実験記録 No.02

大阪市在住プログラマ 翻訳したり、本読んだり。

【2018年版】FreeCAD利用事例まとめ

「FreeCADってどれくらいのことができるの?」という質問をたまにもらうのでTwitterの自分のタイムラインからFreeCADの利用事例に関するものをまとめました。

一部海外の事例もありますが、基本的には日本語圏内の事例です。適宜追加します。
































FreeCAD バージョン0.17がリリース

2018年4月6日にFreeCAD バージョン0.17がリリースされました。前バージョンから2年弱ぶりのメジャーアップデートです。

さっそくインストールしてみたので FreeCAD バージョン0.17リリースノート(英語)も参照しながら変更点をまとめておきたいと思います。

「ボディー」コンテナーの追加

以前のバージョンではドキュメントの直下にスケッチやソリッドが配置されていましたが、新たに「ボディー」コンテナーが導入され、ボディー内でスケッチやソリッドの編集を行うように変わりました。

ModelTree-body
「ボディー」コンテナー

ボディー自体が座標情報を持つのでボディー間の相対位置の変更が容易になっています。さらに複数のボディーを入れられる「パーツ」コンテナーも追加されています。

バージョン0.17では標準機能としてのアセンブリワークベンチは追加されていないようですが、将来のアセンブリ機能追加に備えた変更のようです。

パートデザインワークベンチの機能追加

パートデザインワークベンチでは独自のスイープ、ロフト、ブーリアン演算などの機能が追加されています。以前であればパートワークベンチ、ドラフトワークベンチなどに移動する必要があった作業をパートデザインワークベンチ内で完結できるようになっています。

またスケッチ編集機能ではB-スプライン曲線作成、選択辺の延長、任意の正多角形の作成などが新たに追加されています。

Sketch
B-スプライン、正12角形

FEM ワークベンチの機能追加

有限要素法による構造解析ができる FEM ワークベンチではメッシャーとして新たに Gmsh が、ソルバーとして新たに Elmer が追加されています。また新たに熱機械解析を実行できるようになっています。

FEM-Solver
FEM ワークベンチのソルバーのタスクパネル

解析結果の可視化処理での断面表示などの開発も進んでいるようです。

FEM-tools-vtk
FEM ワークベンチの可視化系ツール

まだ解析そのものはできないようですが、流体解析用や静電解析用の境界条件を作成するツールが追加されているので将来は流体解析や静電解析がサポートされそうです。

TechDraw ワークベンチの追加

3次元形状から2次元図面への変換を行う場合、従来は Drawing ワークベンチを使用していましたが、これを置き換えるために TechDraw ワークベンチが追加されました。

互換性のために Drawing ワークベンチは残されていますが、今後、新規に2次元図面の作成を行う際は TechDraw ワークベンチを使用するよう公式に推奨されています

TechDraw ワークベンチでは Drawing ワークベンチと較べて寸法や注記の挿入、面のハッチングなどの操作が大幅に改善されています。

TechDraw-3D
元となる3次元形状の例

上に示すような3次元形状に対して下図のような2次元図面を作成できます。

TechDraw-2D
TechDraw ワークベンチでの2次元図面

図や寸法などの位置をドラッグ操作によって直感的に変更できます。作成した図面はSVG形式でエクスポートできます。

アドオンマネージャー機能

3rdパーティー製のアドオンのインストール管理を行うためのアドオンマネージャー機能が追加されました。[ツール]メニューの「Addon manager」から実行できます(要ネットワーク環境)。

Addon-manager
アドオンマネージャー

以前は直接ファイルを操作する必要があったため、操作ミスなどでインストールに失敗する場合もありましたが、アドオンマネージャーによってアドオンのインストール、更新、アンインストールが容易になっています。

その他

  • CAD カーネルの更新

    使用されている CAD カーネル Open Cascade のバージョンが7.2.0に更新されました。これによってブーリアン演算などでエラーが起きにくくなったとされています。

