2013年01月30日

憲法(ベアテの贈り物)

FBの投稿を再録。FBは過去の投稿を見るのは不便なので。

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今年最初に目にしたニュースは、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの訃報だった。若干22歳でGHQの一員として日本国憲法の草案作成に携わり、男女平等などの条文を盛り込んだ彼女の話を15年ぐらい前に聞いたことがある。

ブリティッシュ・コロンビア大学で行われた彼女の講演には、300人以上が入ると思われる教室がいっぱいになっていた。特命を受けて、彼女は世界各国の憲法を調べ上げて、社会保障や男女平等について最高の水準の草案を作り上げた。

質疑のときに「戦後ようやく手に入れた女性参政権であるが、せっかくの権利も日本では投票率が低いが、どう思うか」と質問したら、「それはとても残念なこと。オーストラリアのように投票にいかなかった人に対する罰金制度を導入するという手もある。」とお答えをいただいた。

憲法改正を掲げている自民党が政権を取った今、彼女の訃報に接することの意味を考えながら。

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日本国憲法を「押し付け憲法」であって正当な手続きを経ていないと言う人がいるが、世界中のどの国の憲法をみても、そもそも何も明確な決め事がないところで作られるのが憲法であって、「正当な」憲法制定の手続きなど存在しない(言い換えると正当な憲法というのは形容矛盾だ)。起草委員会とか、憲法制定準備委員会などというものが、任意で(いわば勝手に)できて、それらしい手続きを定めていく。従って、憲法の正当性というのは、事後的に徐々に人々によって承認(authorize)されていくものと考えた方がよい。

明治憲法の改正の形式をとって制定された現憲法はその意味では、遥かに「正当」な手続きを経ている。例えば、押し付け憲法だと言う人たちも、改憲の手続きは現憲法の規定に沿ってやろうとしてるが、それが有効であるためにはまず現憲法の正当性を認める必要があるという矛盾を抱えている。現憲法の正当性を認めなければ、改憲後の憲法も正当性がないことになってしまうからである。

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さて、戦後日本に制定された憲法は、第2次世界大戦に生まれた厭戦気分も背景にして、9条のみならず、当時の世界的な文化水準からして最高水準の憲法であった(シロタの草案がそのまま取り入れられていたらもっとよかっただろうし、逆に天皇制など問題も多いが)。特に9条などはあまりにも理想的すぎて、アメリカ自身があわてて警察予備隊の導入などで骨抜きにせざるを得なかったぐらい、理想的なものであった。

いわば時代の隙間に生まれた奇跡の憲法である。これを変えて、例えば戦争できるフツーの国に成り下がろうという気には到底ならない。崇高な理念のもとに暮らしていたい。

biwako_strawbale at 17:39│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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