罪状 イライラしたから殺人 or 人食いハウジング

殺傷人数 7人と猫1匹

攻撃性能☆1 残虐性☆4 執拗さ☆1 不死性☆3以上

罪人ランク C

私のせいじゃない! 〇〇がやらせた!
傷害や殺人の加害者が、たまに口にする言葉である。
そしてこの〇〇が突拍子もなく、気の触れていそうな内容だと、加害者は責任能力を問われ精神鑑定にかけられたりする。

アメリカ南部で起きた7人殺害事件の犯人、コーディも同じ論法を使った。
彼にとっての〇〇は、エボミネーション(Abomination)という存在だった。
曰く、大淫婦・バビロンが生んだ忌まわしきもの。
いずれ地球を食い尽くす聖書の悪魔。
奴にとって宇宙とは、餌を提供するだけの存在。
そこまで言わしめるエボミネーションとは何ものか。そもそも実在しているのか。

ここでは事件の概要と、エボミネーションが実在していた場合どういう存在なのかを分析していこうと思う。

【事件あらまし】
青年・コーディは不満だらけだった
職場の自動車整備工場では、もじゃもじゃグラサン上司のパワハラ。
家に帰ればテレビ伝道にドはまりした母親が、カルトな言動を捲し立ててくる。そのせいで友達から奇異の目を向けられるのも嫌だった。

だから遂にキレた。
上司も母も、母をおかしくした神父も殺した。更に友達とその彼女、ついでに自分の彼女も手にかけた。挙句通りがかった墓地にいた、見知らぬ女性の命も奪った。

特に、上司の遺体の損壊具合は激しかった。
片方の手首が引き千切られ、背中にはマチェーテによる大きな切り傷。そして生きたまま頭蓋骨をチェーンソーで輪切りにされ、脳髄が全て流れ出していた。
その他はナイフで首を切ったり、スコップで撲殺したりされているのが多いようだ。

計画性も何もなく、遺体を乗せていた血まみれの車で街を走り、洗車していた。
むしゃくしゃしてやったという印象が強い。

【エボミネーション】
・誕生
宗教放送にのめりこんだ母親が、「テレビに手を乗せれば、私の奇跡パワーで病気を治す」という神父の言葉を実行していた。すると急に咳き込み、吐血。手のひら大の肉腫のようなものが、転がり出た。
彼女は、気分がよくなり、腫瘍を無造作にゴミ箱に捨てて寝た。
その腫瘍こそが、エボミネーションであった。

・寄生、洗脳
その晩、コーディはいつものように眠りについた。するとエボミネーションは動き出し、彼の口に滑り込んだ。
次の日から、コーディは体調を崩し、胃腸に違和感を覚えるようになった。医者に診せてもよくならず、咳と吐き気は悪化の一途を辿った。そして遂に、体内で分裂したエボミネーションが吐き出された。
牙の生えた肉塊に恐れをなした彼だったが、何を思ったか食べかけのガムを貼り付けるようにベットの木枠にエボミネーションをくっつけた。
車に飛び乗り、あてのないドライブで現実逃避しようとした。だが友達の彼女の家に近づいた時、奇妙な使命感に駆られた。とっさに家を訪ねて、躊躇いもなく彼女をナイフで殺害してしまう。
彼は遺体を持ち帰り、ベッドの下に雑に隠した。腹を空かしたエボミネーションはこれを綺麗に骨だけ残して平らげた。

この光景を見たコーディは怯懦した。この異形にとって人間など些末なものでしかない。勝ち目はないと悟った。
ならば俺は下僕となろう。まずは、関係が拗れた奴らを餌食としよう。
そうして7人連続殺人は起きた。

・捕食方法
エボミネーションの特徴は、分裂することにある。宿主の体内で増え、吐き出される形で増えていく。
当初は拳程度の大きさで非力だが、設置型のトラップとして使われる。例えば便器に仕掛けておくと、用を足しに来た奴を尻から丸かじりするという具合だ。そうして養分を摂取するとどんどん大きくなる。
成長しても、馬鹿でかい口のある腫瘍なのは変わらない。定着した場所から動くことはできないので、宿主に肉を食わせてもらうのが基本スタンス。成長すれば、触手を使って自力で獲物を捕えることもできるようだ。
コーディは、家中でエボミネーションを育てていた。戸棚、ベッド、オーブン、洗濯機の中…。
家中で肉腫が蠢き、触手が出入りしている。そして肉をよこせと禍々しい口が至る所で鳴き喚く、もはや屋内なのか体内なのか分からない状態だ。
さらに常に獲物を解体し、生肉や臓物を蓄えていた。とりわけキッチンは肉屋も裸足で逃げだす惨状で、返り血と死臭に塗れている。

【対策】
エボミネーションの発生原因は不明であり、対処不能である。
コーディのような下僕がいる場合は、殺人事件が頻発するので警戒が必要。仕掛けられたエボミネーションに触れた場合、一瞬で手を持っていかれたりするので、物陰には注意しなければならない。

不意打ちでなければ、エボミネーションはそこまで脅威ではないように見える。その場から動けない上に、触手も機敏ではないからだ。近寄るのは自殺行為なので銃が欲しいが、どのくらい有効なのかは全く不明である。
寄生された宿主は、内臓がエボミネーションに置き換わってしまう。身体能力は上がっていないが、うっかり刺したりすると、叫ぶ臓物と対面してしまう。恐怖!

総合すると、宿主さえ倒してしまえば無力化できそうに思えるが、そうはいかない。寄生するまでもなく相手を洗脳する手段を有しているらしく、エボミネーションのいる場に立ち入るだけで新たな下僕が誕生してしまう危険がある。
根絶が難しいので、奴がコーディの妄想であることを願うばかりである。