今日の秋田は朝からいい天気と思いきや、曇って暗くなる、そしてまたいい天気、とめまぐるしく変化する天候。それでもかなり暖かな一日でした。

例年よりやや暖かなのか、通りのイチョウの葉はほんの少しだけ黄色に。でも、紅葉の進んだ木を見つけました。

20051104ブルーベリー紅葉 20051104紅葉 ブルーベリーの葉と名前がわからない木の紅葉

ブルーベリーの葉が今まさに紅葉。差し込んできた光に、紅色がその色の深みを与えています。来年はベリー類の苗木を畑に植栽してみようかなぁ。
近くにある広葉樹。紅葉が進みこの空間だけが秋たけなわ。

ここ数日の間にとても興味のある話題が放送されていました。一つは、「ミクロの特産品〜秋田・微生物ビジネス最前線」、「海流がつくった知床・白神・屋久島の森」、そして「気象温暖化と海水面上昇」です。

話の流れとしては、二番目の海流と白神の森のお話から。海流の関係で、日本海側に多くの雨をもたらし、それが冬には雪を降らせるようになって、その雪の重みに絶えられる植物である「ブナ」が生き残り、現在の白神山地が作られたとのこと。

20051104あけびのかご 20051104山ぶどうのかんじき 自然の恵み「アケビのかご」と山ぶどうの「かんじき」

アケビは、実をいろいろな料理に利用できますが、アケビのつるもまた工芸品に利用できます。これは、アケビのつるでかごを編んだもの。
右側は山ぶどうの「かんじき」です。これは、雪の上を埋まらずに歩いて行くことのできる「くつ」というところでしょうか。 秋田県にはまだまだこういった自然の素材を利用する工芸品が多いですよ。

その白神山地の「ブナ」の生態系が数多くの微生物資源をはぐくみ、医療や食品業界など広範囲に利用されているということ。

そして、そのようにとても長い年月を経て形成(白神山地の起源は地層の分析により13,000年前までさかのぼることができるとのこと)された地球環境が、たかだか数百年の歴史の中で、地球温暖化という人類が生み出した要因で生態系を乱しているということ。

そしてまた、実感できる問題として、その一つの影響がアメリカを襲ったハリケーン。膨大な被害を人々にもたらしましたが、石油コンビナートにも被害をもたらし、結果的に石油価格の上昇を招き、石油を扱うメジャーが軒並み大幅な純利益を獲得しているそうです。一般庶民は、灯油の値段が値上がりし生活が苦しいというのに。

白神山地の地層を調べたところ、13,000年前にさかのぼることができ、地層に含まれている花粉の種類と量(化石)を調べてみると、カバの木が栄えていたことがわかったそうです。ブナの木は12,000年前に増え始めたそうですが、8,000年前にカバやナラの木に替わって白神山地に現在まで栄えているそうです。

この年代と海流との間にとても興味のある関係が成り立っていました。それは、12,000年前に大陸と陸続きだった日本列島に日本海ができて、そこに海流(暖流)が流れ込み北上して、8,000年前に、現在の秋田、青森両県に流れ込む対馬海流が形成されたとのことでした。

8,000年前という年代が、白神山地と対馬海流との誕生と一致しているからすごいですね。この対馬海流がもたらす暖流は上昇気流をうみ、雨を降らせ、冬にはその水蒸気が山脈とぶつかって大雪をもたらし、ブナの木をはぐくむことになったそうです。

ブナの木の葉は丸くなって雨水を受け取るのに都合のよい形をしており、それを中心の幹に集めることで、根元に大量の水をため込む「水がめ」的性質を持っていて、これは松のような針葉樹と比べるとおよそ五倍の量だそうです。

乾燥したときには、ため込んだ水を葉から蒸発させ、それが雲を作り、また雨をもたらす、これが自然の循環として、同じことをもう8,000年もの気の遠くなるような年月を繰り返しています。

そのブナの森で、いろいろな微生物が発見されています。秋田では、よくバッパの手作り料理をご紹介しますが、「ガッコやしょっつる、ハタハタ寿司」など発酵食品がとても多いです。その発酵を促すのが微生物で、例えば、コレステロールを分解する微生物は、京都の米屋さんの米の青カビから、ガンなどに対抗する微生物は、武蔵野市の畑の土から発見されたそうです。

白神山地のブナの森は土が1メーターも堆積しており、それが微生物の宝庫として、8年前から研究が続けられています。最近、数種類の微生物が発見され、いろいろな方面で利用されています。

一つは、平成9年、ブナの森の土から「白神こだま酵母」が発見され、パン屋さんの強い味方になっています。通常の発酵力の二倍の力があり、生命力が強くてパンに柔らかさと甘みをもたらすそうです。

また、昨年は、作々楽(ささら)という乳酸菌が発見され
秋田県総合食品研究所では、地道な研究を通して特許を取得し、世界にその情報を発信しています。

しかしながら、一方では、地球のこのような気の遠くなるような年月をかけてはぐくんできた環境を、それらの恩恵を受けている人間が「地球温暖化」をつくりだし、異常気象を招いています。壊滅的な被害をもたらしているのに、一方では巨額の富みを得ている人々もいます。ビジネスの世界では日常茶飯事ですが、もっと「自然遺産を守ることで、地球規模の環境を守る」考え方が必要で、今まさにその時期が来ていると思います。

植物療法(フィトテラピー)は、その自然の恵みを受け、地球規模での環境を守るための学問体系でもあると思います。