2009年09月10日

もう一度、逆を考える

良いか、悪いかではなく、
こういうこともあるということで。


金融関係の会社員時代のお話です。

毎月、口座から引き落としされていたお客さま。
あるとき、引き落としができませんでした。

お知らせの電話をしたところ、
暗い声ですが、
ご送金のお約束をいただきました。

ところが、ご送金はされず、
以降、電話には全然出られません。
留守電に入れても、反応は全くなし。

お仕事やご家庭の状況から見ても、
電話には気づいているハズなのですが。

結局、ご送金はなく、
翌月の引き落としもできませんでした。

そして、連絡が取れぬまま、
翌々月も…。


数ヶ月後、会社に届く破産通知…


さて、質問です。
あなたはこの方、どんな方だと思いますか?



いい加減?ルーズ?
「まったくもう、居留守ばかりでひどーい」
中にはそういう同僚もいました。


ですが、実際には、
とてもまじめな、ごく普通の方ばかりなのです。

いえ、会社でも、プライベートでも、
まじめで誠実な人として通っている方です。

約束を守ることを、とても大切だととらえ、
「破る」なんてことは、やってはいけないこと、
そう強く思っていらっしゃるようなのです。

そういう方が、種々の事情(病気その他)で、
約束の日に、支払いができないと、
強い罪悪感を感じます。

引き落としができなかっただけでも、
いけないことなのに、電話で約束した日にも、
支払えないとなると…

約束はしない方がいい、
つまり、
電話そのものに出ない方がいい。

というお気持ちになるみたいです。


そして、まじめゆえ、
「支払いをせねば」という強い思いから、
他で借り入れをし、お支払いをされる方もありました。

その繰り返しから、多重債務へと。


会社側としては、
状況が変わった方に対して、楽にお支払いができるよう
ご相談に乗りたいので、

「電話に出てくれたら、
 相談してくれたら」

と思うのですが。

こわいイメージがあるのかもしれませんね。



「まじめだったら、電話に出てもいいじゃない」

そういう考え方もあるでしょうが、
その人にとっては「できない約束をする」方が、
こわかったのでしょうね。

特にストレス下では、
いくつもの考え方を検討することは、
難しくなりますから。


この経験から、
人の行動を、自分の考え方だけで、
判断することは危険だと学びました。


人の行動に対して、
「もうひど〜い」と批判的な気分になったら、
もう一度、逆を考えることにしています。

今度は、肯定的に、できるだけ肯定的に。


そして。

今のところ、
肯定的に考える方が、
その方の本当の気持ちであることが多いようです。



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