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2007.10.23 カルノシン酸とローズマリーの関係(カルノシン酸)

今日は、最低気温がマイナス 1.2度と、まずますで、やや曇っていましたが、日が高くなるにつれて最高気温も 6.0度と、雪解けの気候のように、青空の広がる快晴の天気でした。こんなによい天気は、冬ではなかなか巡ってこないもの。ヨーロッパやアメリカなどでも異常気象のニュースが盛んに報道されています。

下の写真、左は、昨日の晩ご飯の牛丼です。暖かな気温で、山の風景も、春先の雪解けの感じがします。昨年は、この冬、ひょっとしたら、ずっとこのままなのでは、などと思ったものでしたから、今年は全く正反対です。

20070116牛丼 20070117山の風景1 20070117山の風景2

ばっけ(フキノトウ)も芽を膨らませていました。下の写真、中央と右は、きな粉餅のお菓子です。もち米を粉にしものと牛乳を混ぜ、蒸かし鍋で蒸します。できあがったものと、きな粉や砂糖を一緒に混ぜ込みすだれで型をつけました。

20070117ばっけ 20070117きな粉餅のお菓子1 20070117きな粉餅のお菓子2

ふっくらとしてとてもおいしいんですよ。ばっぱは、「市販のものはあめがら、自分でつぐってみだ」といって、手間ひまかけて作っていたようです。一つ一つ丁寧にラップでくるんで置きました。右は、晩ご飯の牛、カキ野菜丼です。

20070117きな粉餅のお菓子3 20070117きな粉餅のお菓子4 20070117牛野菜カキ丼

今日の朝、テレビから「キャベツ」についてのお話がありました。「グルコシノレートとイソチオシアネート」という言葉に、ひまわりの耳はダンボになりました。その成分が「抗がん作用」がある、というものでした。キャベツは、このブログでも植物療法の素材として何回かでてきましたが、初めて聞くことばでした。

まず、この言葉を理解する必要があり、調べてみる事にしました。何でも、グルコシノレートが酵素の働きで、イソチオシアネートという成分になり、これが「抗がん作用」を示すということでしたが、実は、その言葉が書き留めることができず、「グルコ???と、キャベツ、抗がん作用」というキーワードで検索したんです。

いろいろなウエブページにて、キャベツの効果効能が説明されていましたが、大部分が特定の成分のみの説明でした。ただ、いろいろ読んでいくうちに、下記の図ような事が分かりました。

20070117グルコシノレートの代謝

グルコシノレートは、キャベツやブロッコリーなどの「アブラナ科」の植物に存在しているようで、いろいろな種類のグルコシノレートがあることがわかりました。1〜7種類あるそうで、よく取り上げられていたのが、

・プロゴイトリン
・グルコブラッシン

などでした。キャベツなどの組織や細胞が破壊されると、ミロシナーゼという酵素が作用して、グルコシノレートが、イソチオシアネートに代謝されるそうですが、個別には、上の図のように、

・プロゴイトリン → ゴイトリン
・グルコブラッシン → テオシアナートイオン

という代謝がありました。どうも、これは、植物が害虫などから自らを守るために作られる成分のようで、特に、プロゴイトリンから代謝されるゴイトリンという成分は、辛味成分なんだそうです。よくできたものですね。ただ、この代謝経路では、「ニトリル」という化合物が代謝される場合もあり、腎臓や肝臓障害を与えるような急性毒性を示すそうです。

その毒性は、LD50で、170mg / kg だそうです。また、ゴイトリンは、甲状腺腫誘導物質としても考えられている成分です。

一方、グルコブラッシンから代謝されるテオシアナートイオンという成分は、甲状腺肥大を引き起こす物質としてとらえられているようです。これら、「
ゴイトリンやテオシアナートイオン」は、「ゴイトロゲン」という甲状腺腫誘発物質として分類されていました。

あれ、抗がん作用ってどこへいったのでしょうか。その答えが「
スルフォラファングルコシノレート」から代謝される「スルフォラファン」にあるようです。しかも、抗がん作用というよりも、その作用機序がとても複雑で、抗がん作用を間接的に発揮させる物質のようです。

その作用機序をわかりやすくするため、下記のような図を作ってみました。そしたら、この
スルフォラファンの裏には、「Nrf2」という転写因子が絡んでいました。この「Nrf2」は、2005.10.30 デトックスとローズマリーで登場しましたよ。

20070117スルフォラファングルコシノレートの代謝

上の図は、グルコシノレートに分類される「スルフォラファングルコシノレート」が、ミロシナーゼという酵素によって、「イソチオシアネート」に分類される「スルフォラファン」へ代謝されることを表しています。・・・・(1)

このスルフォラファンが何をするかというと、
(2) で示されている「Nrf2」と「Keap 1」の複合体を破壊するのに一役かっているようです。・・・・(3)

(2) で示されている「Nrf2」は、酵素の遺伝子発現を誘導するときに必要な転写因子です。ところが、この転写因子は、Keap 1というタンパク質と複合体を形成しているために、その働きが抑制されています。・・・・(2)

この複合体を破壊して、「
Nrf2」転写因子が働けるようにするのが「スルフォラファン」の役目のようです。スルフォラファンは、「Nrf2 」転写因子が働く事をできるようにすることで、phase 2といわれる解毒酵素である SODや、カタラーゼ、グルタチオン合成酵素の遺伝子発現を誘発するという、とても複雑な機序で働いているようです。・・・・(3)

そして、「
Nrf2」転写因子の活性に、これまた一役かっているのが、ハーブの「ローズマリー Rosmarinus officinalis」です。「ハーブの」というのは、ローズマリーに含まれている「ロスマノール」という成分が、非揮発性のジテルペノイド(非揮発性のフェノール系ジテルペノイド化合物)だからです。

このローズマリーに含まれている「
ロスマノール」が、「Nrf2」転写因子の活性を促進させますから、その転写因子の活性によって、発ガン性物質の代謝に働く SODや、カタラーゼ、グルタチオン合成酵素の活性が期待できるわけです。・・・・(4)

本当にややこしい仕組みで働いているんですね。ここで、ポイントをおさらいすると、

・キャベツには、自分自身を害虫から守るための成分を自ら産生する
・一つの化合物から、一つの酵素によって、四つの化合物が生成され、害虫から身を守る事を以前見てきました(
2006.11.11 ゲラニルピロリン酸とリモネン合成1)を参照
・ゴイトリンなどのイソチオシアネートを、細胞の破壊を引き金にして、酵素ミロシナーゼによりプロゴイトリンから代謝する
・これらの成分は、生体には、デメリットとなる作用を示す場合がある
・スルフォラファングルコシノレートから、
スルフォラファンが代謝される
・これは、発ガン性物質の代謝に働く解毒酵素に働く
・解毒酵素が活性するためには、
Nrf2 という転写因子が働かないといけない
・その転写因子が働けるようにするのが、
スルフォラファン
Nrf2 の活性に、ロスマノールが関係している
ロスマノールは、ハーブのローズマリーに含まれている

ということで、最初に出てきたキャベツ。それに、最後のローズマリー、一緒に食べたらどうなるでしょうか。

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