マーケティング

2009年10月23日

エイサー

エイサー


ネットブックでその名を馳せたエイサー。7月〜9月の世界パソコン出荷台数でDellを抜き2位に浮上しました。

エイサーの最大の強みは決断の早さだと言われます。エイサーは生産を外部に委託して中核技術を持っていません。そのため新開発の電子部品などを使うかどうかの判断は極めて重要です。

そのスピードが早い。もし、不採用という意思決定をしても、「改善点を示して改善すると採用する」といった具合に明確にサプライヤーに示します。そのために今では世界中のサプライヤーがエイサーに新商品を持ってくるようになっています。

では、上記の仕組みをどのように構築したのか?ヒントは組織体制にありそうです。エイサーでは組織を簡素化して意思決定に関わる幹部数を最大で5人にしています。

パソコンのビジネス環境はスピードが早く競争が激しいため消費者の要求にいち早く応えていくのが鍵。そのために意思決定者を少なくしてスピードに対応しているのです。もちろん、結果についての責任は明確に取る体制が出来ています。

最近ではイタリア人をパソコン事業のCEOに使用して国際的な人事も行っています。背景は、台湾企業のマーケティングが国際化を進める上で弱みと判断し、国際的にブランディングを経験した人材を取り入れたのです。世界で戦っていくために、世界中の人材と技術、パートナーを活用しているのです。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 23:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月15日

スパークリングの戦い

CAVA


CAVA(カバ)。スペインのカタルーニャ地方ペネデス地区で生産された白、若しくは明るいピンクのスパークリングワインで、スペインのワイン法でDO (Denominacion de Origen、原産地呼称)の指定を受けているワインです(以上、Wikipedia参照)。

CAVAはワインの地下貯蔵庫を意味するラテン語に由来し、安価なスパークリングワインでは、スペインにかなう国は無い、と言われるほど評価が高いワインです。

一方、スパークリングワインと言えば、フランスのシャンパーニュ地方で生産されるワイン。これは地域ブランドを最大に活かしたブランドとして成功を収めている事例でしょう。シャンパンという名前は今ではスパークリングワインの代名詞のように語られ、このおかげでスパークリングワインが独立した1つのカテゴリとして消費者に認知されています。

さて、先ほどのCAVA。シャンパンが世の中で有名になりすぎたので、多くの人からシャンパンの模倣品のように認知されています。

では、CAVAのワインをブランディングするとしたら?どうするか?考えるべきはシャンパンのポジションと対極を取る事でしょう。つまり、シャンパンは特別な時に飲む高級なスパークリングワインです。そこで、CAVAのポジションを日常的に飲むリーゾナブルなスパークリングとして位置付けるのです。

では実際のCAVAは?ラベルにはCAVAのロゴを申し訳ない程度にしか表示していなく、むしろ生産者はCAVAである事を隠したいかの如くのブランディングを行っています。堂々とシャンパンの対極のポジションで勝負すると、もっと世の中に認知してもらえるのではないでしょうか?

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 22:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月14日

じゃんけんに倣うポジショニング

じゃんけん


じゃんけんの話です。

グーに勝つには何を出しますか?
チョキに勝つには何を出しますか?
パーに勝つには何を出しますか?

無論、グーにはパー、チョキにはグー、パーにはチョキを出すでしょう。じゃんけんで勝つための戦略は間違いなく、敵の出方を見て対応する、つまり敵の出方次第です。

これはマーケティングを考える上でも参考になるかも知れません。時に何が最良の戦略かは、敵の出方次第で変わるという事です。

しかし実際は、最善の策は1つしか存在しないがごとく考えられます。仮に敵が価格戦略を取り、価格をどんどん下げて来たとします。すると、その相手(つまり、あなた)はそれに応じてやはり価格を下げるという方法で望むでしょう。相手が取った最善の策よりも更に最善の策を!と考えるのです。

同じ戦略を敵よりも上手に実行すれば対応できる!一見、論理的ですが本当でしょうか?確かにヨットの首位の戦略は二番手が取った行動をまねている限り、抜かれる事はありません。

しかしマーケティングの発想は違います。敵が価格を下げたら、上げる事はできないだろうか?と発想します。つまり、じゃんけんの手の大局を考えるのです。

例えば、米国ではマクドナルドは子供むけの場所!という位置づけが定着していたとします。特に2歳時から6歳児の場所です。ドナルド、ハッピーセット、ブランコやら滑り台。米国のマクドナルドは遊園地のような演出をしている店舗が実に多いです。

では、2位のバーガーキングはどのようなポジションを取ると良かったでしょうか?例えば、じゃんけんに倣えば、大きくなったら行くお店、です。つまり、ハッピーセットを卒業したらバーガーキングに行こう!というポジションを取るのです。

しかし、実際のバーガーキングはマクドナルドの戦略を踏襲しました。マクドナルドよりも遊び場を広く取り、お子様向けのメニューの改善を図りました。敵が取った策は最善の策だ、それならば更に最善の策を繰り広げよう!という発想でした。

結果、何が起こったのか?バーガーキングのトップが何人も交代したことを見れば明らかです。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 22:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月11日

売上から利益に

Mc
『当社は今後数年でさらなる拡大を目指します!』

成熟社会の世の中であっても、大企業と言われる殆どの企業が上記のような方針を経営者の挨拶の中で話しています。成長によってあらゆる問題を解決する事が目的でしょう。

大胆な目標設定には否定しません、悪くない行動です。しかし、成熟経済の中、人口の増加や物価の上昇による収益の微増を除けば、永遠に成長を進める事は現実的ではありません。企業や事業、商品やサービスにはライフサイクルが存在します。市場に初めて姿を現した時は、それこそものすごい勢いで成長を続けるでしょうが、成熟してしまえばその成長はあったとしても僅かです。

それでは何を目指すべきか?ひとつは売上から利益にフォーカスを絞るべきです。例えば、アル・ライズ氏の論文にアメリカのマクドナルドの事例が載っていましたので、この数字を基に考えてみます。

拡大か?縮小か?

以下、マクドナルドの米国での1店舗当たりの売上です。

2007年 13862店 206万8000ドル(1店舗当たりの売上)
2006年 13774店 194万4100ドル
2005年 13727店 187万1700ドル
2004年 13673店 178万8100ドル
2003年 13609店 163万2600ドル
2002年 13491店 152万7300ドル
2001年 13099店 154万8200ドル
2000年 12804店 153万9200ドル
1999年 12629店 151万4400ドル
1998年 12472店 145万8500ドル

9年間での1店舗あたりの売上、この数字だけを見れば伸びているように見えます。しかしこの増加の多くは物価上昇によるものです。9年間で消費者物価指数は29%増加しています。この上昇分を差し引くと2004年頃より200万ドル(1店舗当たりの売上)で頭打ちになります。2位のバーガーキングが2007年の売上が1店舗当たり124万ドルなのでこの数字は非常に頑張っている数字です。

それでもマクドナルドは拡大を続ける戦略を取っています。現在、ハンバーガー、チーズバーガー、フライドポテトが主力メニューだった頃から、飲料を含めておよそ80種類のメニューを用意しています。この増殖は現在進行形。健康志向の流れでサラダやチキンのメニュー、スタバの成功を参考に高級コーヒー市場への参入、エスプレッソの追加と続きます。

メニューの増加は商品ごとのオペレーションが品雑になり利益を圧迫する形になるでしょう。そして最も怖いのは、マクドナルド=ハンバーガーという目的ブランドの形が崩れることです。それでもマクドナルドがハンバーガーの地位を占めているのは、圧倒的な店舗数と莫大な広告宣伝費のおかげだと思います。

では、拡大を続けないとしたら、どのような戦略が考えられるでしょうか?ポイントは1店舗当たりの売上を減らすが利益を増やす事を考えることです。仮に1店舗当たりの売上が200万ドルで頭打ちだとしたら、何を行っても限界の域に来ています。そのために、メニューを減らしハンバーガーの原点に絞りこみます。そして、絞った分、広告宣伝費を抑えます。メニューが減るので販促商品の数も減らすことが出来るでしょう。

