罪状 王への貢ぎ物殺人、一家崩壊

殺傷人数 6人

攻撃性能☆1 残虐性☆5 執拗さ☆2 不死性☆?

罪人ランク C

ある夜、アンチクライストの一派は歓喜に包まれた。
彼らは、悪魔・ペイモンを召喚することに成功したのである。
ペイモンは地獄の8王に数えられる高位の悪魔。召喚した者にあらゆる知識を与えるとされる。
ペイモンがもたらすのは破壊と混沌なのか、あるいは悪魔なりの平和なのか。それは分からない。
ただ確実に言えるのは、ペイモンを召喚した崇拝者たちはろくでもない連中であったということ。彼らに力を与えることは危険極まる。
それを如実に表すのが、召喚のために使い潰されたグラハム家の事件である。

【実行犯】
・リー(アニーの母)
故人。ペイモンの信徒であり、カルトの中心的人物であった。
「犠牲は恩恵のためにある」
グラハム家で起きる惨劇は、ペイモンを直系へと継承されるため彼女が仕組んでいた。

彼女の死体は、死後1週間で墓から掘り出されていた。儀式の媒体として、首を落とし、グラハム家屋根裏に安置されていた。
ペイモン降臨の際も、首のない状態で跪いていた。

・ジェーン
カルトの一員。
リーの死によってアニーは不安定になっていた。彼女が頼った集団セラピーで、偶然を装って接触してきたのがジェーンである。
続いてチャーリーを亡くしたアニーに、チャーリーとの交信ができるといって呪文を授ける。これがペイモン召喚(チャーリーから移す?)ための罠だった。
以降姿を消すが、裏でピーターに呪いをかけ続けていた。呪いによりピーターの魂を削り、ペイモンを宿らせる下準備を行っていた。

・参列者
ペイモン降臨に参列したカルトの老若男女。
ペイモンへの謁見は裸であることが望まれるらしく、何も身に着けていない。肌は青白いので何か塗っているかもしれない。

【グラハム家怪事】
人物ごとに起きた悲劇と末路を記していく。
・アニーの兄
ペイモン継承の標的にされる。しかし儀式失敗により発狂、首吊り自殺する。

・アニーの父
リーの夫。リーの息子を作るための装置。
恐らく婿養子で、ピーターが生まれた後は用済みになった。食事を拒否し、餓死。

・チャーリー(娘・ピーターの妹)
ピーターとの接触禁止を突き付けられたリーは、妹のチャーリーに一旦ペイモンを移すことにする。
生まれる前からペイモンを宿された彼女は、生まれたばかりでも泣かないという生物的にありえないことをやっていた。リーと一緒にいる際は、「男の子だったらよかったのに」と言われ続けていた。
物作りや絵に熱中し、交友関係が希薄。リーの死後はペイモンの影響(あるいはカルトの儀式)が本格的に現れ、ハトの首を切り取る・「コッ」という舌打ちなどの奇行が目立つようになる。

ナッツアレルギー。ピーターと行ったパーティでナッツを誤食。呼吸困難になり、ピーターに病院へと搬送される。その途中、車から頭を出していた所、電柱と衝突して首がもげて死亡。
その電柱にはペイモンの紋章が描かれていたという。

・スティーブ(アニーの夫で、婿養子)
ペイモンは男性の肉体に宿るが、スティーブはリーと血の繋がりがないので用はなかった。
ジェーンから教わった呪文により、ペイモンの召喚が行われてしまう。
ペイモンはチャーリーのスケッチブックに宿ったように見せかけ、スティーブとスケッチブックをリンクさせた。
悪魔との交信手段となったスケッチを処分しようと火にかけたアニーの目の前で、スティーブは火だるまになり、声を上げる間もなく息絶えた。

・アニー(リーの娘・ピーター、チャーリーの母)
リーの死を契機におかしくなっていく家族を繋ぎとめようと足掻いた。しかし全てはカルトの手のひらの上だった。
チャーリーとスティーブを失い、精神が崩壊した彼女は、ペイモンの操り人形と化した。壁を這ったり、キツツキ並みの頭突きで息子を追い立て、最期は空中浮遊しながら糸鋸で自らの首を切断した。

・ピーター(息子・長男)
リーの直系の男性なのでカルトに肉体を狙われていた。
アニーは、リーが息子に向ける愛情に言い知れぬ危機感を覚え、リーから遠ざけることを決断した。

相次ぐ家族の死で抑鬱されてくる。そのうち彼自身も「コッ」と舌打ちしたり、自虐行為に走ったりとしたことから、ペイモンの影に怯えるようになる。
皆が死に絶えた家で、トランス状態の母親やカルトの信者から逃れるため、屋根裏部屋から飛び降りた。打ち所が悪く、そのまま死亡する。
死体はカルトの思惑通りのペイモンが占有し、カルトに温かく迎えられた。

【対策】

paimon-seal








これがペイモンのサイン。儀式の場所に描かれていたり、信者はこれを模したものを身に着けているので、接触は回避しなければならない。
リーの血筋にある女性は全員首を落とされている。そのうえアニー、スティーブなどもペイモン降臨の場に居並んでいたので、死後も隷属させられると思われる。

この事件のカルトの罠は巧妙で、狙われたら終わりと思えるものであった。
だがペイモン阻止への動きも確認されていた。
それは、夢遊病のアニーが、寝ているチャーリーとピーターにシンナーをかけ、マッチで火をつけようとした、というエピソードである。
一見すると精神の安定を欠いた母親が、無意識的に子供を焼き殺そうとした悲しい話である。
しかし見方を変えれば、こうともとれる。
アニーは芸術家としての実力もあり、リーの企みを知らなくてもピーターを引き離そうとした直感もあった。つまりは感受性が強い。神の寵愛(ギフテッド)ということである。
夢遊病で子供を殺そうとしたのも、悪魔の存在を無意識に感知し阻止しようとしたのかもしれない。あるいは、ペイモンに対抗する何ものかの意思を受けての行動だった可能性がある。

「犠牲は恩恵のためにある」
アニーが我が子を殺すことで、継承は頓挫する。悪魔のもたらす破滅的な未来はやってこない。
当人にとっては悲劇でしかないものの、神の視座から見ればその結末は確かに、人類にとって恩恵なのだ。