「お前たちがだらしないままだったら、議員バッジを外して戻ってくるぞ!」
 今年5月、全国のワタミグループから招集した定例の幹部会議で、創業者の渡辺美樹参院議員(54)はこう檄を飛ばしたという。

 ワタミ社員が嘆く。

「“恫喝”したつもりでしょうが、参院選では組織ぐるみで応援させておいて、あまりにも身勝手で、呆れています。戻ってくれば、現役の時以上に口うるさく指示を出すでしょうから、側近社員は戦々恐々です」

 渡辺氏は今夏も、お供を連れ、海外のワタミを視察。カンボジア、韓国、中国、台湾、フィリピンを訪れ、各国のワタミをフェイスブックでアピールしている。

「ワタミグループは2014年3月期決算で、約49億円という、上場以来初の赤字を計上しました。後を託した幹部に任せてはいられないのでしょう。ただ、原因は渡辺氏が招いた“ブラック企業批判”にあるのですが……」(ワタミ関係者)

 渡辺氏は昨年7月の参院選出馬にあたり、一切の役職を辞し、「二足のわらじは履かない」と宣言したはず。しかし、参議院議員会館の事務所は、「創業者室」の様相を呈している。

「ワタミ出身者が秘書になっており、国会内を移動する時もかばん持ちの秘書がついて回ります。桑原豊ワタミ社長は、2週間に1回程度、会館に出向いて報告を行っています。社内報の渡辺氏へのインタビューも、場所は会館でした」(同前)

 6月の株主総会では、“創業者として招かれた”という立場で総会後に講演。ワタミ社員向けビデオレターでは、総会後の誰もいなくなった会場から議員バッジを付けた渡辺氏がメッセージを送った。小誌が報じた〈365日24時間死ぬまで働け〉を意識してか、「がんばってもいいですけど、無理をしないように」と呼びかける場面も。

 では、肝心の議員活動はと言えば、

「派閥には属さず、昨年夏の参院選で初当選した34人による『三四(さんし)会』に顔は出していますが、その会合も数カ月に一度程度。党の部会では、たいてい自身の経営に照らした発言をするので、『政治と経営は違うんだぞ!』と同僚議員からヤジが飛ぶ始末。完全に孤立しています」(自民党議員)

 ただ、渡辺氏なりに溶け込む努力はしているようで、

「ワタミ系列の銀座の『銀政』の割引券を同僚議員に配っていました」(自民党議員秘書)

 政治部記者が言う。

「渡辺氏は神奈川県教育委員を務めている際、自分の意見が通らなかったため、任期途中で辞職しました。雑巾がけの新人議員を、続けられるとは思えません」

 一方、ワタミは人手不足に悩み、2014年度中に全店舗の1割にあたる60店舗の閉鎖を発表。そして、グループ傘下のTGIフライデーズ、GOHAN、炭旬などの専門業態を2017年度までに、4割程度まで拡大する方針だ。

「要は“ワタミ隠し”です。和民、わたみん家などワタミ系とはっきりわかると集客やアルバイト募集に苦労していますから」(前出・ワタミ関係者)

 さらに10月1日付で、外食、介護、物流、宅配の4社の社長を交代させる人事を発表した。

「しかし、4人をシャッフルしただけ。4社長とも外食出身でイエスマン。自ずと限界があります。渡辺氏が親衛隊を重用し、真の後継者を育ててこなかったツケが回ってきているのです」(同前)

 この会社に必要なのは、“ワタミ隠し”ではなくて、“渡辺外し”では……。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4260

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