2005年01月22日

放送番組の蓄積

 新司法試験の知的財産法の問題にしてもよいくらい、興味深い事案が発生しました。(でも、新司法試験は放送事業者の権利は範囲外なんですよね。)
 yomiuri on-lineから引用します。

―マンション用録画装置は違法、在阪民放5社が提訴―
「1週間分の番組を録画でき、好きな時間帯に視聴できるマンション用録画システムは、不特定多数の使用を目的とする複製などを禁じた著作権法に違反するとして、在阪の民放5社が、録画機器の販売会社(東京)に、販売差し止めなどを求める訴訟を21日、大阪地裁に起こした。」以下、詳細はこちら

 私的使用のための複製なら無許諾でできる(著作権法30条1項、102条1項)のですが、そこに言う私的使用とは、家庭内またはこれに準ずる限られた範囲内での使用ということになるので、集合住宅全体で一括して放送番組の蓄積をすることは、やはり著作隣接権の侵害になります。
 私は、前からこのような装置があったらいいなとは個人的には思っていましたが、いざ登場してみると法律上の問題が山積しており一朝一夕には解決しないということに気づかされます。もっとも、家庭内の情報蓄積機器の容量が増大すれば全て私的利用となって問題はクリアされますが、そうすると今度はデジタル録画機器にたいする補償金請求権を(30条2項)放送事業者にも認めるべきかという議論になっていくのだと思います。

blackgate1 at 11:01│Comments(0)TrackBack(0) 知的財産 

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