彼らは食事を終えた後、フランスの「ミシュランガイド」所属だと明らかにした。ミシュランガイドはレストランの評価担当員が客を装って特定のレストランを数回訪れ、味やサービスを星の数で評価(最高は三つ星)する、世界的な権威を持つレストラン評価本だ。「尹家」のユン・ミウォル代表(56)は「まさかうちの店がミシュランガイドに選ばれるとは思いませんでした」と話す。だが、今月3日「尹家」にかかってきた1本の電話で夢は現実になった。「『尹家』がミシュランガイド掲載レストランに選ばれました」。「尹家」が二つ星レストランとして『ミシュランガイド』2014年版(東京編)に掲載されることを確認した瞬間だった。
『ミシュランガイド』2014年版(東京編)には飲食店243店が選ばれた。「尹家」のほかに韓国料理店で選ばれたのは12年版から3年連続で二つ星と評価された東京・渋谷の「モランボン」だけだ。
「尹家」は個室が4部屋、16席で広さ99平方メートルという小さな料理店だ。従業員は経営者のユンさんと息子夫婦を含め合計7人。 3800円の韓方(韓国漢方)参鶏湯(サムゲタン)定食から2万円のコース料理まで10種類以上のメニューがある。店の賃貸料が高い(月200万円)ため、今でも毎月260万円の赤字を出している。
ユンさんは28年前の1985年に日本に渡り、韓国キムチ輸入会社で品質管理を13年間担当、98年にキムチ製造会社「コンシク貿易」を設立した。2008年に韓国料理店を初めてオープンさせ、今年5月に東京・銀座に高級韓国料理店「尹家」を開店した。「尹家」はこのほど国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録が決まった韓国のキムジャン(キムチ作りと分かち合い文化)を伝える空間でもある。キムチ専門家のユンさんは今年だけで20回以上も外国人約400人を対象に「キムチ教室」を開いた。
ユンさんは「お金はご飯を食べて生きていける分だけあればいい。今は料理を通じて韓国のことを知ってもらいたい」と話す。今でも毎日料理に関する本を読み、毎週スタッフたちと一緒に新メニューのアイデア会議を開いている。1カ月の半分は韓国に戻り、良い食材を探す。今月末には慶尚南道昌原で「尹家韓国店」もオープンさせる予定だ。ユンさんは今回のミシュランガイド掲載を新たな出発と考えている。「私たち『尹家』に注がれる視線も増えるでしょうから、これからは三つ星を目指して頑張らなくては」
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