俺が永遠に生きていくため
必要なものだから

近づいて
側にいて
利用して
いつか 俺のために
お前の血を啜り
魂を取り入れ

屍には見向きもせず
新たな贄に思いを馳せる

今まで 何度も繰り返してきた

たくさんの贄と同じ・・はずだったのに

その真っ直ぐな強い視線が

時折見せる
安心しきった笑みが

俺を惑わせる

その綺麗な眸から
涙が零れ

その口元から
嗚咽が漏れた時

気付けば

なぜ 俺は自らの血を流し
お前を守ってい・・る?

俺に必要なのは

その体内を巡る
赤い液体と

その身体を動かしている
俺にだけ見える青白く燃えた炎

それだけのはずなのに

いつから
俺・・は

その笑顔を
その温もりを

失いたくないなんて
思った?

守りたいなんて
考えた?

俺の命よりも
大切なものなんて
あるはずがなかったのに

血を流す俺を
抱きしめて
俺のために落す涙に

「平気だって・・」
なんて笑顔で答えてる

これは 誰だ

こんなの俺じゃない

俺のはずが無い

それとも・・

本当の俺を

お前がひきだしてくれたんだろうか

お前の前でだけ
お前のためにだけ

俺は 本当の俺になれるのだろうか

自分よりも大切なものを
見つけるために

今まで 彷徨ってきたのかな

やっと 出逢えた

大切な タカラモノ

お前に逢う日まで

残酷に
冷淡に

たくさんの
贄を貪っていた 俺を

許せますか
受け止めてくれますか

一緒に歩いていってくれますか

贄はもういらない
俺の永遠の命は終わった

守るから

だから
本当の俺のままで
命尽きることができるように

守って・・

その日まで
その後も
ずっと ずっと

側にいて