もし、ハンバーガー意外の商品で拡大を目指すのならば、マクドナルドとは違う別ブランドを構築して第二、第三のブランドを立ち上げる方法を取った方が良いと思います。マクドナルドのノウハウやブランディング手法や業務プロセスがあれば、別ブランドの立ち上げは難しい作業ではないでしょう。

ひとつのブランドでの天井を見極めて、そのブランドを薄めることはしない。拡大のために違うカテゴリを選択するならば、同じブランドを冠せず、別ブランドを立ち上げる。成熟したブランドは、とことんまで当初からのメッセージを繰り返す。

拡大を目指すにしても、ブランドが持つ意味を考えた経営判断が必要な時代、それが成熟した社会での心得だと感じます。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 08:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月10日

アマゾンって本屋だよね。

amazon


アマゾンが日本にも普及し始めてから殆どの書籍はアマゾンで購入しています。しかし、最近、書籍を検索するときに少し手続きが増えた感じがします。その理由は、アマゾンが書籍意外の品物を同様の手法で展開しているからです。

アマゾン・コムの最初のスローガンは「地球最大の書店」でした。世界一長い川、アマゾン川をイメージするブランドとこのスローガンは悪くないと思います。しかし、最近のスローガンは、「地球最大の品ぞろえ」になっています。本意外の取扱商品を増やしているのです。スローガンから書籍を消し、ネットであらゆる商品を売ろうとしています。

この結果は、拡大思想によるものでしょうが、書籍意外に手を出している事によって、アマゾンのイメージが消費者の頭の中から薄れている事は事実でしょう。少なくとも書籍というイメージが大分薄まっています。

昨今の利益率の悪さは拡大志向の結果とも言えるかもしれません。

biznavi at 23:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2009年10月09日

航空業界の多様と一様

airplane


航空会社のサービスグレードは、ファーストクラスか、ビジネスクラスか、エコノミークラスに分かれています。そして、近年その分け方が更に細分化されていますが、そろそろ見直す必要はないでしょうか?

殆どの航空会社が二兎を追っています、というか沢山の兎を追っています。実際多くの航空会社は様々なグレードのサービスを提供しています。例えば良く利用しているJALは、国内線では普通席、クラスJ、ファーストクラスがあります。そして国際線では、エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、エグゼクティブクラス、ファーストクラスがあります。

クラスJは普通運賃に1000円を追加するだけで広めのシート、茶菓が付いてきます。1000円ぽっきりでちょいと良いシートに乗れるというのは一般客には受けており、空席待ちになるほどの人気ぶりです。しかし一方では、JALから政治家や芸能人や著名人や経営者や会社役員が減ったというのも事実です。このような顧客は間違いなくJALにとっては優良顧客であったはず、しかしその殆どはANAにシフトしました。理由は、私たちの乗る飛行機じゃないよね、と思ったのです。

一方、ANAはJALのクラスJに対抗することなく、よりセレブ感を演出したスーパーシートプレミアムで勝負しています。こちらはプラス5000円で豪華弁当と高級茶菓、それにビールやワインなどのアルコールとゆったり専用シート。更に専用セキュリティーや優先搭乗などの空港サービスが付帯します。

JALは、あらゆる方にサービスを提供するスタイルを取った結果、比較的富裕クラスから拒絶されてしまいました。クラスJは中長期的に見ると中途半端なポジショニングだと感じます。座席面積が30%増でわずか1000円アップ。経営再建中のJALに取って自らの首を絞めているようなプライシングにも疑問です。

またクラスJ導入による座席減少を補うためにB777の普通席の快適性を落とすなどのマイナス面もあるため、クラスJが満席であってもJALに取っては好調とは言えないのでは?と感じます。そして経営者は更にB737-400やMD90にもクラスJを展開使用としています。

うーん、クラスJは誰に向けてのサービス向上を狙っているのでしょうか?

富裕層という言葉が数年前からはやっていますが、もし富裕層にターゲットを充てているのであれば大きな過ちと言えるでしょう。

クラスJのサービスに響いた顧客は、わずか1000円で快適に過ごせるなら、といったこれまで普通席を利用していた顧客層です。上述のようにJALから、優良顧客(富裕層の可能性高い)が逃げて行った理由も、同じ席には座りたくないのよ!なんて心理的な作用が働いているのでしょう。

アメリカのサウスウェスト航空はターゲットをビジネス客に絞っています。従って航路もビジネスに重要な路線で観光地には飛びません。座席は全てエコノミーでファーストクラスやビジネスクラスもありません。航路も国内線に限り、国際線は飛ばしていません。

そしてターゲットを絞っているので機内食無し、あってもピーナッツだけ、ペットは不可、予約時の座席予約も無し、他社便に対しての荷物の移動サービスもしない、割引チケットの発売も無し、と徹底しています。

更に、オペレーションを効率的にするために1タイプの機種を使用し全便を運航できるようにしています。他の航空会社は機種が数種類あるために、メンテナンスの方法や機種の柔軟な入れ替えが出来ません。一兎を追うことで業務の質を高めているのです。

経営者として全てを追う選択は昨今、多くの過ちとして結果を残しているのも事実です。しかし、多くの経営者はその選択の過ちではなくその選択を行っているオペレーションの過ちだと言っています。

それでも沢山の兎を追い続けますか?

biznavi at 09:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月08日

二兎を追う者、一兎も得ず

rabit


「二兎を追う者、一兎も得ず」

この格言を残した方はマーケターですね!成長のために必要な事は拡大ではなく、売上より利益を残す、ブランドの拡大ではなくブランドの縮小を目指す、に通じるものがあるからです。

例えばノキアとモトローラは正反対の道をたどりました。ノキアは世界一の携帯電話メーカーになる以前は、ゴム靴やタイヤ製造、ケーブルや電子機器の製造、通信会社やカラーテレビなどの会社を積極的にM&Aして拡大路線を広げていました。しかし1990年代に方針を180度転換して携帯電話事業意外の一切のビジネスを売却して縮小路線をとりました。一兎を負う態勢を構築したのです。

モトローラは自動車用ラジオメーカーとしてスタートします。その後様々な分野に進出します。ポケベル、半導体、家庭用通信端末、ケーブルモデム。自動車用電子部品、通信機器などです。モトローラは何を隠そう携帯電話においてはファーストムーバーです。世界に先駆けて一般向けの携帯端末を世の中に売り出しました。しかし事業としては一兎に絞ることをせず、沢山の兎を追いかけたのです。

1995年、モトローラは自らを次のように表現しています、「無線通信と半導体のほか、先進の電子システム、電子部品、電子サービスの世界一の供給者。各種機器の事業では、携帯電話端末、双方向ラジオ、ポケットベル、データ通信、パーソナル通信、自動車用・防衛用・宇宙用電子機器・コンピューターなどを手掛ける」と。

この活動は2000年頃まで続き、積極的にM&Aで兎を追いかけます。結局スリム化を図ったのは2004年からで、次々と事業を整理しました。携帯電話の事業を分社化したのは首位をノキアに取られて実に20年近くたってからです。

これが経営の数字にどのようなインパクトを与えたか?

■過去10年の売上
ノキア:3701億ドル
モトローラ:3293億ドル

■過去10年の純利益と利益率
ノキア:440億ドル 11.9%
モトローラ:54億ドル 1.66%

会社の成功は売上よりもどれだけ稼いだかで見たら、上記の差は歴然ですね。ノキアとモトローラ。一兎を追うか、複数の兎を追うか。ブランドを縮小するか、ブランドを拡大するか。

マーケターの発想は一兎の兎です。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 20:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月07日

経営者VSマーケター

VS


百貨店でも1万円を切る!このような見出しで記事に出ていた内容は、紳士スーツの安売り企画。理由は単純明快だ。昨年12月から続く販売不振にたいして、特効薬を打つべく価格の安さで勝負して短期的な売上を確保しようというもの。

特売価格を用意しなければ消費者の購買意欲を取り戻せない!このような議論が百貨店の経営会議で議論されている光景が目に浮かぶ。

しかし、マーケターの観点から見たら、この行為はあるまじきもの。恐らく中期的にこの行為が自身の首を絞めることになるでしょう。

ポイントはポジショニング、つまり、百貨店のイメージをお客様にどう捉えて欲しいのか?があやふやなまま策を進めているとこです。字のごとく、あらゆる商品をあらゆる価格で提供します!ですか?もし、まじめに真剣にこのような考えで捉えているのであれば、百貨店の凋落は間もなくでしょう。だって、そんなところ誰が行きたいですか?

