2010年05月11日

歩留まり

もんじゅで9日から10日の24時間で警報が75回作動したそうだ。
内13回は警報のテストで、40回は天候悪化に伴う気圧変化を異常と感知したため。警報は感度を上げるとよく鳴るので、警報が多いこと自身はそれほど問題ではない。微調整しながら有用な感度に設定すればよい。

問題は、警報を「誤作動」と決めつけたり、それによって報告を遅らせたりすることだ。

また警報の問題より、気になるのは「歩留まり(ぶどまり)」の悪さである。

結局、燃料棒の破損を検知するセンサーは3つのうち2つが壊れた。歩留まり率は33%である。もし自分が買った製品の3つのうち2つが不良品だったとしたらどうだろう。ましてや高速増殖炉という、事故を起こせば人類のみならず地球に対して、不可逆的なダメージを与えかねないものの中に使われるものとして、この歩留まり率は信じられない。

今回は並列に使っているようなので、なんとか残りの1つで運転を続けているようだが、直列に使っていた場合はそうはいかない。直列に使っている場合とは、どれか1つに不具合が出た場合、全体が機能しなくなるような使い方である。

例えば、前回の事故の原因となった温度計のようなものである。
歩留まり33%のものが3つ直列配置になっていた場合、システム全体がうまく機能する可能性は0.33の3乗でわずが3.6%しかない。残りの96.4%は失敗する。

たとえ取り付け精度も含めて歩留まり率が99%だったとしても、ナトリウム温度計だけでも40個以上使われているので、事故が起こらない可能性は0.99の40乗で67%しかない。そのほかにも配管ジョイントなどナトリウム漏れの起こる可能性のある個所はおそらく数百カ所もあるので、こうしたものを考慮に入れると、事故が起こらない方が不思議ということになる(例えば0.99の100乗で37%、400乗になるとわずか1.7%)。活断層の直上ということを抜きにしてもだ。

巨大技術が失敗するのはこうした理由による。

相も変わらず新聞の一面はサッカー日本代表のことなどを報じているが、事故は確実に足元まで迫っていると考えていた方がいいだろう。

biwako_strawbale at 08:10│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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