今日の秋田は最低気温がマイナス 7 度台、日中でもゼロ度と、以前厳しい寒さが続いています。昨日宅配便の集配が遅れたため、宅配業者の方にお聞きすると、「この地域は全国区で有名になってるんですよ。通常荷物の遅延地域という区分があるのですが、「配達不能」地域に該当しているんです」とのこと。ちなみに、配達不能地域として全国区に上がったのが、「秋田市の東通・手形・広面」地区でした。

東通地区とは、私の住んでいる所です。下の写真は今日の四時頃の写真です。でも、ラジオでは、明日の日中の最高気温が 10度となるそうで、これはもう考えただけでも大変なことが起こりそうです。雪が雨になることも。だって、今日の最低気温との温度差が、何と 17度ですよ。雪崩や屋根の雪が重たくなる、道路はズブズブ・・・考えただけでも「憂うつ」になります。


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今日の朝刊に「スタチン発見、薬開発寄与、国際科学技術財団より遠藤氏(秋田県の由利本荘出身)に第22回日本国際賞」の見出しがありました。えっ、「スタチン」ってなんだろう、と思い調べてみました(ソマトスタチンならちょっとは知っているけど)。もっとも、新聞には、高コレステロール血症治療薬で、昭和48年に血中コレステロール値を下げる画期的な物質として、青カビから発見された、との説明がありました。

高コレステロール血症というのは、血液中の「LDL」が過剰な状態をいいますが、中性脂肪やコレステロールが過剰な状態は「高脂血症」と呼ばれています。

コレステロールは、主に肝臓で合成され、
1. 細胞膜などの生体膜の成分として
2. ステロイドホルモン(性ホルモンや副腎皮質ホルモンなど)やビタミンDの材料として

生体になくてはならない物質です。もっとも、コレステロールの必要量の約60%が肝臓などで合成され、あとは食事から摂取されるかたちで取り込まれます。肝臓にストレスやアルコールの解毒などで負担をかけている場合は、コレステロールの合成を肝臓に頼らずに、食事から摂取するのも一つの「肝臓さんへのいたわり」ですね。

肝臓で合成されたり、食事から摂取されたコレステロールは
1. 単独で遊離したかたちで
2. 脂肪酸と結合して「コレステロールエステル」として
3. タンパク質と結合して「リポタンパク質」として

体内に存在しています。
以下続きです

さて「LDL」の話として関係の深いのが、3. のリポタンパク質です。コレステロールを運ぶ役目をし、その機能の分類の中に「LDL」があるからです。
1. 比重の大きい「LDL(低密度リポタンパク質)」コレステロールが多い
2. 比重の小さい「HDL(高密度リポタンパク質)」リン脂質が多い

1. の「LDL(低密度リポタンパク質)」は、肝臓で合成されたコレステロールを血管壁へ運ぶ役目をします。運び込まれたコレステロールは、血管内膜の内皮細胞の受容体を介して細胞へ受け渡されます。

一方、2. 「HDL(高密度リポタンパク質)」は、取り込まれなかったコレステロールを血管壁から取り除き、肝臓まで運ぶ役目をします。

肝臓まで運ばれたコレステロールは、胆汁酸として作りかえられ、十二指腸で利用されます(このとき栄養素のビタミンが関わります)。

これらの働きは、生体の合目的性によって働いているわでですから、とても大切な働きで、コレステロールはとても大切な脂質の一つです。問題が生じるのは、次の条件の場合などが考えられると思います。

1.「LDL」を受け取る役目を果たす受容体が、遺伝的に欠落していたり、不足していたりしている場合
2. 「LDL」が過剰に運び込まれる場合
3. 血管壁の余分なコレステロールを取り除いたり、「LDL」が血管壁に付着するのを防ぐ働きをする「HDL」が不足している場合などです。

これらいずれの場合でも、血中の「LDL」が過剰に存在することになります。この状態が先ほどの「高コレステロール血症」というわけです。また、取り残されたコレステロールが脂肪酸と結合して、その場に沈着すると、動脈硬化の危険因子として悪さをする可能性がでてきます。

そこで、「スタチン」の登場となります。スタチンとは、いろいろな薬の一般名の総称のようで、「〜スタチン」という名称を、そのまま「スタチン」と呼んでいるのだそうです(アトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンなど)です。

もっとも、それらの働きは、「HMG-CoA還元酵素阻害」に働く薬で、「HMG-CoA」は、「3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-補酵素A」の略で、それをそのままいうには大変なので、通常「スタチン」といっているのだそうです。

この「HMG-CoA還元酵素」というのが、本当は今日のブログタイトルの内容です。この酵素は、肝臓でコレステロールがつくられるときに必要なものなんです。

肝臓の肝細胞で

1. アセチルCoA

2. HMG-CoA
←「HMG-CoA還元酵素」
3. メバロン酸

4. イソペンテニルピロリン酸

5. ファルネシルピロリン酸

6. スクワレン

7. コレステロール

という過程で「コレステロール」が合成されますが、2. の「HMG-CoA」から 3. のメバロン酸へ変換されるときに、「HMG-CoA還元酵素」が働きます。この酵素の働きを阻害することでメバロン酸の合成を阻害し、コレステロール合成を結果的に阻害するから、「LDL」の血中濃度を減らすことができることになるというわけのようです。

また、糖尿病のように、微細な毛細血管の損傷が激しい条件のところに、コレステロールが沈着すると合併症を引き起こす可能性もあり、諸外国では、糖尿病(二型)の患者さんに、この「スタチン」がとても重宝されているそうです。

しかし、コレステロールは生体にはなくてはならない脂質の一つですから、「合成を阻害すること」自体に問題がないわけではないと思います。「LDL」と「HDL」のバランスにも重点が置かれるべきだと思います。もちろん、すぐに対応しなければいけない患者さんについては「スタチン」がとても大切ですよね。

この点については、植物療法(フィトテラピー)では、栄養素を中心にハーブや精油を併用した方法をとります。それらについては、いずれまた投稿したいと思います。