私は、少なくとも高級志向よ!という人に対しては、、1万円でスーツを売るような場所は、なんだか私にあわないわぁ。という否定的な印象を与えることでしょう。そして、1万円のスーツを求めて買いに来るお客様は、はじめから紳士服大手のはるやまや青山と比較購買をするでしょう。

世の中、ファストファッションは確かに波に乗っている。そこに百貨店が乗りだしたらどうだろうか?ファストファッションを提供している企業は、自社で企画して生産から販売までを手掛けるビジネスモデル(SPA)を構築している。そしてかつ、そこでも利益を得るモデルを長い間かけて構築している。百貨店はどうか?間に様々なプレーヤーがいて、利幅が薄いモデルになっている。低価格指向のお客様に響いたところで継続的に安い商品を提供できる体力がなければ、結局大手の紳士服やSPAの規模の経済に負ける事でしょう。

結果、誰にでもは、誰からも支持を受けることなく数字がどんどん悪くなる。目に見える結末のようです。

これらの大きな問題の1つの仮説ですが、経営陣がマーケティングの発想を持っていない事にあるのではないでしょうか?経営者は事業の拡大を常に考える余りに、あれもこれもと策を打ちます。確かに、低価格の商品を企画するとそこにスイッチャーと呼ばれる価格に敏感なお客様が集まり瞬間的には売上は伸びるかもしれません。しかし、これをやってしまうとこれまで培ってきたお客様のイメージが一気に損なわれます。

対してマーケターは的を絞ることからスタートします。自社の顧客ターゲットを考えたら、百貨店が激安という文字をいかなる媒体にも載せるべきではない!と反応するでしょう。顧客のイメージに合わせて自社のサービスを限定して特化してこそ、これまでサービスを提供してきた顧客から指示を得られ続けるのです。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 17:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月06日

利き脳どっち?

brain-map


皆さんはどちらの傾向が強いですか?

情報を処理する時。
1)言語で物事を考える癖があり、直列的に情報を処理する。考え方は常に直線的で秩序立っている。
2)視覚的なイメージで物事を捉え、並列的に情報を処理する。考えるときは常に全体を見ることが出来る。

意思決定をする時。
1)判断を下す時、事実や数字や市場の動向など、調査結果による裏付けを得たいと考える。決算情報や株価で手腕を評価される世界に身を置いている傾向が強い。
2)根拠となる材料が乏しくても、直観で判断を下したりする。創造性を求められる世界に身を置いている傾向が強い。

スピーチをする時。
1)演壇の後ろに立ち、あらかじめ用意された原稿を基にスピーチを行う。PPTなどのプレゼンツールを見ても視覚的な表現よりも言語的な表現が多い。常に言葉を用いた説明を行う。
2)スクリーンの前に立ち、時には動きながら、図や絵を使いながら話をする。PPTなどのプレゼンンツールでは視覚的な訴求が多く、その資料を見ながらイメージを言葉に置き換えるように説明を行う。

読んでいて、途中で推測が付いたように、前者1)は左の脳が果たす役割を、後者2)は右の脳が果たす役割をコメントしています。

近年、fMRIなどの医療機器の発達によって脳の機能が証明されつつあります。そしてこれの分野の研究結果を経営やマーケティングに利用している企業がたくさん出てきています。

事実、マーケティングの世界ではニューロマーケティング(脳科学的アプローチをベースにしたマーケティング)は非常に重要な役割を占めています。

大切な事は、自分の傾向を知り、その特徴を理解する。そのうえで、発想や意思決定の仕方を整理して、自分だけでは足りない場合、違った種類の脳を活用する事でしょう。

人の脳、これも立派な経営資源です!

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 10:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月03日

価格低下という選択肢

price down


ビジネスモデルが大きく変化しています。プライベートブランド(PB)やネットの普及によって企業の利益構造が大きく変化しコストリーダーシップ戦略を追求した価格の覇者が次々に後を絶ちません。

例えば、缶飲料は価格競争がとても激しいジャンルのひとつです。今年の夏にはイオンが大手ディスカウントストア(DS)に対抗する形で29円の350ml飲料を発売しています。するとDS大手のトライアルは一部店舗で即25円まで価格がを下げるなど、規模の経済を手にした企業しか太刀打ちできない規模での競争が広がっています。

食品や日常品を含むPBの市場規模は2007年度で1.8兆円、現在では2兆円規模まで拡大していると言われます。

PBの普及は食品だけにとどまりません。ユニクロの更に廉価ブランドであるジーユーは990円でジーンズを展開しました。ジーユーの価格コンセプトはユニクロの2/3程度でしたが、今後は展開する商品の8割を半値まで下げる価格戦略を打ち出し実現しています。

ジーユーの価格に引っ張られるようにダイエーなどの量販店でもジーンズの価格が低下し、880円〜980円の価格帯の商品が投入されるようになりました。

大分が本拠地のジョイフル。業界最安値の299円のハンバーグを発表して競合を同業者のファミレスからコンビニやスーパーの中食を意識した価格戦略を展開しています。

DVDのレンタルもワンコインの100円レンタルが徐々に普及しつつあります。TUTAYAが大きなシェアを持ち、旧作の1週間の相場が200円〜300円程度だったのが、業界2位のゲオが期間限定で値下げを試みたところ利用客が急増し、期間を延長する意思決定を行っています。

さて、この価格の異常なまでの競争、ネットの影響は無視できないでしょう。例えば家電やパソコンを買う場合、まず、どのような行動をとりますか?多くの方は価格コムなどの比較サイトであらかじめ価格を帯を把握するのではないでしょうか?

この消費者行動の変化が瞬時に全国の価格を低下する方向に引っ張っているのです。更にこの行動は店頭で欲しい品物を見つけた時、スマートフォンを使ってその場で価格比較を行う消費者も出現するほどです。

差別化が取りにくい商品。評価基準は価格のみの選択となってしまいます。しかし、そこまでして価格を下げ続けても最後に生き残るのは体力のある企業のみ。価格が安い事は悪いことではありませんが、この影響は固定費を下げる活動につながりますので、結果的に海外に雇用を求めるようになり、1円でも安い価格を求めているその本人にしわ寄せが来る日がやってくるかもしれません。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 18:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月02日

1日に5000万人!

1日に約5000万人のお客様。さて、何の数字だと思いますか?

5000万


楽天の会員人数?確かに今年の2月に5000万人を突破しました。
新型インフルエンザワクチンの輸入に充てられる数?確かに、5000万人分を輸入すると厚生労働省の発表にありましたね。
名古屋ドームの累計入場者数?これも今年の8月15日に5000万人を突破しました。
京都市に年間訪れる観光客?確かに、京都市は観光客5000万人構想を打ち出し。毎年3800万人程度の観光客だった人数を市全体が一致団結して達成しました。

でも、数字は1日に5000万人です。

実は日本コカ・コーラの製品を購入する顧客の人数です。内訳は自動販売機で毎日約2000万人、スーパーやコンビニで購入する人数が約1600万人、マクドナルドなどのファーストフードで購入される人数が約900万人、その他の消費形態を合わせると実に1日に5000万人の顧客が日本コカ・コーラの商品を購入していることになるそうです。

超すごいですね!

