相変わらずのカタナオタクのお話しです

さて前回 1990年にスズキ70周年記念として1000台限定復刻生産されたカタナ1100の形式はGSX1100SMであると証明いたしました。
この真実、事実に異論を挟む余地などありませんが、それでは身も蓋もないので、何故そのような誤解が生まれたのかを考えてみました

まずWikipediaに誤情報を書き込まれた方の参考文献は、
示されていたパーツカタログの名前、ナンバーからこれになります。


B5サイズ横開きの比較的新しいタイプです
年号も1991-9となっています。
SLのタンクのページにアニバーサリー・ステッカーの部品番号が出ていますよ」
と言う事なのですが、
そもそも、この版はSMが統合されたあとのものですから、SMがSLに統合されたという事実を示すのみで、SMが継続生産分の機種記号であるとの証明にはなり得ません。



私が前回示したのはこちら。B6サイズです
1990年以前のスズキ・パーツカタログは、みなB6サイズで現行の半分のサイズなのです。

そして、まさに’90アニバーサリーの発売の年1990-3月の版です。
長くやっておられるバイク屋さんに行けば、この小さいパーツカタログをたくさん見る事も出来るのではないでしょうか?

この2つを見比べれば、SM→SL→SSLとなり、SMがSLに統合された流れを読み取る事が出来ます


しかしこれだけでは、誤解を生んだ事が説明できません。

自動車業界には車両識別番号があって、アメリカ仕様は「VIN」、欧州仕様は「WIN」などがあります。今は国際規格化されているようです。
その表示の中で年度記号というものがあり、
例えば、(1980)→「A」 (1981)→「B」というふううに年度記号が振り当てられています。
ただし(I、O、Q、U、Z)と数字の(0)は間違いやすいという事で用いられません。
いつからスズキが制式採用したのかは定かではありませんが、SRのパーツカタログからは表紙にエンジン記号の(GU76A)表記される様になりました。
年度記号の1990年が「L」、1991年が「M」の為 、「順番が逆だ」との思い込みから誤解を生じたのだと思います。
1983年は「D」、1984年は「E」ですし1994年は「R」、2000年は「Y」。確かにGSX1100SD、SE、SR、SYには一致します。
しかしながら、それでは、そもそもの初期型「SZ」のZは、なに?
SAE,SBE,SSLなんで間に入れる?
その他GSX1100英文マニュアル(8版 '80~'84)には、①GSX1100 ②GSX1100LT('80) ③GSX1100X('81) ④GSX1000SZ/GSX1100SZ('82) ⑤GSX1100EZ('82) ⑥GSX1000SD/GSX1100SD('83) ⑦GSX1100ED/ESD('83) ⑧GSX1100SE('84) とありますが、
②,③,④,⑤は全く一致していません

つまり、それほど厳密な運用はされていないのです

これは想像ですが、
おそらく社内型式として年度記号が利用されていたのでしょう。
「SM」も開発段階では、社内呼称は「SL」だったのかもしれない。前回も書きましたが、「1000台限定で最後だからメモリアルってコトでM」みたいな決め方なのかなと思うわけです。

SMのアニヴァーサリーのタンクシールシールのページをアップします
model Mとなっています