  • パス・ワークベンチの機能追加

    CNC などで使用されるGコード生成のためのパス・ワークベンチの機能が強化されました。

  • サーフェス・ワークベンチの追加

    指定された境界辺からサーフェスを生成するサーフェス・ワークベンチが追加されました。

以上です。FreeCAD バージョン0.17は GitHub の FreeCAD リリースページからダウンロード可能です。

オーウェル「ビルマの日々」と電子書籍

オーウェル「ビルマの日々」は長らく絶版になっているようでAmazonの中古でもなかなか手が出しにくい値段になっている。(現時点で)彩流社の大石訳は9949円、晶文社の宮本・土井訳に至っては18900円だ。


ビルマの日々(彩流社)


ビルマの日々(晶文社)

ところが最近気がついたのだけど宮本・土井訳はkindle版も出ていて756円で買える。2014年にグーテンベルク21から出版されたようだ。


ビルマの日々(グーテンベルク21)

「ビルマの日々」は世間の評価的にはとてつもない名作というわけでもないから(オーウェルの処女作という意味での価値はあると思うけれど)、紙での再版は経済的に成り立たないのだろうけど、こういう感じで絶版していた本が流通コストの低い電子書籍のおかげで読めるというのはすばらしいし、増えるといいと思う。

OpenFOAM 用の解析設定ウェブアプリをアップデート(ver. 0.2)

OpenFOAM 用の解析設定データを作成できるウェブアプリに機能を追加しました。

(2018/1/8 追記 : Ver. 0.2以降の更新は XSim のリリースノートに記載)

OpenFOAM 用解析設定ウェブアプリ

主な追加機能は次の通りです。

インポート可能な形状ファイル形式の追加

import
(サンプルの形状データは "Whale" CC-BY Miguelangelo Rosario)

従来の STL 形式に加えて、Wavefront obj 形式 (拡張子 .obj) と Autodesk 3DS Max 形式 (拡張子 .3ds) のファイルのインポートが可能になりました。これによって Google Poly などからダウンロードした形状データを直接インポートできるようになりました。

熱流体解析への対応

Heat

熱流体解析用データを作成できるようになりました。「基本設定」ページで「熱」をチェックすることで熱流体解析用の設定データを作成できます。

物性値ライブラリー機能の追加

property

「物性」ページに物性値ライブラリー機能を追加しました。「物性名」の横のアイコンをクリックし、リストから選択することで簡単に物性値を切り替えることができます。

今のところ選択できる物性は空気と水のみですが、将来的にはさらに物性を追加していきたいと考えています。

初期条件の設定機能の追加

initial

「初期条件」ページで初期条件を明示的に設定できるようになりました。設定を行わない場合は従来通り、あらかじめ用意されたデフォルト値が設定されます。

並列設定機能の追加

parallel

「計算設定」ページでメッシュ作成・流体計算を行う際の並列数を設定できるようになりました。

以上ですが不具合、フィードバックなどあれば下のコメント欄か @H_Tsubota までお願いします。

OpenFOAM 用の解析設定作成ウェブアプリの公開

OpenFOAM の解析用設定データを作成できるウェブアプリを公開しました。

OpenFOAM 用解析設定作成ウェブアプリ

スクリーンショット

GUI上で解析設定を行い、そのデータを zip ファイルとしてエクスポートできます。

機能概要
  • STLでの形状インポート
  • メッシュ設定
  • 定常・非定常、乱流モデルの設定
  • 物性値の設定
  • 境界条件の設定
  • 出力設定の設定

詳しくは 機能紹介とチュートリアル を参照してください。

バージョン 0.1 ということでまだ強制流れ用の解析設定しか作成できません。機能は随時追加していく予定です。アクセス負荷などまだ未知数な点が多いので不安定になることがあるかもしれませんが、おいおい調整していきます。

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