● ひまわりが勝手に選んだ植物療法関係の記事一覧です(月別に並べてあります)
植物療法に関係のある記事のもくじ(2005.06.04 〜 現在まで)

今日は、朝、雨模様でしたが、日中は、小雨、曇りの天気。ところが、朝の最低気温より日中の気温がだんだん低くなるという、とても冷え込む天候でした。今夜から、明日の予報は、軒並み「雨か雪」という予想がでていました。札幌など、全国各地から初雪の便りが届いていました。会津地方にも初雪の便りが聞こえたようです(たぶん)。

日中は暖房をずっとつけていました。夕方近くには、室内の窓ガラスが白くなってしまいました。そうとう寒さが増してきたんですね。

20061111ジンギスカン 20061111クラゲの和え物 2006111ヤマゴボウ

上の写真は、昨夜の晩ご飯のおかず。左から、ジンギスカン、クラゲの和え物、ヤマゴボウ。晩ご飯のおかずにしては、ちょっと量が多くてお腹が気になるひまわり。

20061111赤かぶの酢漬け 20061112プロバンス 20061112プロバンス2

上の写真、左は、赤カブの酢漬け。数日まえに漬け込んだものがご覧の通り。とってもおいしかったですよ。中央は、フランスプロバンス地方の風景。今日の朝、テレビで放送されていましたが、秋田ではかなり遅れての放送のようでした。ラベンダーの風景を写す事ができず残念。右は、「むくみに効く赤いハーブは何の葉か?」の質問がでたところ。この質問に、ひまわりはしばし考え込んでしまいました。えっ、何だろう。

20061112プロバンス3 2006111ラーメン1 2006111ラーメン2

正解は、ブドウでした。ブドウ畑を見渡すと、赤い葉は、ほんの二、三本でした。この貴重な葉を利用して、コスメティックも作られているようでした。上の写真、中央と右は、お昼に食べたラーメンです。ばっぱが中華のスープを取って作った本格的なラーメンです。

さて、昨日
2006.11.11 ゲラニルピロリン酸とリモネン合成1で、ゲラニルピロリン酸に「リモネンシンターゼ」という酵素が働く事で、四つのモノテルペン炭化水素、「リモネン」、「α-ピネン」、「β-ピネン」、そして「ミルセン」が作り出りだされることをお話しました。今日はその続編ということで、まず、このゲラニルピロリン酸(ゲラニル二リン酸ともいわれているようです)についてお話したいと思います。

精油に含まれている芳香成分類は、通常、三つのグループに分類されました。それらは、植物の二次代謝産物として、複雑な過程を経て作り出されます。三つのグループのうち、テルペン系と呼ばれる炭化水素のグループは、精油に多種多様な種類を与えています。

何でもテレビン油から、非常に多くの物質が取り出され、その成分を調べると、大部分は環状の化合物で、炭糖の数が 10、15、20 またはそれ以上の炭糖を含んでいるそうです。それらの化合物にとても類似した化合物が、多くの植物から発見されたため、それらの成分は、テルペン類と名づけられたそうです。

テレビン油は、マツ科やウルシ科の樹木から得られる樹脂(ターペンタイン)から蒸留された精油をいいます。

テルペン類は、イソプレノイド、または、テルペノイドとも表される化合物で、精油の化学では、「テルペン系」という言葉で表現されていますから、名前がややこしいですね(
2006.03.06 テルペン系はイソプレンブロック)。

精油の化学でとても大切なテルペン系は、植物の中でどのような過程から作り出されるのか、というところが、今日のお話の最初となります。この点についての詳しい説明は、
2005.12.17 植物の二次代謝産物で書かれています。

テルペン系の大元であるテルペノイドの生合成経路として、メバロン酸経路や、デオキシキシルロースリン酸経路がありますが、他の「芳香族」、「脂肪族」も含めて(
2006.01.20 精油の化学と基本骨格)、下記のような複雑な過程の中で作り出されるのだそうです。

20051217植物の二次代謝産物

マル 1 に書かれている「イソプレノイド」は、現在「メバロン酸・デオキシキシルロースリン酸経路」という二つの経路から作り出されるといわれています。

一つは、「メバロン酸経路」
・植物の細胞質におけるイソペンティニルピロリン酸合成の出発点が「アセチルCoA - メバロン酸」

二つ目は、「デオキシキシルロースリン酸経路」
・植物の色素体におけるイソペンティニルピロリン酸合成の出発点が「ピルビン酸 - グリセルアルデヒド 3-リン酸」

精油に含まれるテルペン系の炭化水素は、大部分が、二つ目の「デオキシキシルロースリン酸経路」によって合成されているといわれています。ただ、いまだに不明な点が多いそうです。

このような複雑な経路で作り出された二次代謝産物である「イソペンティニルピロリン酸」は、実は、テルペン系の炭化水素を作り出す際の、第一番目の化合物となります。この炭化水素の化合物は、炭素の数が 5個です。この 5個の炭化水素が、「イソメラーゼ」という酵素によって、二重結合の位置を移動させ「ジメチルアリルピロリン酸」となります。

さらに、「ジメチルアリルピロリン酸」は、次の過程で、先ほどの「イソペンティニルピロリン酸」と結合し、「プレニルトランスフェラーゼ」という酵素によって、「ゲラニルピロリン酸」が合成されます。

