猫作家第一人者が書く長編。あらすじはこんな感じ。


8歳の少年ピーターは車にはねられた。そのショックからか、ピーターは白い猫になってしまった。家を追い出され、人々に蹴飛ばされて泥だらけになりながら逃げ回る。猫としての生き方をまるで知らないから。
そしてジェニィというキレイな黒い猫と出会う。仲良くなる。元人間だと信じてくれる。猫としての生き方を習っていく。

そんな中、ジェニィは船でないと行けない故郷まで旅したいと考えていた。しかし字が読めないのでどの船に乗らないといけないかわからずできなかった。ピーターは読めるので、一緒に行く事にする。

船への潜入に成功する。ねずみを捕る猫は重宝された。
長旅の間、ネズミを捕りながら、猫としての仕草や行動を習った。
ジェニィが海へ落ちる惨事もあったが無事港へ着く。

グラスゴーに着いた。親戚を尋ねて回る。しかし、暮らしは辛く、猫あたりも厳しかった。犬に追われて死ぬような目にも合う。
そこでジェニィは告白する。いろいろな嫌な事を忘れるためにピーターを旅に連れ出したのだと。ここに来たのは本心じゃなかったと。本当は優しくしてくれるおじいさんの飼い猫になりたいと。

元の街へ。すると優しいおじいさんは死んでいた。和解できなかったと悲しむジェニィ。ピーターは目標を与えて力づけるため、自分の家に帰ってみたいとお願いする。
一緒に向かうが、ピーターの家はすでに引っ越していた。ジェニィの元飼い主と会う。
しかしジェニィは飼い主ではなくピーターを選んだ。

ところがピーターはシャム猫に誘惑されて三日間留守にした。振られて帰るとジェニィは消えていた。ピーターは反省して、食うや食わずでボロボロになりながら捜し求める。

始めて会った場所で再会する。
しかし喜びは長続きしない。ボス猫がジェニィに目をつけた。

ピーターはジェニィといるために、ボス猫に戦いを挑む。倒すことに成功するが、自身もまた深手を負う。ジェニィの泣き声を聞きつつ意識を失って、気がつくと病院で人間に戻っていた。傍には白と黒のぶち模様の猫がいた。終わり。


作者は猫が大好きなのだなとわかる一冊。
猫の仕草や行動が仔細に描かれている。一見意味不明に思える猫の姿態にどのような意味があったか、読んでいるうちに本当に猫がそこにいるような気になってくる。
というか、これを読めばあした、猫になっても大丈夫。猫になって生きていくためのガイドブックになっているのかもしれない。

お話としてはオーソドックス。日常から非日常へと旅立ち、また日常へと戻ってくる。
そしてずっと可愛くて聡明なジェニィに守られていたけれど、最後は守る側になる。少年から大人へ成長してる。

最後が夢落ちで終わってしまったのが残念と言えば残念。
でもまあ猫の世界と人間の世界はリンクしないから、これは仕方のない終わりなのかもしれないけれど。


それにしてもまあ、よくこれだけ人間じゃなく猫を書き分けてるな、と感心した。何匹も出てくるそれぞれが本当に猫っぽい。猫キャラたちが、人間のように思考しているのではなく、猫として考えて行動してる気がする。

ジェニィが理想的な女性像かどうかはわからないけれど、魅力的な猫ではありました。
猫が嫌いな人には読めない本かも知れない。それぐらい猫猫しい本でした。


終わり。