September 07, 2005

ショウナンタキオン

ショウナンタキオンは強かったなあ、いろいろ課題はあるけれど、とか思いながらレース映像を何度も見返し、血統はどうなんじゃいと思って血統表を見て驚いた。母ショウナンマイラヴはばりばりのメジロ牧場血統、よくこんな貴重な血をメジロ牧場が外に出したものだと思うくらいメジロの最良の血がこの母には流れている。なんでまたと思ったが人に聞くと、どうもメジロ牧場は従来の繁殖をだいぶ売却して繁殖牝馬の入れ替えをしているらしい。

そういうときに限って走ってしまうものなのだろう。この手の話は珍しいことではない。何を売って、何を残すか、生産牧場にとってこれもギャンブルみたいなものなのだ。

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ショウナンタキオンの母ショウナンマイラヴはトニービンとメジロハイネの間に生まれている。98年の生まれだから、この時メジロハイネ18歳。生産者は浦河の吉田隆牧場。
メジロハイネは中山牝馬Sやセントライト記念に勝ち、オークスでもダイナカールの3着と健闘した活躍馬で、兄に天皇賞2着2回のメジロファントムがいる。またメジロハイネの伯母メジロアイリスの孫にメロデュレンとマックイーンの兄弟も出ている。そういうメジロ牧場の中核にあった血統だからハイネ自身は売却されたわけではなく預託に出されていたのだろう、初仔メジロモニカ(4勝 父モガミ)の時から生産者は吉田堅牧場となっている。ハイネは、そのメジロモニカなど後継となる牝馬を4頭ほど産み、そのあと95年から2000年までに生まれた6頭の産駒は売却されてすべてショウナンの名義で競走馬となっている。
その6頭の中にはデビューできなかった馬もいるし、デビューした中にも地方も走った馬もいるのだが、実を言うと6頭全部合わせても1勝もしていない。6頭が6頭ともすべて未出走か未勝利。正直、びっくりした。

ショウナンマイラヴは3歳の5月にデビューしたが2戦未勝利で引退。ショウナンタキオンの生産牧場は浦河の鎌田正嗣牧場となっているので、メジロ牧場との取引に買い戻し条件などはなく、おそらくショウナンの馬主国本哲秀氏の持ち馬として預託されたものだろう。
ショウナンの名義で走った同期の馬にショウナンカンプがいるが、ショウナンカンプもメジロハイネの8歳上の姉メジロチドリの曾孫に当たり、国本哲秀氏はよほどこの血統が好きなのだろうし、愛着も強いのだろう。その執念がこの結果を生んだといっても良いのかも知れない。そしてショウナンカンプに続いてショウナンタキオンがGIウイナーにでもなろうものなら、まさしく金鉱を掘り当てたと言えるだろう。

ショウナンマイラヴの牝系はオーグメントを経由してアストニシメントにさかのぼる小岩井の牝系。アストニシメントの系統でメジロ血統以外の分枝から出た最近のGIホースとしてはスズパレード、オフサイドトラップ、ファイトガリバーなどがいる。

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メジロハイネの父メジロゲッコウはスプリングSや弥生賞などに勝ち10勝した活躍馬でパーソロンの産駒。妹のメジロナガサキの孫にメジロドーベルやメジロファラオが出、更に下の妹メジロポルシェからはメジロボワール(牡 阪神大賞典など4勝)、メジロクインシーからはメジロモントレー(牝 アルゼンチン共和国杯、AJCCなど7勝)が出ている。メジロゲッコウの母メジロボサツは65年の朝日杯に勝ち最優秀3歳牝馬となり、桜花賞3着、オークス2着。

このボサツの牝系も古く1930年に輸入されたデヴォーニアにさかのぼる。この牝系は近年目立った活躍馬を出していないが、古くは有馬記念(61年)のホマレボシ、オークスのベロナ(65年)などを出している。ちょっと渋いところではフレッシュボイスやグレートセイカンもいる。

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ショウナンタキオンの父アグネスタキオンも牝系は60年代に輸入されたヘザーランズにさかのぼる。そこからイコマエイカンが生まれ、アグネスレディー、アグネスフローラが生まれてくるわけだが、こうして血統表を見ると3/8は日本の古い血統で占められており、最近の活躍馬ではこういう血統構成をちょっと見たことがない。日高にある、ある大手牧場で聞いた話だが日本の名牝系といったところで海外のホースマンは見向きもしない、そういう馬を海外遠征させて、たとえGIを勝っても、セールスには絶対結びつかないだろうという。はたして本当にそうか?

ショウナンタキオンも大成すれば海外を視野に入れるだろう。そういう時が来ることを期待したい。

追記:上記記事にコメント欄を通じて誤りを指摘されましたので、お詫びして訂正いたします。国本氏は95年以降のメジロハイネ産駒を買ったのではなく、母のメジロハイネを買ったとのこと。メジロ牧場もだいぶ様相が変わってきているのだと思うが、それにしてもの感が深い。



birdcatcher at 05:46│Comments(2)TrackBack(2)血統 

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1. 親子で制覇ですか  [ 気の向く馬馬 ]   September 07, 2005 21:37
今日は夏の小倉・新潟の悼尾を飾るそれぞれの2歳戦があったんですねってと他人事みた...
2. ミトコンドリア 〜アグネスフローラに捧ぐ 。*:゜☆  [ たまてぼっくす ]   September 07, 2005 21:45
ミトコンドリア [mitochondria] 真核細胞内にあって、主に呼吸に関与する、棒状または粒状の細胞小器官。ADP と無機リン酸とから ATP を合成する酸化的リン酸化を行なっている。また、DNA ・ RNA を含んで細胞質遺伝に関与し、細胞内で分裂増殖する。糸粒体。 (大辞林) ...

この記事へのコメント

1. Posted by 服部   September 09, 2005 08:44
記事に間違いがあるので、ツッコミを少々。
ショウナンバクソウから、ハイネは国本氏の所有です。
なので、
そのあと95年から2000年までに生まれた6頭の産駒は売却されてすべてショウナンの名義で競走馬となっている。
これは間違いですね。

メジロさんが、ハイネに見切りをつけたのは、確か繁殖として
何らかの欠点があったからと記憶しています。
2. Posted by BIRD   September 09, 2005 14:18
服部さんへ

貴重な情報をありがとうございます。そうだったのですか、あれだけの血統の、それも重賞を勝った馬でも売ってしまったのですか・・・
メジロ牧場も代が替わってかなり様相が変わっているのでしょうね。ちょっと言葉がありません。

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