皆様こんにちは。(株)フューチャーワークスの片瀬/加藤です。インドネシアのニュースレター及びコラムを隔週でお送りしています。お時間があるときにご一読いただければ幸いです。

【インドネシアで実際に起こった不正事例(その2)】
前回に引き続き「インドネシアで実際に起こった不正事例(その2)」です。最近は弊社においてもインドネシアにおける不正対応のための内部統制ルール構築業務などの件数も多くなってきています。前回お伝えしたように財務諸表監査では、海外で起こる不正のほとんどを防止することができませんので、その点改めてご確認頂ければ幸いです。

<前回のコラム>
インドネシアで実際に起こった不正事例(その1):http://blog.livedoor.jp/bnthailand-indonesia/archives/7841992.html


【現金預金の不正利用に係る事例①】
まずは次の図をご覧ください。
 不正事例①

当社の現金預金は1月1日現在1,000jtありました(BSの月初残高1,000jt)。1月2日に当社の会計財務担当者が自身の個人口座に1,000jtを引き落とし、そのお金を元手に短期金融商品で運用を行いました。インドネシアは利率が高いため短期金融商品であっても十分な利益を計上できます。そして会計財務担当者は1月30日に1,000jtを当社の預金口座に戻しました。1月31日の当社の現金預金は1,000jtあり一見問題は見当たりませんでした(BSの月末残高1,000jt)。

いかがでしょうか。併せて次の事例もご確認ください。

【現金預金の不正利用に係る事例】
 不正事例②

当社のローカルマネージャーは貯金を行うことをせず、入ってきた給料をそのまま全額使用してしまいます(多くのインドネシア人も同じ傾向)。クレジットカードも限度額いっぱいまで利用するために、お金が回らなくなってしまいした。そのためローカルマネージャーは会社の会計税務担当者に今月支払われる賞与で返すことを条件に50jtを前借しました(マネージャーなので、会計税務担当者は命令には逆らえません)。もちろん現法の社長には内緒です。

このような事例が多くインドネシアでは行われています。特に②の事例は金額も大きくなく、頻繁に行われている会社もあるようですので注意が必要です。

これらの事例はなぜ会計監査上では「確認できない」のでしょうか?次の仕訳をみてください。
<仕訳例>
その他未収入金   100,000 / 現金預金 100,000
現金預金      100,000 / その他未収入金 100,000

この仕訳を考える上で、まず貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)の特徴を押える必要があります。

貸借対照表(BS)はその時点の資産負債の残高を表示し、損益計算書(PL)はその期間の損益を表示します。そのためにBSでは、月末時点(月次決算時)の資産負債の残高は表示できますが、月中にどのような動きがあったかは確認することができないのです。

仕訳をみてみると、月中に現金預金から「その他未収入金」に振替えて、同月中に「その他未収入金」を現金預金に振り戻しています。BSの表示は前月末時点の残高と当月末時点の残高しか記載されないために、月中にBS科目(上記の場合は「その他未収入金」)を利用した不正については、会計監査では確認することができません。

これらの不正を防止するためにはローカルマネージャーに任せるのではなく、現地法人の社長(日本人)の目でチェックする仕組みを作らなければなりません。具体的には、現在の業務フローを洗い出し、その中の承認ポイントを改めて確認することを行います(リスク項目のピックアップ、現在の統制状況、改善案の確認)。更に具体的にいうと、現預金の出納帳と期末現金預金残高の確認、通帳との整合で上記の不正は防止することが可能です。

もちろん現在でも貴社において通帳と元帳の残高のチェックを行っているものと思いますが、それは月末時点の残高のチェックではありませんか?月中に何にいくら使っているかのサンプルチェックは行っていますか?

不正を防止するためにはチェックする内容も重要です(会計監査も残高のチェック:「BS科目・残高の実在性チェック」しか行わないのでこれらの不正が横行しているのです)。

我々のBridge Noteは海外で多く起こっている不正が現金預金に関するものであるという事象に目を付け、会計の入力を現預金の出納帳から行い、日本語で現預金出納帳の中身を確認できる体制を整えています。従業員による現金預金の不正利用の防止・不正管理にお使いいただければと思います。

個人所得税の確定申告及び予納について
3月末が個人所得税の確定申告の期日となりますが、今年は30日がお休みですので、29日が実質期日となります。
皆様既にお済みかと思いますが、もしまだ申告されていない場合は、急ぎ申告頂ければと思います。なお、申告遅延が発生した場合は、100,000IDRと利息2%/月がかかってまいりますのでご留意ください。

2017年に赴任された方におかれましては、NPWPを取得した月から海外(日本)で支払われている給与や賞与等を含めて納税額を再計算し、差額分を納税・申告します。この確定申告の際に、日本の所得に関して、総支給額(グロス)を使うか、社会保険料を控除した手取り額(ネット)を使うか、という問題があります。
社会保険は、本来は個人のベネフィットであり、代わりに会社が支払っているだけですので、厳密には社会保険料を控除する前の総支給額(グロス)を使うこととなります。

また、2017年度に日本で支給された給与・賞与等に基づき、4月納付分から毎月の予納(pph25)が発生してきます。
3月末の確定申告で予納額が再計算されますので、2019年の3月納付分までは同額の予納が続くこととなります。

なお、2018年度予納額pph25の計算は下記の通りです。

1. (2017年度全世界所得合計)-(17年度所得のうち一時的な所得)=(X)
2.(X)に対して2017年度の税率を適用して個人所得税金合計を計算(X’)
3.(X’)-17年度中のインドネシア所得にかかる源泉税(pph21)=(Z)
4.(Z)÷12=18年度個人所得税予納月額

オンラインで申告が可能になっていますが、事前にe-FINの登録が必要になります。通常は申請当日に登録番号が発行されますが、確定申告期日の間近ですと、当日発行されないこともあります。
今回はe-FINの登録が間に合わず、税務署へ直接申告していた方は、来年度のために今からでも登録を済ませておくことをお勧め致します。
なお、所轄の税務署によっては、登録のために本人が直接税務署に行く必要がありますので、事前にご確認ください。

弊社にても個人所得税確定申告のサポートが可能で御座います。
もしまだ申告がお済みでない場合は、お気軽にご相談ください。

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President: 木村 純
住所:Menara Ahugrah Lantai 15, Kantor Taman E.3.3
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Eメール:yo-katase@futureworks-inc.jp / go-kato@bn-asia.com
事業内容:各種コンサルティング業務/多言語会計システム(Bridge Note)の販売

インドネシアで日系企業を中心に150社ほど導入いただいている「Bridge Note」は、入力が平易な多言語のクラウド会計システムです。会計業務のコスト低減、業務効率化、不正防止をお考え方はぜひご連絡下さい!システムの導入ができ、かつ、貴社の月次会計報酬の値段が下がります!

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※なお、本メールは以前名刺交換をさせていただいた方を中心(情報サイトからも一部抽出)にお送りさせていただいております。

(株)フューチャーワークス 片瀬/加藤