2004年12月14日
書評とか
塩の街―wish on my precious(有川 浩)
発売されたのも読んだのも結構前ですが、お気に入りなので紹介してみます。
「人が次々に塩の柱になる」というソドムとゴモラみたいな設定や、
極限状態のキャラクターの描写もさることながら、
個人的に絶賛したいのは「挿絵」です。
ストーリー終盤に、見開きを使った挿絵があるんですが……、
大事なのは絵の質(いや、悪いといってるわけじゃないですが)ではなく、
いかに文章を補完し、文章を演出し、臨場感を出すか、
という挿絵の「本質」を見せてくれます。
これほど必然性を感じられた挿絵は他に見たことがありません。
その一点だけでも、この本を手に取る価値はあると思います。