皆様こんにちは。(株)フューチャーワークスの片瀬/加藤です。

【インドネシアで実際に起こった不正事例】
本日のブログのテーマは「インドネシアで実際に起こった不正事例」です。皆様は「不正」と聞いた時にどのようなことを思い出すでしょうか。日本でニュースになる不正はそのほとんどが「財務諸表不正」です。不正会計・脱税など財務諸表や申告書を起因とした不正がドラスティックに報道されるために不正というと、この「財務諸表不正」思い出す方も多いのではないかと思います。

一方、海外では?

実は海外の子会社で起こっている不正の内、財務諸表不正は企業全体の8%程度という試算があります(日本公認不正検査士協会資料より)。海外では財務諸表不正よりも注意しなければならない不正があるのです。

それは「資産不正(横領)」です。

下記の図表からも分かるとおり「資産不正(横領)」にあっては小さいものまで含めると企業全体の85%程度にも上ります。今日は実際にあった「資産不正(横領)」の実際の手口を皆様にお伝えできればと思います。
 不正①
【購買担当者へのキックバックにかかる事例】
まずは次の図をご覧ください。
不正②

この「購買担当者へのキックバックにかかる不正」の問題点は、「財務諸表には現れない」というところにあります。日本で度々行われている「財務諸表不正」は、一般的に財務諸表に現れるために監査をしっかりしていれば排除できますが、この「キックバックにかかる不正」は財務諸表を見るだけでは排除することができません。

なぜか?これについては仕訳を見ると一目瞭然です。
【キックバックにかかる不正の仕訳例】
仕入    20,000/ 買掛金    20,000
仕訳はこれだけです。皆様もよくみる仕訳例だと思います。この仕入の20,000が通常価格よりはるかに高いことが問題ですが、仕訳自体に何ら変な個所はありません(証憑類も適正)。

親会社に毎月監査済みの決算書を送ってチェックをしているかと思いますが、それでも不正が排除できないのは決算書からでは不正が読み解けないという問題点を抱えているためです。監査によって確認できる不正はそのほとんどが「財務諸表不正」であることを認識しなければなりません。

そのために監査法人は監査手続以外に、「内部統制」という手続を踏むのです。この内部統制手続で作成する資料の1つである「業務フロー」を確認してみることにします(購買業務フローの一部分を抜き出して記載します)。
不正③
【POINT①について】
業務担当者(Person In Charge)と購買担当者(Purchasing)が分かれていることが大きなポイントとなります。
大企業では当たり前に分かれているものであっても中小企業においては、業務担当者が購買についても行っていることがありますので、その際は次のPOINT②において、不正が起きていないかをしっかりと確認をする必要があります。
【POINT②について】
マネージャーとダイレクターがそれぞれ承認しサインをします。しっかりとした承認ポイントを置くことが不正を防止する大きなポイントになります。
しかし、インドネシアで実際に起こったものはこれらのPOINTについても、しっかりとケアされていました。それでも不正が防げない。それは何故でしょうか。
【承認及び業務分掌をしていても不正が防げない理由】
この「購買担当者へのキックバックにかかる事例」において、キーポイントとなる部分は「承認」でも「業務分掌」でもありません。キーポイントは「価格の適正性」です。
上記の業務フローでも購買部(Purchasing)とマネージャーとダイレクターの3人を経由して(価格のチェックをして)購入しているにも関わらず、インドネシアにおけるその「モノ」の適正価格を誰も把握していませんでした。
それだけではありません。マネージャーは不正を防止するために(適正価格を把握するために)PIC(担当者)に相見積もりも取らせていました。3社の中で一番安い金額を選んだはずなのに不正が起こってしまっています。

キーポイントさえ押さえておけば、相見積もりを取るのはPIC(担当者)ではなく、購買部に取らせるような業務フローを作っていたはずです(これが実体にあった業務分掌)。ただ、上記の業務フローを一見して「ここにリスクがある!」と指摘できる人はほとんどいません。

