ盛り。さすがに、後半は「集中力」がとぎれとぎれでした。最初はこんな風にお話を始めましたよ。

「こんにちは、今日の午後はボリュームにあふれるテーマを預かります。まず、始める前に西洋医学の父にふれてみたいと思います。ヒポクラテスによると、食べるものは健康そのものである、薬であるといっています。口から入れるモノ、そのまま体の健康に影響するととらえています。食べた摂取したモノから体ができあがります。皮膚、ニキビなどの症状に消化器系のケアをしないとよくなるはずがありません。」

ボドゥー博士は、ときどき「ヒポクラテス」のお話を引用します。

消化器系疾患の説明では、

1. 消化器系に必要な特性を示す作用と、その作用を示す芳香成分類と芳香分子
2. そして、その芳香分子をより多く含んでいる精油のリストと解説
3. それら精油の詳細なプロフィールと、具体的な適用例
4. 適用する場合の、投与方法と用量の問題
5. さらには、消化器系疾患の各々の症状に対しての具体的な適用例

というふうに、何度もいいますが、本当にてんこ盛りの内容でした。そんな中で、ちょっと一息つけるような、ボドゥー博士のご家族に対する暖かな気持が伝わってきたお話もありました。

「これを服用しますと、すべての細菌、真菌、消化器系のリスクに対応できます。ここ10年、私は、消化器系だけではなく、いっさい病気にかかったことがありません。それは、ここにはいませんが家族が証明出来ます。精油にいつも囲まれていますが、食生活もそうです。それのおかげで体型がかわりません。」

そして、
最後にボドゥー博士からひと言。

「ますます見覚えのお顔が広がってきました。皆さん熱心に毎回来ていただきましてありがとうございます。今回も前回と同じくらいの方がこられました。これは私自身だけではなく精油のおかげであると理解しています。私、こうの(通訳の方)も10回目となりました。私より通訳の方が難しい役をこなしていると思います。どうもありがとうございました。

それから、この機会を借りまして、ナードジャパンのスタッフの方にお礼を述べたいと思います。皆様のおかげで精油の情熱が広がっていきます。ナードがよりよい医療を目指して、精油を使っていこうとする情報の伝達機関でもあります。

もう一つ、医学者たちの力を借りて、もう一歩芳香療法を前進させたいと思います。その原動力は最初の原動力は皆様と理解しています。いつかは必ず、お返し、返ってくるものがあると思っています。

この精油とのつながりを強くするものとして、来年フランスプロバンス旅行があります。精油の出発点は、土というか植物で、それを見る機会です。たとえ旅行に参加できない方でも、来年の11月始めだったと思いますが、また講演では楽しみにしています。私も日本に参りますのでよろしくお願い致します。ありがとうございます。では来年また。」

ということで、第一日目に続きちょっと長くなりましたが、これで終わりです。ここまでお読みいただきどうもお疲れ様でした。ふぅ〜、私も疲れました。眠いです。

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