ana

あなたに見せたい絵があります。-ブリヂストン美術館開館60周年記念-
2012.3.31-6.24
ブリヂストン美術館


かれこれ2ヶ月以上も前に拝見していた本展。
なかなか書けなくて申し訳ありませんでした。
実は、3.30に、美術好きなら知らない人はいない、弐代目・青い日記帳のTakさんからのご招待で、ブロガー内覧会にお邪魔させていただいたのです。
ブログの内容は美術でなくてもよい、しばらく更新していなくても大丈夫〜、という、参加条件がとても寛容だったので、いそいそと参加しました。

始めの一時間は講義室でスライドを見ながら作品の説明をしていただき、その後内覧。あちこちに学芸員の方がいらして、質問などに答えてくださっていました。
普段はガイドツアーにでも参加しないとなかなか質問することもできないですし、とてもありがたい充実した内覧会となっていました。

作品の撮影も条件付きで許可されるということで、でも写真を撮ることばかりに夢中になるより、ちゃんとこの目で見てこなくてはと思いましたので、写真はささっと撮影する程度に留めました。

ブリヂストン美術館、なんと今年で60周年なんですね。
私はまだ数回ほどしか行ったことがないのですが、ここは、一代で会社を興した石橋正二郎氏が洋画家坂本繁二郎との出会いから青木繁(坂本、青木両氏とも久留米出身)を支援し、また若手日本人画家の支援にも力を注ぎ多くの優品を収集。戦後、明治大正期のコレクターたちが手放した海外作品を入手し、個人美術館としてスタートさせたそうです。

本展はブリヂストン財団の東京と久留米の二つの美術館からこれぞオススメ!という作品が集められ、11のテーマ別に展示されています。
1章 自画像
2章 肖像画
3章 ヌード
4章 モデル
5章 レジャー
6章 物語
7章 山
8章 川
9章 海
10章 静物
11章 現代美術

テーマ別なので時代や作風はバラバラな作品が一緒の部屋にあったりしてそれがまた面白いですね。
雪舟とセザンヌが向き合っていたり、モネの海と青木繁の海の絵の共通性を見比べたり。
カラフルな色に塗られた壁に作品が映え、また、中学生でもわかるようにと簡単な文章で書かれた説明にも好感が持てました。

人それぞれ好みに差はありますが、ブリヂストン美術館の所蔵品は、好きな作品が大変多いです。知らなかった、または苦手だと思いこんでいた時代や作家さえも、これなら好き、これは好き、と自然に美術品への視野を広げてくれるような魅力を持った作品を沢山所蔵しています。

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セザンヌ「帽子をかぶった自画像」マネ「自画像」

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ドガ「レオポール・ルヴェールの肖像」ルノワール「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」

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ルノワール「少女」

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古賀春江「自画像」

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コロー「森の中の若い女」

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ドガ「サーカスの舞台裏」

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ウジェーヌ・ブーダン「トルーヴィル近郊の浜」


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青木繁「海の幸」

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アンリ・ルソー「牧場」

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ゴッホ「モンマルトルの風車」

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ビートモンドリアン「砂丘」

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モネ「雨のベリール」

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青木繁「海景(布良の海)」

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モネ「睡蓮」「睡蓮の池」

IMGP0777
古賀春江「素朴な月夜」


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新たに収蔵品に加わった2点。
カイユボット「ピアノを弾く若い男」と、岡鹿之助の「セーヌ河畔」。
どちらも大変素晴らしい。
カイユボットは、やはり床削りの人々を見た時にぐっと引き込まれましたが、こちらは全体的な美しさ、青年の線の細さとピアノと部屋の装飾のバランスが美しいなと思いました。
岡鹿之助はとても好きな画家。アンリルソーなどあの手の素朴派には目がなく…。

過去に訪れた時に観た作品もかなりあったのですが、どれも何度観ても良いなと思う作品ばかり。リラックスしてゆっくり見て、良いもの見せてもらったな〜と心が満たされる展覧会なんじゃないかと思います。

*写真は美術館の許可を得て撮影したものです。