横濱ジャズプロムナードの演奏、終了。体をわずらってから、こういうスタンダード系のジャズの演奏をするのは久しぶりである。だから、ゲストを入れずに若いレギュラートリオで演奏した。今度またいつステージで演奏できるかわからないので、たっぷりとオルガンを聴いてほしくてこういう編成もありだった。場所は初めてのホール、まあ中ホールかな。非常に美しいホールであった。お客さんは超満員。優しくて地元愛がただようステージであったように思う。アメージング・グレースを弾きながらいろいろな話しをしたが、皆、良く聴いてくれる素晴らしいオーディエンスだ。またいつか体が良い方向に向かったらどこかのホールで演奏したいものである。とりあえず、一旦終了というか・・。永い永い間、北海道から沖縄まで、僕を応援してくれたファン、僕のレコードを買ってくれたファン、レコード会社、プロモーター、スタッフ、共演者、ハーレムの人々、全てに感謝!!ついでに僕を生んでくれた親にも感謝。またの機会が是非ともありますように!

  やっと新宿ピットインのスケジュールが出た。ずっとレギュラー的に演奏している頃は結構自動的に決まっていったが、担当の人かな?が体調が悪くなってしまって少し遅れてしまった。まあいずれにせよ、夏休み明けの9月2日(日)だ。メンバーは、トランペットに類家心平、ドラムは本田珠也。基本的にはこのバンドは僕がリーダーというわけではなく、Natural Born Killer BANDと言っていつもやっているファンキーオルガンではなく、フリーというか、即興で3人が思いつくまま音楽世界を作るという特殊なバンドである。でも、その場の気分で急にスタンダードをしたくなったらやるし、アンコールにはいつもジミー・スミスの18番チキンシャック、ブルースなどをやったりもする。まあとにかく自由なのである。体調も悪かったし、精神的にもガタが来た。だけどこうしてライブの日程が決まると猛烈にファンキーな気持ちになっている自分がいる。あまりにも長い間、いや僕の記憶のある限りプロになってから初めての長いブランクだったわけであるが、今は演奏したい!という気持ちになっているわけだ。自分を信じて、メンバーを信じて直球でぶちあがるのみ。そろそろ自宅でも練習を始めてみようか。

  昨夜、TVを見ていると40代ぐらいの若い男性が茫然としていた。3年ほど前に買った新宿の家がつぶれてさっきから何度も妻に電話しているんですがつかまらない、という。そうこうしている内に目の前で泥の中から奥さんの遺体が上がった。崩れて、泣きわめく男性。まだ子供達は見つからない、という。今までは何人亡くなった、とか雨が凄い、とか山が崩れた、という情報しかなかったが、こうして何とかさんの家族が亡くなって、という具体的な報道を見て、非常に大きなショックを受けた。今日もそうだ。まだ遺体なんか全然上がっていないのに、NHKをつけたら「人生はファッションショーだ」という番組をやっている。民法に変えると映画をやっていたり、まだNHKよりはときたま現地のニュースをやってくれているが、またNHKに戻すと今度は料理番組だ。地方から出てきて都会で暮らしている人が自分の家族や友人達のことをドキドキしながらTVをつけるのに何という様だ。全国ネットの放送はNHKしかないのに、我々の受信料で放送させているのに、何をしてるんだ!内閣は、こんな時に参議院の定数を増やす、とか、これは休止しなければいけない。許せない、と思った。

  凄いことが起こってしまった。普通、台風が起きたなんて毎年のように聞くが、今回は事情が違った。そちこちいたるところで川が氾濫したり土砂崩れが起きている。まさに地獄図。政府は「何においても命を優先して全力で取り組む」と言っているが、僕にはそうとは思えない。屋根の上で手を振って救助を求めているのに、TV画面ではたった1台のヘリで助けようとしている。島から人を助けるのに、手漕き小舟ボートだ。戦争のつもりで自衛隊の輸送機などはどうして使えないのか?死者、不明者で200人を超えるだろう。危機管理能力と良く言われるが、日大じゃあるまいし、こんなことでは他の国にもし攻められたら一瞬に終わっちゃうだろう。国民の税で放送されているNHKですら昨日から歌番組やバラエティー番組を放映している。24時間体制で災害地から放送しなくっちゃ。自分の親族がどうなったか心配で目を凝らしてTVを見ている人も山ほどいるのでは?そのくせ東京地方での小さな地震が起きた時にはtvで何度も流しているように思う。最終的に何人もの犠牲者が出て、被害者が路頭に迷うようなら、東京オリンピックなどいらない、そのお金を被災地に送って欲しいような気がする。そう思うのは僕だけだろうか。何とかして守らなければ!

いやー、凄かったー。日本のサッカーのレベルが変わった。急に新しい監督になり、召集された全日本のメンバーだったが、練習試合から本番を重ねる内にどんどん進化した。毎日のようにスターが誕生し、はた目にも自信を深めているように感じる。そういうものなんだな。チームというのは。あんなに体が大きい選手に向かって全く動じない姿は侍そのものであった。後半は、相手の反則が増えたりして、泥臭くなってしまったのもあるが、一致団結、何とか同点で試合を終えることができた。1人のスターより、チーム力、バンドと一緒だなー。1+1が3にも4にもなる。ある意味、サッカーもアートだと思い知らされた。世界中の人がサッカーを愛する気持ちが初めてわかったような気がする。
 試合後、うとうととしながら、なかなか寝れないでTVをつけていると、NHKかな、ちょっと忘れてしまったが、いきなり凄いピアノの音が聞こえてきたのだ。時間も深夜3時頃かな、疲れていたにもかかわらず、体が凍ってしまった。そのピアニストの名前は、メナヘム・プレスラー。残念ながらアンコールの1曲目であったが、今まで何度も聴いていたあのショパンのノクターン、何と言うころだろう。金縛りにあったように動けなくなってしまった。昔、チェロの大御所の古い音源を聴いた時と同じ衝撃。弦楽器に比べて僕はピアノはあまり好きではなかった。そのわけは、音が延びないからであった。音が延びないということは喜怒哀楽を表現しにくい。それに比べて弦楽器は人間の声のように歌えることができるとかたくなに信じていたから。こんなことが起きるんだなー。僕のピアノに対する概念は100%ぶっ飛んだ。恐らく慎重は160cmぐらいしかないだろうか。杖をついて1人でピアノ椅子にも座れない。そんなおじいちゃんが奏でる音は、光り輝いている。人生は素晴らしいんだ、皆で楽しく仲良く生きようよ。と語っているようである。
 僕は、少し前から新しいジャズより古いジャズ、ジャズよりブルース、ブルースよりゴスペル音楽が好きになってきた。そして、白人より黒人、と信じ込んでいた。このドイツ生まれのユダヤ人のピアニストの演奏を聴くまでは。良かった。人種の壁なんて本当に本当にないんだな。これぞソウルミュージック。ブルースなんだな。そりゃそうだね、黒人だけではない、辛い思いを悲しい思いをしたことがある人なんて。何だか嬉しくなっちゃった。この半年近く僕はほとんど楽器を奏でていない。レコードさえ聴かない暮らしをしている。神様からからの贈り物なのかな。サッカー日本代表からのプレゼントなのかな。誕生日メールを沢山の人にもらったからなのかな。生きる気力、そして、心底もう一度演奏したい、という気持ちが体から湧き出てきた。ありがとう。Mr.プレスラー!ミスター・ピアノマン!!

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