今日は、午後から小雪の舞う寒い天気でしたが、最高気温が 3.2度だったようなので、体感温度よりも高い感じがします。最低気温は、午前 9時台に記録したようで、マイナス 0.4度でした。

下の写真、左は、昨日の晩ご飯のカレーライス。中央は、今日の山の様子です。うっすらと雪が積もっていましたが、相変わらず犬の豆太郎は元気。右は、モミの木です。昨年も同じ時期に登場しました。先端がきれいに白くフワッとしています。雪や寒さのせいではないようです。

20070118カレーライス 20070119豆太郎 20070119山の風景

さて、今日の新聞に「繰り返し実験 苦労が実結ぶ」というタイトルの記事が掲載されていました。内容を見ると、秋田大学のグループが「白血球の動きを調節する酵素を特定」し、英科学誌に研究論文が掲載されたというもの。長い時間をかけての研究成果が実を結んだこと、本当にご苦労があったようです。

今回の記事には、岐阜県出身の西尾さんという方(女性の方)が、東京都臨床医学研究所から、そのときの主任研究員だった教授が秋田大学へ移る際、引き続き研究に参加してほしい、との事で、秋田大学の大学院に入学して研究を繰り返し、今回の研究論文が掲載された事が取り上げられていました。

その内容は、「白血球が動くときには今回特定した酵素が働き、白血球の細胞膜を構成するリン脂質が変化する」ことを、繰り返し実験で確認し、長い時間をかけて結論を導きだしたとのことでした。

記事の内容に、それらの詳しい内容が記載されていなかったので、さっそく調べてみることにしました。ところが、なかなか見つける事ができませんでした。一つ手がかりに、「1月5日の新聞」に「白血球調節の酵素特定」という記事が掲載されている事がわかりました。

1月5日というと、まだひまわりが会津に帰省していたときです。新聞を調べると、ありました。上記タイトルの通りの記事の内容でした。なぜ、興味を引いたのかというと、
2007.01.13 細胞の分化と連想ゲームでも投稿しましたが、

・白血球は、自律神経により、その働きが影響を受けるという「福田安保理論」との関係
・すべての細胞は、赤血球から分化し、最初の分化の段階が白血球とする「千島学説」との関係

からでした。

1月5日(秋田魁新報夕刊)に掲載されていた内容を、文章から下記の様な図にしてみました。図右側の中央に描かれている図は、酵素の働きによって白血球が動く様子を黄色い光とともにあらわしていますが、あくまでも、これは、ひまわりの想像図です。

2007019酵素の働き

白血球は、免疫細胞として、体内に侵入した異物を処理する働きがあり、生体防御にはとても大切です。ところが、働き過ぎると、身体の組織に炎症を引き起こし、生体に炎症性の疾患を引き起こしてしまう場合があります(2006.06.09 生体防御ってすごいなぁ)。

そこで、白血球の働きに関与している酵素に着目して、白血球が動くときに働く「酵素の特定」に成功したものです。そのご苦労は、今日の新聞でも紹介されていましたが、上記の図をもとに、その実験の内容がいかに大変だったかを見てみたいと思います。

酵素を特定するために、

・重要な役割を果たすと思われる酵素の選択
・それらの酵素を持たないマウスを遺伝子操作によって作る(これが難しかったということでした)
・それらの酵素を持たないマウスと、持ったマウスから、白血球の動く様子の比較
・持たない白血球は、「動きが極端に鈍化」
・持った白血球は、「素早く動く」

というものでした。この結果から、「白血球調節の酵素特定」がなされました。

実験はそれだけではなく、とてもすばらしいアイディアがあったようです。特定の酵素が白血球の動きに関与することが、上記実験で明らかになりましたが、その動きの方向と、酵素の関係を明らかにするためのアイディアです。

特定の酵素が、実際に働きかける物質(多分内容からして細胞膜のリン脂質だと思うのですが)に目印をつけて、酵素との関係を確かめました。その目印となったのが、光なんだそうです。特定の酵素のターゲットとなる物質を光るようにすると、酵素が働いた結果、その光を帯びた物質は少なくなります。

白血球が動く方向性を確認するために、

・特定の酵素が働きかける物質が光るよう工夫
・特定の酵素を持たない白血球は、細胞膜のいたるところが光る
・特定の酵素を持った白血球は、白血球の動く方向の部分だけが光る

という結果が得られたそうです。

そこから予想される事は、

・特定の酵素が働く部分は、光る物質が減少
・その部分の細胞膜の内から外へ押しだす力が発生
・その結果、白血球が動く

というものでした。白血球が動くときに、細胞膜を構成するリン脂質の変化が起こり、その変化に「酵素」が関与している、というとてもすばらしい実験、研究成果ですね。

ウエブを検索してもなかなか、その酵素の正体がつかめませんでしたが、「
ホスホイノシタイドホスファターゼによる細胞遊走の制御」というタイトルで、2005年8月3日、「第 2回日本プロテインホスファターゼ研究会プログラム」にて発表されていたようです。

そのときの会場が、ひまわりの所から歩いて五分もかからない「秋田拠点センター アルヴェ」で行われていました。

多分、先ほどからお話していた、白血球調節の鍵を握る「特定の酵素」とは、「
ホスホイノシタイドホスファターゼ」だと思われます。

この研究により、白血球の働きに「酵素」が関わりあいのあることが、解明されたわけですから、白血球の働きすぎによる「炎症性疾患」が引き起こされた場合、この酵素の働きを「弱めれば」白血球の動きを抑制でき、結果として悪化を防ぐ事につながることも、「新薬開発への応用期待」ということで、新聞に記載されていました。

ここで、福田安保理論の登場です。上記の図に、ひまわりが勝手に書き入れた部分がもう一つありました。それが、「交感神経緊張」ということばです。この緊張がアドレナリンの過剰作用を引き起こし、白血球のうち、顆粒球の働きを促進させることがいわれています(
2005.12.25 プロスタグランジンと福田安保理論)。

そのことが、活性酸素の増加を招き、結果的に組織破壊による炎症や、化膿性の炎症を引き起こすといわれています。そこで、先ほどの「酵素」が、どのような作用機序で活性するのかの「キー」が、この部分にある、とも思われます。

いってみれば、免疫細胞の挙動が自律神経との関連から解明され、また、その免疫細胞は、ある酵素(
ホスホイノシタイドホスファターゼ?)により、その動きが調節されている、という一連の関連性が見えてくるような感じがします。

また、「千島学説」との関連では、まだ、ひまわりが、その学説をよく理解していないということから、今後勉強して関連性を調べることができればいいなぁと考えています。

ただ、交感神経の緊張は、リンパ球と顆粒球の割合を変化させます。これは、「福田安保理論」です。顆粒球の割合が増えるわけですから、これは、「千島学説」とも関連づけることができないとも限りません。また、それら白血球の動きは、今回の「酵素」の影響を受けるわけですから、全体像をとらえた考え方で物事を理解できる手がかりになるかもしれません。

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薬と身体関連の目次
福田安保理論関連の目次
2007.01.13 細胞の分化と連想ゲーム
2006.10.16 アドレナリン受容体から思う事
2006.10.15 交感副交感神経そして交副感神経
2006.06.09 生体防御ってすごいなぁ
2005.12.25 プロスタグランジンと福田安保理論