この「ゲラニルピロリン酸」は、炭糖の数が 10個の炭化水素の化合物となり、次の過程で 15、20個という具合に、炭糖の数を 5個単位で増やしていきます。イソペンテニルピロリン酸や、そこから生成されたジメチルアリルピロリン酸は、炭糖の数が 5個でした。

そして、ジメチルアリルピロリン酸に、イソペンテニルピロリン酸が加わることで、炭糖の数が 10個のゲラニルピロリン酸となります。この炭素数 10個の炭化水素化合物が、モノテルペン炭化水素類の基本となります。下記の図は、今言葉で表現したのを、図式化したものです。

20061112ゲラニルピロリン酸からリモネンへ

ちなみに、炭素数 10個のゲラニルピロリン酸に、炭素数 5個のイソペンテニルピロリン酸が加わると、ジテルペン炭化水素類の基本(ファルネシルピロリン酸)に、さらに、炭素数 5個のイソペンテニルピロリン酸が加わると、ジテルペン炭化水素類の基本(ゲラニルゲラニルピロリン酸(ゲラニルが二回付くんですね。ピロリン酸はニリン酸ともいわれているようです))となるのだそうです。これらの過程については、後日改めてご紹介したいと考えています。

ようやく、テルペン系の炭化水素の基本である「ゲラニルピロリン酸」の大部分が、「デオキシキシルロースリン酸経路」で作られるイソペンテニルピロリン酸から合成されることがわかりました。

ここからが、ブログタイトルでご紹介した「リモネン合成」です。昨日もお話しましたが、ゲラニルピロリン酸が
「リモネンシンターゼ」という酵素が働く事で、四つのモノテルペン炭化水素、「リモネン」、「α-ピネン」、「β-ピネン」、そして「ミルセン」が作り出されることに、とても興味をもちました。

上の図では、ゲラニルピロリン酸から、リモネンシンターゼという酵素によって、リモネンが 94%、ミルセンが 2%、α-ピネンが 2%、β-ピネンが 2%作り出される様子をあらわしています。
2006.11.02 メラニンとストレスの「(プレ)プロオピオメラノコルチン」と、とてもよく似ていというお話をしましたが、この 4種類の芳香分子は、針葉樹の作り出した樹脂の主要な成分ともいわれているのだそうです。

これらの樹木が病害虫などにより被害を受けたときに、モノテルペン炭化水素類の基本となる「ゲラニルピロリン酸」から、一つの酵素
「リモネンシンターゼ」によって、その被害を最小限に食い止める作用が、ちゃんとそなわってることに、人間の合目的性を達成する仕組みと同じように改めて感激してしまいました。

そして、これらの植物に備わっている防御特性を示す芳香分子を、われわれ人間が、精油として心身に適応するわけですから、このことに対しても植物に感謝をしないわけにはいきません。植物療法で著名なフランスのモーリス・メッセゲ氏も「緑の草木は神からのおくりもの」といっておられたことを思い出しました。

そこで、針葉樹や、マツ科、ウルシ科、ツツジ科、リモネン、α-ピネン、βビネン、ミルセンなどのキーワードで、精油事典 Ver.5(2006.07.01 発行)を探してみました。それが、下記の表です。もちろん、柑橘系の精油には、モノテルペン炭化水素類が多量に含まれていますが、下記の表からは除外しています。数値は、いずれも、各精油中に含まれる主要有効成分の平均的含有量(%)の最高値です。例えば、平均的含有量が 25〜60% であれば、「60」と記載されています。

20061112リモネン関連のモノテルペン炭化水素類リスト

リモネンが 94%、ミルセンが 2%、α-ピネンが 2%、β-ピネンが 2%作り出される、ということでしたが、それに該当する精油は、ほとんどありませんでした。その理由は、いまのひまわりの頭では整理できていません。その中で、アカマツ ヨーロッパ Pinus Sylvestris は、四つの芳香分子を見事に含んでいました。ただ、比率は、全く違って、α-ピネンとβ-ピネンが多いですよね。

この表を作っていて、モノテルペン炭化水素類の芳香分子を持った樹木系の精油は、上記四つの芳香分子以外に、δ-3-カレンや、α(β)-フェランドレンなど、固有作用が鎮咳作用の多い芳香分子を含んでいるものが多いようです。

もともと、植物自らが病害虫から守るための特性を持っているわけですから、それらの特性がもっともよく発揮できる呼吸器系、泌尿器系の疾患には、有効に働きかける事ができそうです。

また、セスキテルペン炭化水素類 + やセスキテルペンアルコール類を含んでいるものも多く、これら基本になるテルペン系の炭化水素に、ケトン類、エステル類、フェノールメチルエーテル類、モノテルペンアルコール類など、特徴ある芳香成分類、あるいは、それぞれの芳香成分類に含まれている芳香成分の固有作用が、特徴のある生理活性作用を示しているように感じられます。

そのような特性を、必要な条件に応じて選択し、単品、あるいはブレンドして利用することとなります。

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精油の化学関連の目次
2006.12.22 リモネンとカテコールアミンの連想ゲーム
・「2006.11.12 ゲラニルピロリン酸とリモネン合成2」

2006.11.11 ゲラニルピロリン酸とリモネン合成1