楽天がこれまで集めた会員人数、インフルエンザのワクチンとして国が緊急輸入する人数分相当、京都市に1年かけて訪問する延べの観光客と匹敵する人数を、僅か1日で、しかも毎日継続しているのですから、この数字がいかに驚異的であるかが分かります。

日本の人口が約1億3000万人ですのでやはり1日5000万人は圧倒です。そんな日本コカ・コーラは社員僅か550名の会社です(もちろんボトラー各社を換算すると日本では約2万3000人の人が関わってくることになります)。驚異的なシステムを構築するために、550人の精鋭たちはマーケティングという機能に特化して仕事をしているのです。

biznavi at 23:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年10月01日

ペネトレーション×フリークエンシー

売上を上げるために取るべき極めてシンプルな戦略は?おそらく、ペネトレーションとフリークエンシーだと思います。

coke
ペネトレーションは、マーケティング用語でいう商品の浸透率です。例えば、100人の顧客ターゲットがいて30%の方がある商品を常用しているとします。これを50%まで拡大しよう!という戦略がペネトレーションです。そのためには、まずは商品の認知を高めよう!とか試用れべるの経験数をとにかく増やそう!とか様々な戦略オプションが考えられます。

フリークエンシーは、頻度の事です。30%の顧客ターゲットが月に1回ある商品を利用しているならば、その使用頻度を増やす事です。そして考えるべき戦略オプションは頻度を増やすためには何をするのか?という事です。

売上は、ペネトレーションとフリークエンシーの掛け算によって消費頻度を上げてもらう、それによって増大を目指すというシンプルな戦略です。

世界で最もブランド価値が高いとされるコカ・コーラのマーケティングは、上述したシンプルな戦略に基づいて行われています。例えばお茶のような商品はペネトレーションを高める事を意識したマーケティング活動が行われてきました。コカ・コーラの場合は、いかにフリークエンシーを多くするかにフォーカスされています。

極めてシンプルな戦略ですが、戦略の軸が明確だからこそ資源を集中してぶれないマーケティング活動が提供できるのです。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 23:38|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2009年09月17日

ライン拡張の罠

シーソーは、片方に人が乗れば、片方が上がります。一方を押せば、一方が沈む。ゼロサムゲームの中では、片方がシェアを奪えば片方がシェアを失います。人の気持ちも、何かを優先すると、片方を失う場合がありますね。

ブランドを付けるときに、タダ乗りには注意!という言い回しがあります。まさに、シーソーの原則です。

例えば、かつて、ハインツと言えばピクルスでした。えっ?と思う方も多いと思います。ハインツはピクルスの会社というポジションを得て業界最大のシェアを誇っていました。その後、ラインを展開する際にケチャップにもハインツを冠したのです。そして今ではハインツと言えばケチャップというのが専ら消費者の頭にある印象でしょう。物語は続きます。シーソーのように片方が上がれば片方が沈みます。業界でシェアを取っていたピクルスの売り上げは低迷して、ピクルスの印象が薄れていったのです。

ポジショニングの観点から考えると、1つブランドを2つ以上の商品に使いこなすと、消費者の頭の中で混乱を招き、結果、そのブランドの力が衰えていくと考えられます。あたかも宇宙空間に存在する惑星が膨張を繰り返しながらいつしか光を失い滅びていくかのようです。ラインを拡張する事で、急激にはブランドの力は弱まらないでしょうが、時間をかけて目に見えない速度で徐々に力を失います。急速に力を失う事が分かれば、手を打つのが早いでしょうが、時間がかかるからこそ、判断が鈍るのです。そして、多くのライン拡張の場合、気付くのが遅かった、という結果になります。

ブランドはあたかも輪ゴムのように考える事が出来ます。伸びるけれども限界があるということです。期待と裏腹に引き延ばすほどに弱くなるのです。どこまでブランドを拡張するのか?経済性を考えるとともに、ブランドの力を考える判断力が必要です。

デルモンテは、果物と野菜の缶詰に同じブランドを冠して販売していました。そこに1種類の果物に絞った商品が登場します。パイナップル缶のドールです。結末は?もちろん、ドールのパイナップルは、またたく間に業界トップに躍り出る事になります。ここでも物語は続きます。気分を良くしたのでしょう。ドールは次に生のバナナにドールを冠しました。するとどうでしょう。ドールのバナナのイメージは消費者の頭にこびりつきましたが、それが故にパイナップルにシーソーの法則が適用されたのです。

では、ライン拡張は誤った選択か?結論は否です。恐らく、誤りではありませんが、多くのトラップが待っています。つまり、罠なのです。ライン拡張を積極的に行う場合、他の競合がブランディングに長けてい無かったり、市場の規模がそれほど大きくない場合、若しくは競合するライバルがいない、ポジショニングを気にしていない、プロモーションミックスを諦めている、場合は有効に働くでしょう。

しかし、一方の商品をブランディングしながら、他方の商品を同じブランドを冠している場合、ブランドが浸透する頃に、せっかく築いたポジションが失われていく結果になるかもしれません。ここはブランドが浸透するには時間がある程度かかる事を考えて、少し気の長い戦略が必要なのかもしれません。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 09:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月15日

ポジショニングって?

マーケティング戦略の中でもダイナミックな活動がポジショニングです。ポジショニングは、その名の通り位置付ける活動で、消費者の頭の中に商品(製品・サービス)を位置付けます。

情報化社会が到来して、情報が氾濫している中、消費者は自身の頭の中に位置付けされた商品を求めます。現実は目の前にあるものではなく、消費者の頭の中でイメージされた事が現実と捉えられます。従って、ポジショニングの手法は消費者の頭の中にあるイメージを操作し、それを商品に結び付けることです。誰の頭にも無いような奇抜な発想やイメージを結び付ける事とは違ってきます。

ポジショニングを確立するための方法で最も簡単な方法があります。1番乗りになる事です。早いもの勝ち、言ったもん勝ちに聞こえますが、効果は抜群です。簡単に証明してみましょう。

例えば、世界で一番高い山は?世界で一番長い川は?世界で初めて月面を歩いた人は?では、世界で二番目に高い山は?世界で二番目に長い川は?世界で二番目に月面を歩いた人は?ね、一番になれば頭の中にこびりついて離れないでしょ?

ポジショニングを確立するためには消費者の頭の中に消えないメッセージをたたきこむ。そのため、初めに考える事はマーケティングのシナリオでもなく、素晴らしい商品でもなく、消費者の頭の中を考えましょう。消費者の頭の中がピュアでまっさらな状態であれば、一番のポジションを提供しやすくなります。

しかし、世の中一番になるのは難しい!というコメントが聞こえてきそうです。その時はどうするのか?ひとつのアプローチとしてはお山の大将になる事です。消費者の頭の中に既に一番手の商品がポジショニングされていたら、二番手である商品を消費者の頭の中にもぐりこませる事は難しいでしょう。先ほどの世界一の質問で考えたように、二番手は記憶される事が少ないからです。

そのためにまずお山の大将になりましょう。鶏口となるも牛後となるなかれ、小さな山の大将になって、それから山を大きくするといいのです。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 19:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月06日

M&Aと保有効果

車でもなんでも、人が一度何かを所有すると、ほかの人よりその所有物を高く評価する傾向があります。これらの概念はダニエル・カーネマンシ氏の論文の中で保有効果として論じられています。

M&Aを行う際も保有効果が働きます。つまり、買い手よりも売り手がどうしても高く会社や事業を評価するのです。自分で育ててきた会社なので、他人の手に渡す段階で市場価格よりも高く評価してしまうのです(自分で育てるという意味ではイケア効果と捉えても良いですね)。

M&Aの価格算定方法は様々にありますが、最も重要なのが買い手と売り手が合理的に納得できる価格であることです。そのため、保有効果に関する論文は非常に参考になります。

保有効果には3つの不合理な特性があります。1つ目は、自分が既に持っている所有物に自然と惚れ込んでしまうことです。自分の会社を売るとしましょう。M&aのブローカーを通じて買い手を見つけました。しかし、その瞬間くらいから、その会社で過ごした時期や思い出を振り返る事でしょう。そして、素晴らしい思い出に浸っている時に価格を提示され、安すぎるのでは?と思うかもしれません。

