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朝になっても小雨模様で、雨に煙る啓蟄の日を迎えました。今まで目立たなかった緑色の生命の息吹を雨に濡れたお店の前のラベンダーの苗で感じることができました。風除室の中の挿し木したラベンダーやローズマリーからも、はっきりその様子をうかがうことができます。昨日まいた水が、強烈な香りの蒸気となって漂っています。

20060306お店の前のラベンダー 20060306挿し木 20060306ローズマリー

すでに関東地方では、花粉症の便りが聞こえてきますが、山の杉の木にも、杉花粉の元がご覧のように育っています(下写真左)。ひまわりはいたって平気。

20060306杉花粉 20060306山の風景1 20060306山の風景2

お昼は、ばっぱ特製のマグロのカレー(下写真左)。ちょっと変わっていますので、ご紹介しますね。

ニンニク、ショウガをみじん切りにして炒め、そこにピーマン、タマネギ少々を入れてさらに炒めます。そこにマグロのぶつ切りを入れ、タマネギが透き通るようになったら、適量の水をを入れるのだそうです。

そこへ、トマトを入れて煮込み、最後に塩、少量のカレーの粉、ココナッツパウダー(ミルクでも可能とのこと)を入れたら出来上がり。皆さんも試してみて下さい。

20060306マグロカレー 20060306がっこ 20060306りんご

さて、今日のブログタイトルの「テルペン系はイソプレンのブロック」は、その通り、イソプレン分子が、テルペン系の基本構造になっているということです。精油の化学においては、炭素と水素の化合物である「炭化水素」が基本でした。

このテルペン系も、当然ですが、炭素と水素の化合物です。以前、
2006.01.20 精油の化学と基本骨格を見てきましたが、精油の化学では、その「炭化水素」の組み合わせに、三つのグループがありました。

● 精油の化学
・炭素骨格にイソプレンという分子を含んでいるか 〜 テルペン系
・炭素骨格が鎖状になっているか 〜 脂肪族
・炭素骨格にベンゼン環を含んでいるか 〜 芳香族

でした。そこで、今回のテルペン系、イソプレン分子を含んでいるということで、どのような構造となって含まれているのかを
2006.03.04 イソプレン分子はプードル犬でご紹介した模型を使って見てみたいと思います。

● イソプレン分子のユニット
・イソプレン分子が基本のユニット(単位となっている)
・イソプレン分子が 1単位 〜 ヘミテルペン(半分のテルペンという意味だそうです)
・通常、精油の化学の基本となっているテルペン系のイソプレン分子は、2単位と3単位で構成されています(ジテルペン(4単位)もあります。このユニットには、官能基として水酸基(-OH)が結合したジテルペンアルコール類があります(
2006.02.03 芳香成分類の名称))
・イソプレン分子 2単位〜 モノテルペン = モノテルペン炭化水素類
・イソプレン分子 3単位 〜 セスキテルペン = セスキテルペン炭化水素類
2006.01.22 炭化水素基と官能基でも見てきたように、精油は「炭化水素」と「官能基」の有機化合物ですが、上記の二種類は、「官能基」がない、「炭化水素」だけの有機化合物です
・したがって、「炭素」と「水素」だけからなる構造をした有機化合物ということになります

● イソプレン分子が 2個のユニット(モノテルペン炭化水素類)
・イソプレン分子が 2個となることで、さらにその組み合わせにより、三つの構造を持つ化合物が存在します。
1. 一つが、鎖状化合物
2. 二つ目が、単環性化合物
3. 三つ目が、双環性化合物

イソプレン分子の構造をよく見ると、足に相当する形のものが二つ組み合わさると(二つ組み合わせたものがモノテルペン炭化水素類)何となく六角形の輪のように見えませんか(下の写真中央)。有機化学の世界では、この六角形の輪(環)をシクロヘキサンというのだそうです(ただし、輪の中に二重結合を含んでいない、飽和環状炭化水素。よくモデルとして登場しますよ)。この六角形の形を基本にして、
1. この六角形の形が閉じていない(つながっていない、ひらいている)ものが、鎖状化合物といいます。
2. この六角形の形がそのままの形をしている(つながっている、とじている)ものが、単環性化合物といわれています。
3. 六角形の形がベースとなり、そこに、さらにもう一つの輪がくっついた形となっているものが、双環性化合物といわれています。

● イソプレン分子が 3個のユニット(セスキテルペン炭化水素類)
イソプレン分子が 2個のユニットでは、炭素の数が 10個ですが、3個のユニットになると、15個に増えてきます。そうすると、双環性化合物の輪(環)だけではおさまりきれなくなり、横に同じような輪(環)ができるなど、非常に色々な形の構造をもつ化合物が存在することになります(下の写真右)。

大事なことは、イソプレン分子がユニットとなっていますので、
・基本の骨格であるイソプレン分子の
分子式 〜 C5H8
・イソプレン分子が 2個のユニット(モノテルペン炭化水素類)の
分子式 〜 C10H16
イソプレン分子が 3個のユニット(セスキテルペン炭化水素類)の分子式 〜 C15H24
と、各ユニットごとの分子式は同じですが
、同じユニットであっても、その「構造」は全部異なる、という点です。つまり、分子式を見た場合、分子式は同じでも、同じグループではあるが、構造が違うということになります。

ちょっと難しいお話が続きましたので、分子構造モデルを使ってひまわりが作った
・イソプレン分子(下写真左側)
・イソプレン分子が 2個のユニット(モノテルペン炭化水素類)(下写真中央)
・イソプレン分子が 3個のユニット(セスキテルペン炭化水素類)(下写真右)
を見てみましょうね。

20060304イソプレン分子構造4
20060306モノテルペン 20060306セスキテルペン

上の図は「分子構造モデル」のいろいろな部品を使って作り上げたイソプレン分子の各ユニットです。下の図は、イソプレン分子が 2個のユニット(モノテルペン炭化水素類)でできている、ミルセン、リモネン、α-ピネンの構造を平面に書いた図です。
以下続きです

20060306ミルセン図 20060306リモネン図 20060306αピネン図

上の図と下の図は対応しています。下のモデルは、イソプレン分子が 2個のユニット(モノテルペン炭化水素類)のうち、鎖状化合物、単環性化合物、双環性化合物の代表的な芳香分子を表しています。左から「ミルセン(鎖状化合物)」、「リモネン(単環性化合物)」、「α-ピネン(双環性化合物)」です。

20060306ミルセンモデル 20060306リモネンモデル 20060306αピネンモデル

α-ピネン(双環性化合物)は、なかなか分かりづらいですよね。そこで、ちょっと角度を変えて見てみました。どこから眺めたか想像力を使って見て下さい。確かに、六角形の輪(環)の上に輪(環)が形成されているのがわかりますよね(下写真)。

20060306αピネンモデル1 20060306αピネンモデル2 20060306αピネンモデル3

今日は、精油の化学の基本となるイソプレン分子を見てきました。そして、このイソプレン分子のユニットがいろいろな構造を取ることで構成されているのが、テルペン系です。このテルペン系はメバロン酸・デオキシキシルロースリン酸経路という植物の二次代謝から作られる有機化合物でした(2005.12.17 植物の二次代謝産物)。

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