2013年02月

2013年02月24日

薪ストーブ事件

先のノルウェーの暖炉中継報道を見ていてある「事件」を思い出した。

10年ぐらい前,長男がまだ小学生1〜2年生だったころ。
まだ寒い時期だったので,2月か3月ぐらいだったと思う。

休みの日に,ふと気がつくと長男の気配が家の中にない。
名前を呼んでみたり,庭を見渡してみたりしても姿が無い。

靴はと言えば全てある。...いや、サンダルだけ無い。

別荘地として開発されたウチの町内はとてもアットホームで,子どもたちは、家々を巡りながら遊び回るのが日常だったので,居そうな家々に電話をしてみるが,居ない。

まだ寒い時期なので,サンダルでそう遠くへ行くはずも無いのだが。

でも、嫌な予感。家の前は琵琶湖だし,近くには川も流れている。まさか一人で釣りにいったのかも、と自転車を取り出して,川を見に行ったり,町内を走り回ったり。近所の人も手分けをして探してくれたが、姿どころか気配もない。

やがて日は暮れだし,不安になって,相談のつもりで警察に電話をした。
「サンダルだけが無いのですが,こういうときはどういう風にして探せばよいのでしょうか」

すると,たちまち刑事さんたち(普通のおまわりさんではない人たち)が飛んできた。

いや、期せずしてオオゴトになってきた。まずは、状況説明からと思った矢先に,

一台の白い車が恐る恐るやってきた。運転しているのは見たこともない人。後ろの座席からおりてきたのは,サンダル履きの長男。運転していたのは最近町内に引っ越してきた新しい家族の方だった。

「犯人」は薪ストーブだった。

コトの次第はこうだ.休みの午後に暇を持て余した長男が散歩に出ると,新しく引っ越してきた家族が家の外で薪割りをしていた。「ウチも薪ストーブやで」と話が盛り上がったらしい。そこから家に上がり込んで,薪の火のつけ方や空気の取り入れ方などをレクチャー(!)して、ひとしきり薪ストーブ談義で盛り上がっていたら、家の外の様子がなんか変で,どうも長男を捜しているらしいということで,おそるおそる子どもに道を聞きながら戻ってきた..という次第。

警察ザタになっているので、先方は大変恐縮しておられたが,「いやいや、うちの方こそスミマセン」ということで,笑い話に.

その後は,ウチの子どもの通うサッカークラブにそこのお宅のお子さんも入られたり,副業で薪の販売(!)を始められたので,逆にそれをウチが買わせていただいたり,と薪ストーブの結んでくれた縁は今も続く.

それにしても,火と人との関係は深く,アツイ(漢字も似てるな)。

ノルウェーに限らず,キャンドルナイトといい、ロケットストーブといい、火に対する人の熱狂ぶりは古今東西一緒だ.拝火教というのもあったね。

ちなみに,我が家の薪ストーブの火は,カルシファー(ハウルの動く城)だと思っている。


biwako_strawbale at 18:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!