2つ目は、手に入るものよりも失うモノに注目する事です。会社を売買する時も、会社を失うという事実に注目するかもしれません。失う事に対する感情の方が得られる金銭的価値よりも相対的に大きく評価されるのです(損失回避を参照)。

3つ目は、他の人が取引を行う際、自分と同じくらい素晴らしいモノを手に入れる!と勝手に思ってしまうことです。会社の買い手が自分が売る会社に対して、同じくらいの感情を持つと勝手に勘違いするのです。しかし、実際にに購入する側は、会社の負の面に目がいき、感情的な余韻などまったくもって無関心なのです。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 21:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月04日

社会規範と市場規範

価値の判断において社会的な規範と市場的な規範の2つの立場があると考える事ができます。社会的な規範は、友達同士の頼み事やボランティアなどです。市場的な規範は、仕事のように対価の一つとして始めから金銭を求めているものです。

例えば近所の地区でボランティアによる清掃活動があったとします。多くの人はボランティア精神にのっとり清掃活動を行うでしょう。しかし、もしこの清掃活動に対して地区から一人500円を支払いますよ!という提案があったとしたら、多くのボランティアが参加しなくなるでしょう。500円の価値を提示された段階で価値の判断が社会規範から市場規範に移るからです。市場規範に価値判断が移れば、1時間の清掃活動で500円は割に合わない!と判断し、結果、参加を拒否するようになるからです。

ボンド大学の卒業生のネットワークも社会規範が適用されています。卒業生のネットワークをつなぐためにメーリングリストが作られています。このメーリングリストは様々な活動に使われています。その中で、経営に関する相談も多々あります。ある人が現状の経営課題や問題点を綴り、それに対してのアドバイスを求めます。2時間から3時間もすると、多くの卒業生がその内容に対してレスポンスを行います。もちろん一切の金銭的要求はありません。中には、その世界のプロモいますが全員が社会的な規範に基づいて行動をするのです。

もし、ここに1回のアドバイスに対して1000円を支払いますよ!となった場合、恐らくレスポンスの数が急激に減少するでしょう。1000円の価値を提示された時点で市場規範となり、普段の自分たちが稼いでいるサラリーと比較し、同等の仕事として捉えるようになるからです。結果、これに対してアドバイスをしてもペイしない!と判断するでしょう。

全米退職者協会は複数の弁護士に対して困窮した退職者の相談に乗ってくれる弁護士を求めました。そして、1時間あたり30ドル程度の低価格の対価を提示したのです。結果、声をかけた弁護士の全てから断られました。ところが、今度はボランティアで相談に乗ってくれないか?と募集をしたところ圧倒的に多数の弁護士から引き受けると回答を得たといいます。

始めの提案は市場規範を適用したため、1時間あたり30ドルではとてもペイしない!と判断したのです。ところが後の提案は始めから社会規範による価値基準であったため取り組みに賛同した弁護士はボランティアでも協力すると意思表示をしたのでしょう。

世の中をうまく渡って行く場合、社会規範と市場規範を別々に使い分ける事でかなり人生をハッピーに過ごすことができるかもしれないですね。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 23:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月03日

無料の魔力

ご好評につき、「プレミアムローストコーヒー」1杯無料提供キャンペーンを午後6時〜7時に実施!関東圏(8/28〜9/3)・全国(9/11〜17)にて展開。

上記はマクドナルドのプレミアムローストコーヒーのキャンペーンです。プレスリリースによると、マクドナルドのコーヒーSサイズを無料でふるまうという何とも太っ腹なキャンペーンです。

しかし、昔から言います。タダより高いものは無いと!そこで少し考えてみました。無料になる前の価格は1杯100円(〜120円)のコーヒーです。そのためマクドナルドから得られる価値は暫定的に100円とします。

仮に、このキャンペーンを目的にマクドナルドに足を運んだとしましょう。コーヒー下さい!といえば100円分の価値を無料で得られる事が出来ます。しかし、物理的に移動しなければならないので、そこにはコストが生じています。例えば、マクドナルドがすぐ近くにあるわけではありません。そこに行くまでの移動コストや時間を消費するかもしれません。このコストは100円以上の価値がある場合もありますね。これは決して合理的ではありません。

また、人によってはコーヒーを一杯だけもらうのはなんとなく気恥ずかしいかもしれません。ついついハンバーガーを一個注文するかも知れません。まさに思うつぼ。

また普段、マクドナルドでコーヒーを飲まない方がこれをきっかけに飲むようになるかもしれません。マクドナルドは僅か100円のコストで生涯飲み続ける顧客を獲得するかもしれません。

無料!とつけば思わずもらいたくなる。コーヒーが本当に飲みたい分けではないのに、ついつい頼んでしまう。無料のチカラ、何故にこんなに人の心をそそるのでしょうか?人は無料!となると、実に不合理な判断を取るものです。

アマゾンは、一定額以上の書籍を購入すると送料を無料にするサービスを開始して売り上げを増大する事に成功しました。例えば日本では1500円以上の注文で無料になります。しかし、次のようなからくりがあります。もし、1400円の本の購入を決めた人がいたら、無料にするために1000円の本を追加するかもしれません。

この時の消費者の発想は、どうせ読むから合理的な判断だよね!と自分に言い聞かせます。でも実際は、1400円の書籍と送料300円程度を払った方が経済的にはお得です。追加で買った1000円の本は本来購入を決めていなかったからです。

以前、車の広告に新車を購入したら3年間オイル交換無料!と書いたチラシを目にした事があります。これも恐ろしく魅力的に見えますが、実際には大したバリューは有りません。オイル交換を1万5千キロに1回するとして、1回にかかる費用は7000円くらいです。年間に1万5千キロ走る人は、3年間で2万1千円の費用になります。

車1台の価格に比較するとこの価格は誤差範囲ですよね。それでも3年間無料!と聞くとものすごく得をした気分になります。

マーケティングにおいて無料!はものすごいパワーを持つのです。ですから、無料!と着いたら冷静に考える事をお勧めします。

biznavi at 22:37|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

2009年09月02日

何で100円の水を買ったの?

新横浜の研修所、よく利用する自動販売機では100円の水が売れに売れています。実際、研修参加者の多くの方が100円の水を購入しています。

こちらの自動販売機、500mlで100円の水(クリスタルカイザー、以下100円の水)とその他は、500mlで130円のナショナルブランドのお茶や清涼飲料水が販売されています。

もし、100円の水が無かったら、130円のナショナルブランドのお茶や清涼飲料水は通常の価格、150円よりも安いので売れ行きが伸びると予測できます。しかし、ここに100円の水が並ぶ事によって、130円の価格が相対的に高く感じられるようになるのです。そして無意識に100円の水を購入する。これって不思議ですよね!

このことに関して、ブログ「松竹梅の価格設定」や「誘引効果(コントラスト効果)」でもコメントしています。人が購買をする時、絶対的な価値評価よりも相対的な価値評価で購入の意思決定をしているのです。

これは行動経済学でも論じられています。モノの価値は刷り込みによって変化するという仮説です。数十年前、ある動物学者は卵から孵ったばかりのガンの雛が初めて見た動く物体を母親と認識して愛着を持つ事を発見しました。そして、その動く物体が実際の母親ではなくても、継続的にその動く物体に愛着を感じ従順にしたって行くのです。つまり、一度決めたことについて貫きとおすド汚物の行動を発見したのです。この自然現象は「刷り込み」として呼ばれました。

注目すべき事実はこの刷り込み、人間の脳にも適応できるということです。これは別の言葉でアンカリングとも呼ばれます。一度、自分で決めた基準や概念からなかなか抜け出す事が出来ないのです。

例えば、はじめて購入する製品やサービスの価格は全く分からないので、初めて見た値札の価格がその人の基準となるのです。以後、その製品やサービスはその価格がベースとして、その人に判断されることになります。

100円の水が多く売れる理由を、水を買いながら考えてみました。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。



biznavi at 21:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月31日

損失回避

レンタカーを借りる時、最後の最後に車の損傷に対する責任が免除される保険を勧められます。例えば、手続きが終了してカギをちらつかせながらです。

損失やダメージという言葉を聞くと、何やら不安な事が頭をよぎります。もし、車をぶつけてしまって、損傷分を支払うのは嫌だな・・・。

しかし、普段の事を考えると、事故が起こる確率など天文学的に低い確率かもしれません。そもそも、クレジットカードで支払っていれば、カード会社が保障してくれる保険が自動的に付帯されています。また、車には自賠責保険も付いているでしょう。

それなのに損失というキーワードが頭に浮かぶと目の前の保険に加入したくなります。このことは損失回避として知られます。

何らかの損失のリスクがあった時、その損失のリスクを避けられる場合、多少の犠牲を払うことをいとわないのです。そしてその可能性のある損失がおおきれば大きいほど、人はその損失を嫌がります。そう、それが理由で不合理な判断をするのです。

例えば、次のような状況の時、どのような判断を下しますか?