業務フローの作成は自社で行うことも可能ですが、問題点に気が付かない場合もあるので、必ず担当するコンサルのチェックを入れる必要があります。正直、海外の人材の方が(相対的に)このような小金稼ぎの不正テクニックを持っていますので、業務フローを作成する際には細かな部分のケアまでしっかりと行ってもらえればと思います。

【事業許可取得の簡素化について】
2018年1月より、BKPM長官令2017年13号が施行され、事業許可の取得が従来に比べて簡素化されました。

従来はインドネシアに投資をする際には原則許可(IP)を取得し、2年以内に最低投資額の払込をして事業許可(IU)を取得する流れでしたが、この原則許可(IP)が廃止になり、登録許可(PI)を取得して事業許可(IU)を取得する流れになりました。

コンサルタント業などの一部の業種の事業許可を取得する場合は、今までBKPMへのプレゼンテーションが必要でしたが、投資登録(PI)後の監査が厳しくなる代わりに、プレゼンテーションも原則として無くなる予定です。ただし、BKPM担当官に長官令が伝わっていないということもよくありがちですので、実務上の対応としては注視していく必要があります。

また、業種や設立する場所によっては、直接事業許可(IU)の取得に進める手続きも定められましたが、BKPMにより個別に判断されるようです。

なお、現在既に設立している法人が、今後事業を追加する場合は、取得済みの原則許可(IP)はそのままで、追加事業の登録許可(PI)のみをすることになります。
この場合、原則許可(IP)の情報は古いまま更新されず、新しい登録許可(PI)と併用することになります。法人住所の変更があった場合にも、新しい登録許可(PI)のみを更新していき、KITASの申請などの際には両方のコピーを添付することになります。

不正や事業許可について不明点等があれば、下記メールアドレスにお気軽にご連絡ください。

※メールアドレス※
Eメール:yo-katase@futureworks-inc.jp / go-kato@bn-asia.com

弊社関連ブログの人気記事(ご興味があれば是非お読みください!)。

【日本・タイでのお金の持ち込み・持ち出しについて】

http://blog.livedoor.jp/bnthailand/archives/15527805.html

【平成30年度税制改正シリーズ ~PE(恒久的施設関連)規定の見直し~】

http://blog.livedoor.jp/bnthailand/archives/20907454.html

 

Bridge Noteのご案内◆

会社名:PT. Future Works Indonesia

President: 木村 純

住所:Menara Ahugrah Lantai 15, Kantor Taman E.3.3

Jl. Mega Kuningan Lot 8.6-8.7 Jakarta Selatan 12950

Eメール:yo-katase@futureworks-inc.jp / go-kato@bn-asia.com

事業内容:各種コンサルティング業務/多言語会計システム(Bridge Note)の販売

インドネシアで日系企業を中心に150社ほど導入いただいている「Bridge Note」は、入力が平易な多言語のクラウド会計システムです。会計業務のコスト低減、業務効率化、不正防止をお考え方はぜひご連絡下さい!システムの導入ができ、かつ、貴社の月次会計報酬の値段が下がります!

※本ニュースレターに記載の内容は、作成時点で得られる法律、実務上の情報をもとに作成しておりますが、本ニュースレターの閲覧や情報収集については、情報が利用者ご自身の状況に適合するものか否か、ご自身の責任において行なっていただきますようお願いいたします。 本ニュースレターに関して発生トラブル、およびそれが原因で発生した損失や損害について、()フューチャーワークス及び執筆者個人.は一切の責任を負いかねます。また、本ニュースレターは一部で外部サイトへのリンクを含んでいますが、リンクする第三者のサイトの個人情報保護の取り扱いや、そのサイトの内容に関して一切責任を負いませんのであらかじめご了承ください。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

その他関連する事項でお困りのこと御座いましたら、お気兼ねなくご連絡下さい。また、今後ニュースレターが不要な方は、大変お手数ではございますが、不要の旨をご連絡いただければと存じます。

※なお、本メールは以前名刺交換をさせていただいた方を中心(情報サイトからも一部抽出)にお送りさせていただいております。

()フューチャーワークス 片瀬/加藤