【あなたは2万円をもらいました。ただし、どちらかのクジを引かなければなりません。どちらのクジを選びますか?】

1)確実に5000円を得られるクジ
2)25%の確率で2万円を得られるが、75%の確率で何も得られないクジ

この手の実験は多くの公的機関で実験されており、1)を選ぶ方が約2/3で、2)を選ぶ方が約1/3の結果になります。1)と2)の期待値を考えると、どちらも5000円なので、合理的な判断では、どちらを選んでも25,000円をもらえる!と考える事ができます。とすれば、1)と2)の結果が同等になるでしょう。

次に、別のクジを設定します。どのような判断を下しますか?

【あなたは4万円をもらいました。ただい、どちらかのクジを引かなければなりません。どちらのクジを選びますか?】

1)確実に15,000円を取られるクジ
2)75%の確率で2万円を取られるが、25%の確率で支払いを免除されるクジ

この結果は、2)を大多数の方が選択し、1)を選択する人が減少します。こちらも期待値を考えると、どちらも15,000のマイナスです。つまり、始めのクジと同様に最終的な手取りは25,000円になるクジなのです。

それなのに、前者と後者で結果が違ってくるのが分かります。得を得られる機会では臆病な選択をして、損失が見えている時は大胆になるのです。

始めのクジはもらったお金が増えるクジです。後のクジはお金が減るクジです。結果として損失に対しての姿勢が露骨に見える実験です。

何かを得る判断よりも何かを損する判断に敏感になります。そして、損失のリスクが避けられるのであれば、多少の犠牲を払うことをいとわないのです。可能性のある損失が大きれば大きいほど、人はその損失を嫌うのです。

レンタカーの保険の勧誘はこの不合理化の判断をうまくついたセールスといえますね。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 21:06|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2009年08月30日

LED照明

パナソニック、東芝、三菱電機、日立製作所、そしてNEC。これまで白熱電球や蛍光灯の市場を寡占していた大手5社です。しかし近年LEDが照明の世界にやってきたせいで業界のプレーヤーが続々新規参入を続けています。

電流を流すと白色に光る白色LEDは90年代後半から携帯のバックライトなどに使われるようになります。開発が進みLEDの輝度が増し、一般家庭の照明にも使えるようになりました。

旧来の白熱電球や蛍光灯は、ガラスを溶かし中に放電用の材料を封じ込め仕上げるため大規模な工場を必要としました。また蛍光体の量や電極の形状などにもノウハウが必要でアナログ技術を蓄積する必要もありました。そのため新規にとって極めて参入障壁が高い業界でした。

一方、LED照明は白色LEDを基盤に取り付けカバーをつければ終了です。構造も白熱電球や蛍光灯とちがい極めてシンプルです。白色LEDは日亜化学工業、シチズン電子などの国内メーカー、台湾や欧米の企業も生産量を増やしているため調達するのは容易です。

そのためLED照明はこれまでの照明業界のプレーヤーと全く違った企業が参入しています。リサイクルトナーが本業だったエコリカ。生活用品を製造しているアイリスオーヤマ。大和ハウチュで有名な大和ハウス工業

新規参入企業が多くなれば、自然と性能が向上し、かつ価格も低下するでしょう。これまでスタンダードだった照明、白熱電球や蛍光灯が地上から無くなり、LED照明がベースになる日もそう遠くなさそうですね。

早嶋聡史(はやしまさとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 21:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月29日

フレーミング効果

無人島でのサバイバル、見事生き残った方には賞金1000万円を差し上げます。ただし、過去の結果は死亡率95%です。

無人島でのサバイバル、見事生き残った方には賞金1000万円を差し上げます。ただし、過去の結果は生存確率5%です。

上記の文章は、同じ事を言っていますが、受ける印象は随分と異なると思います。表現方法や注目する概念によって読み手の判断が変わったり、受け手の印象が変化する現象、フレーミング効果と称されます。

例えば、次の例を考えてみましょう。満足度調査の結果、去年と今年、95%から97%になりました。言い換えると、満足度が2%アップした!とも表現できるし、不満足率が5%から3%にダウンした!とも表現できるし、不満足率が40%も減少した!とも表現する事ができます。

上記の例の場合も受け手の印象が表現の仕方によって、ガラリと変わりますね。この事は、プレゼンテーションやマーケティングの世界で頻繁に使われます。という事は、見せ方によってある程度消費者の心理を変えるきっかけになったり、聴衆の目を欺くことだってできるのです。

フレーミング効果をうまく意図的に活用する事も大切ですが、だますつもりが無くてもだまされた!と思う方がいるかもしれません。フレーミング効果を意識して、信頼関係を崩さない活用方法が大切ですね。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 18:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月28日

基本が大切

ブログ「ピークエンド効果」「そのサービス心から?」でもコメントしましたが、サービス業において最後の最後まで気を抜かない事が重要だと感じます。

例えば、高級レストランではテーブル毎にサーブしてくれる担当者が付きます。その方が完璧にサーブしていて、最後のコーヒーが出てくる時に間違ったモノを持ってくる。単純なミスかもしれませんが、パーフェクトを求めている顧客にとってとても印象が悪くなります。

アパレルショップで洋服を購入する時。ジャケットのサイズを確認している時に、お店の人の知識レベルが低い時。ここのお店で購入して良いのだろうか?と疑問に思うかもしれません。

逆に考えると、全てをパーフェクトにこなすというよりも、些細な基本的な事項にこそ注意を注ぐ事が重要だとおもいます。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 23:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月26日

瞬足(しゅんそく)

小学生にとって50mを速く走る、小学校のグランドを速く走れることは人気者になれる近道かもしれません。そんな小学生の心を掴んでいる商品がアキレスの瞬足です。

瞬足は03年にアキレスが投入した子供用の運動靴です。そしてそのコンセプトが小学生に響いています。靴底の左側のグリップ力を増す事でトラックのカーブをバランスよく速く走れるというのです。普段の掛けっこや運動会でも速く走れる!という夢のようなシューズは子供たちの間で口コミが広がり今や年間に500万足をも販売する大ヒット商品になっています。(※因みに、運動靴では年間100万足で大ヒットの世界、500万足は異例のヒットで有る事が伺えますね。)

ここに目をつけたのがブランドビジネスに強い伊藤忠です。伊藤忠は瞬足の靴以外のマスターライセンス権を取得しました。そして他メーカーとサブライセンス契約を交わし、ウエア、靴下、水着、自転車、一輪車、文具、弁当箱、更にはスキー用品まで瞬足のブランドを拡張するという計画です。市場は3歳から11歳の約1000万人を超える子供。3年間で150億円の総合ブランドを見込んでいます。

さて、このブランド展開はいかがなものか?瞬足のブランドメッセージは、「コーナーを速く走れる靴」でした。そして子供たちの間でもその事が明確に支持されています。したがって、走るという機能に着目するとウェアや靴下はその意図を継承する事が出来ますが、自転車や一輪車、弁当箱に至ってはブランドのイメージを継承するのにそもそも無理があるのではないでしょうか?

これに対しては、アーカーの著書「ブランド・エクイティ戦略」でブランド拡張時の留意点としてブランドネームが傷つけられる厄介な影響を注意しないといけない、と指摘しています。また、瞬足のブランドイメージを希薄してしまうことも考えられます。

瞬足のブランディング。注目ですね。


早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 20:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月24日

そのサービス、心から?

終わりよければ全て良し!昔からよく言ったものです。行動心理学で、この事に近い言葉でピークエンド効果があります。最後(エンド)に絶頂(ピーク)の感覚が得られれば、人は満足するという効果です。逆に、全体の流れが良くても最後が悪ければ、いまいちの評価が残ります。

例えば、プレゼンテーションを行っていて、うまくいかないなぁーと思っても、最後の数分に聴衆を盛り上げる事が出来たら、そのプレゼンの評価が高くなる事が多いです。大前さんも著書の中で、最後に盛り上げる事について記されています。

これに関してJALアカデミーのインストラクターが記していた言葉を思い出します。「キャビンアテンダントにとって最後の言葉がとても重要」と。

先日、鹿児島から飛行機で戻っている時の体験です。福岡空港にトラブルを抱えた緊急の機材が着陸したため閉鎖されたのです。機長によれば1時間以上は空港が閉鎖されるので、燃料を十分に積んでいない飛行機は鹿児島まで戻るとのことでした。福岡上空まで来たものの、仕方なく鹿児島に引き返すことになりました。

さて、機内は騒然とします。機長の説明の後に、フライトアテンダントがそれそれの客席を回って説明にきますが、なんとも内容の無い説明でした。状況を聴く限り、どうしようもないなぁーと思っていましたが、手際の悪さ、トラブルに対しての対応の悪さを見ていると、大丈夫かな?と心配になります。

因みに、フライトは最終便。鹿児島空港に戻るのは21時30分頃。この時間だと、通常の交通機関では福岡に戻れません。やれやれ。そうこうしているうちに着陸態勢に。フライトアテンダントの方は、何やらマニュアルを一生懸命読んでいます。緊急時の対応を確認しているのかな?

そして着陸時、いつもの通りのアナウンスが流れます。「間もなく、鹿児島空港に到着します。・・・」って、おいおい。誰も鹿児島に引き返すことなんて望んでいないのに、マニュアル通りのアナウンスはいかがなものでしょう。結局、飛行機を降りるまでマニュアルに書かれたとおりの言葉を読んで感情が感じられませんでした。

ピークエンド効果がネガティブに働いた例だと思います。サービスの良しあしは、そのサービスを失うときに初めて体感すると思います。通常は、そのサービスを受けている事を認識しませんが、これまで受けていたサービスが全く違ったものになったりすると、これまでのサービスの良しあしが分かります。

今回のようなトラブルの時は、通常よりもちょっと気のきいたサービスであったり、対応を受ける事が出来れば、顧客の満足度はぐっと高まったと感じます。しかし、結果はいまいち。これまで受けてきた対応は形式通りの無味無臭のものなの?と感じざるを得ませんでした。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。


biznavi at 09:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月23日

そのハンバーグを食べた理由

ダイナマイトハンバーグパワーランチをする事になり、近くのレストランに。入り口付近に置いてあったサインボードの「Dynamite Hamburg(ダイナマイト・ハンバーグ)」の文字が脳裏に残り、迷わず注文。

入り口のサインボードに書いていたメニューを認知(A:Attention))し、無意識のうちに記憶(M:Memory)していました。そして、メニューを渡されるや否や、そのメニューが気になります。そして、すぐにダイナマイト・ハンバーグを探して注文(T:Trial)。比較的購買関与が低い時に用いられるAMTULのモデルがそっくり当てはまっていました。

因みにダイナマイト・ハンバーグは、200g、400g、600gの3種類があります。年を考えて200gを選択。アツアツに熱された鉄板の上に俵型のハンバーグが1つ。ワイルドに切られた焼き野菜が添えられています。お店の方が、目の前で俵型のハンバーグにナイフを入れて半分に割り、切り出された面を鉄板に押しつけて、ジュージューと焼きます。ハンバーグの焼ける香りと煙が当たりに充満しています。

見た目、音、香り、味。五感を刺激するハンバーグはダイナマイトでした。因みに、価格は少々割高。原価の割には価格を載せて販売していると感じましたが、全体としてはまた、食べてみよう!というメニューでした。なかなか面白い商品ですね。

早嶋 聡史(はやしま さとし)


【ビズ・ナビへのお問い合わせ】
うーん、この集団に相談してみたい!と思って頂いた方は、お気軽にご相談下さい。
お問い合わせはこちらから。

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニーへ。
お問い合わせはこちらから。

九州で店舗M&A、小規模M&Aのご相談はビザインのストラテジックM&Aへ。
お問い合わせはこちらから。

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!
詳しくはこちらから。

biznavi at 19:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月22日

要求・アドバイスする

コーチングの基本スキルは「聴く」「承認する」「確認する」「説明する」「質問する」「要求・アドバイスする」の大きく6つに分けることができます。

今回はコーチングの6つの基本スキルの「要求・アドバイスする」についてです。
前回は要求についてみてきましたので、最後の「アドバイスする」について見てみましょう。

アドバイスする際のポイントは3つあります。

一つ目は、相手がアドバイスを求めている時にすることです。上司は、部下が求めてもいない時にアドバイスをしがちです。その場合はアドバイスではなく、余計なおせっかい、もしくは指示命令になってしまいます。

求められていない場合には、まず「アドバイスをしてもいいかな?」と聞いてみることが大事なのです。

そして2つ目のポイントは、アドバイスとは正解や答えを教えてあげることではないということです。自分の経験などの基づいた示唆や選択肢を与え、部下に自己決定してもらうことです。上司から正解や答えを与えられると部下としては、それを指示命令として受け取ってしまい、それでは、部下が育ちません。

3つ目のポイントはアドバイスの内容は部下に合わせて、理解しやすく、簡潔であることです。

こうして見ると、アドバイスするということは、キャッチボールをすることに似ていますね。

相手の準備ができないとキャッチボールはできません。デッドボールになってしまいます。相手が捕りやすいように投げないと、キャッチボールにはなりません。

今回のやってみよう:
『アドバイスする際に、キャッチボールを思い浮かべてアドバイスしよう!』


早嶋 聡史(はやしま さとし)

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニー
お問い合わせはこちらまで info@biznavi.biz

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!詳しくはこちらへ。

biznavi at 14:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月06日

ブランドの効果 〜社会〜

リコー。社会に向けてブランディング活動を行い成功している企業です。特に環境保全活動における取組は業界をまたいでB2B企業からも注目を集めています。

リコーの環境保全活動の柱は「省エネ」「省資源」「汚染防止」の3つです。これらはスローガンにとどまらず、従業員の目標管理制度にまで組み込ませています。また、取引先も巻き込み環境保全活動を実施しています。

取引先に協力してもらうためリコーは、3つの指標で取引先を評価しています。
1)省エネ・省資源への取り組み
2)危険性のある化学物質や毒性の管理
3)ISOに代表される環境マネジメントシステムの構築

これらの指標で高い評価が得られた会社はリコーとの取引において、他社よりも優位になるから、その徹底ぶりがうかがえます。

近年、企業では最低限のCSRや環境対策をクリアしなければならない状況になっています。昔はなんとなくで良かったものも、今では競争優位に立つための必要条件になっているのです。

この動きは米国で顕著に始まりました。ウォルマートを代表するような大企業において、CSR関連の対応を提案する株主が増加してきました。同様に、日本では環境問題や社会貢献に積極的に取り組むファンドなども誕生しています。

こうなると、製品やサービスの提供を通じて、自社が取り組んでいるCSRや環境対応をより一層アピールする必要が出てきます。これが社会に対してのブランディング活動そのものを活発化する背景の1つだと感じます。

biznavi at 15:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月05日

ブランドの効果 〜将来の従業員〜

ステークホルダーに対してのブランドの効果はどのようなものがあると思いますか?

企業を取り巻く方々を広くステークホルダーと称しますが、ここでは1)従業員、2)投資家、3)将来の従業員、4)社会、と位置付けます。

2)将来の従業員に対するブランドの効果
むらたせいさく君ご存知、ムラタセイサク君です。村田製作所はブランドを強化することで人材市場への働きかけに成功しています。

当時、村田製作所が自社ブランドの強化に取り組んだ背景は、バブル景気に伴う理系学生のメーカー離れがありました。メーカーが有名になることで多様な学生が興味を持つように考えたのです。

B2B企業はB2B企業と比較して業務の専門性が高いため、製品やサービスが一般消費者の目に触れにくい、あるいはもし触れても理解されにくいです。サラリーマン時代の横河電機の製品などはピシャリ当てはまります。

株主が分かりにくいように、将来の人材にとってもB2Bの事業内容は見えにくいでしょう。もし、B2B企業が何を行っているのかが分かりにくければ、就職するステージとして選択される確率もB2Cより低くなるという仮説です。

ここにムラタセイサク君の登場です。写真で分かるように彼自体が村田製作所そのものを発信しています。彼は様々なテクノロジーで構築され村田製作所が技術力の高い会社でかつ、親しみやすい会社であることをアピールしているのです。

製作所という固いイメージをロボットで払拭しながらも、技術力の訴求を継続的に行っている。素晴らしいプロモーションです。

村田製作所の広報を参照すると、広告では「メーカーであること」「強い技術志向の会社であること」「エレクトロニクス産業で活躍している会社であること」をシンプルに訴求し、同社に関する記事と広告の双方が新聞や雑誌に登場する事で、相乗効果を狙っている、とありました。

ブランディングの結果、同社は日経企業イメージ調査で会社の知名度が上がり、当初の狙いであった就職意向も順調に向上しました。

早嶋 聡史(はやしま さとし)

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニー
お問い合わせはこちらまで info@biznavi.biz

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!詳しくはこちらへ。

biznavi at 14:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月04日

ブランドの効果 〜投資家〜

ステークホルダーに対してのブランドの効果はどのようなものがあると思いますか?

企業を取り巻く方々を広くステークホルダーと称しますが、ここでは1)従業員、2)投資家、3)将来の従業員、4)社会、と位置付けます。

1)投資家に対するブランド効果です。
企業にとっての投資家は、ネット社会の到来で大きく変わったと思います。株主なのですが、短期的な投機を繰り返し、利益を出せば満足!という株主が増加しているためです。

しかしながら、こんな環境下であるこそ、企業価値という言葉が浸透していますね。その中のブランドも然りです。これは強いブランドは永続的にかつ安定的にキャッシュを生み出すとともに、事業リスクが低いからです。確固たるデータはありませんが、経験則ではこの関係に正の相関を見出すことができるでしょう。

強引に解釈するとブランドが持っている無形資産としての価値が株価の変動を抑え、結果的に資本コストを引き下げる効果があるのです。もちろん顧客に対してのブランド価値の向上が企業価値を高めていることにもつながります。

ここでB2B企業とB2C企業のブランディングについてコメントします。投資家にとって、B2B企業のブランディングとB2C企業のブランディングについては意味合いが異なるかもしれません。一般にB2B企業は社外への情報発信が少ない、もしくは下手くそなため、一部の顧客企業にしか知られていません。さらに独自技術や企業の強みをうたったところで、技術に疎い投資家には響きにくいでしょう。そのためにB2C企業以上に丁寧な投資家に対するコミュニケーション戦略がモノを言うのです。

IRにおいても、そっけなく財務情報を提示するだけではなく、キャッシュの源泉となる企業戦略やブランド戦略の記述は必須です。財務という定量的な指標に加えて、定性的な感性に訴える表現も必要でしょう。そして、世の中にどのように役に立っているのか?などの社会性などを訴求するのも良いでしょう。短期的に投機をする株主だって、ブランドのオーナーとして応援したくなる気持ちを持ってくれるかもしれません。ブランディングは投資においても重要な意思決定の要素なのです。

イヒ!でお馴染みの旭化成は2002年に社名を旭化成工業から旭化成に変更し、グローバルブランドをAsahiKASEIに定めました。タグラインにBreakthroughを導入して、企業がイノベーションカンパニーである事を宣言しています。

旭化成の一連のブランディング活動は、2004年に日本IR協議会のIR優良企業賞を受賞し、日本証券アナリスト協会の情報開示優良企業ランキングで数多く連続で科学業界部門の1位を獲得しています。ポイントは、マイナスの情報であっても積極的に投資家に開示し、説明責任を果たしているところです。

旭化成のブランディングは投資家に対しての格好の事例と言えるでしょう。


早嶋 聡史(はやしま さとし)

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニー
お問い合わせはこちらまで info@biznavi.biz

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!詳しくはこちらへ。



biznavi at 22:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月03日

ブランドの効果 〜従業員〜

ステークホルダーに対してのブランドの効果はどのようなものがあると思いますか?

企業を取り巻く方々を広くステークホルダーと称しますが、ここでは1)従業員、2)投資家、3)将来の従業員、4)社会、と位置付けます。

1)従業員に対するブランド効果です。
あえて2つの側面を見るとしたら、感情的な効果と機能的な効果に大別できます。はじめの感情的な効果ですが、ブレンド価値が高い企業で働く社員は、それ自体が喜びにつながり、組織への求心力をもたらします。

ある調査では、会社に対する忠誠心は3割程度しかない、という悲観的な結果が得られています。忠誠心が乏しければ永続的に成長を行う企業にとって負の効果です。しかし、対外的に評価されるブランドに携わる仕事についている方は、相対的に忠誠心も高くなるという結果がありました。

以前勤めていた企業の経験です。B2Bの企業なので比較的民間向けの広告が少ないのですが、清掃登山かでも有名な野口健氏のスポンサーになっていました。彼が報道されるときに、ちらりと映る会社のロゴ。なぜか社員として誇りに思えた瞬間でした。

2つめの機能的な効果です。強いブランドはそのブランドのメッセージがあります。したがって個々の従業員の行動を一つに揃える働きがあります。どのような製品やサービスを提供し、そのためにどのような行動を取り、どのような技術開発の在り方、品質の在り方を約束するのか。

ブランドが約束する内容が社員の立ち振る舞いまでを変えていくのです。まさに、ブランドによって1つの方向つけが行われるのです。

帝人は自社の事業変革推進に取り組むさなかでブランドを見直す活動で実現しました。帝人はレーヨン繊維事業のパイオニアです。そして合成繊維、化成品、医薬・医療、IT分野へと飛躍的に活動領域を広めていました。その中で積極的にM&Aも事業戦略の一つに取り入れ多角化がすすめられます。

帝人はグループ内において組織の一体感と求心力を確保するために、またグループ外にはグローバル市場での存在感を誇示するために帝人はのブランディングを推進していきます。

"Human Chemisttry, Human Solution"03年に制定されたブランドロゴとともに新しいブランドステートメントはすっかりおなじみになりましたね。

ブランディングを進める中で帝人は、ブランドブックの制作と配布、ブランドを浸透させるためのブランドミーティングの実施。グループ社員に対する積極的な広告活動。グローバルグループ企業での名刺や封筒などビジネスツールの統一など。帝人のブランディングはまず従業員から始まりました。

早嶋 聡史(はやしま さとし)

【関連サイト】
九州でマーケティングのご相談、法人営業のご相談はビズ・ナビ&カンパニー
お問い合わせはこちらまで info@biznavi.biz

【関連雑誌】
日経ビジネスアソシエのムック本、スキルアップシリーズ「できる人の実践ロジカルシンキング」(最新号) に戦略思考を担当・執筆しています!詳しくはこちらへ。

biznavi at 17:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)