皆様こんにちは。Bridge Noteの片瀬/加藤です。今日の記事は「インドネシアで実際に起こった不正事例(その3)と過少資本税制の細則について」です。それでは下記より内容をご確認ください。

【インドネシアで実際に起こった不正事例(その3)】
前回、前々回に引き続き「インドネシアで実際に起こった不正事例(その3)」です。最近は弊社においてもインドネシアにおける不正対応のための内部統制ルール構築業務などの件数も多くなってきています。前回、前々回とお伝えしたように財務諸表監査では、海外で起こる不正の多くを防止することができませんので、その点改めてご確認頂ければ幸いです。

<前回・前々回のコラム>
インドネシアで実際に起こった不正事例(その1):

インドネシアで実際に起こった不正事例(その2):
http://blog.livedoor.jp/bnthailand-indonesia/archives/8312002.html

【売上債権に係る事例①】
まずは次の図をご覧ください。
 図1

営業のPIC(パーソン・イン・チャージ)の力が強く、契約書や請求書をPICが発行していた会社において起きてしまった事例です。この会社では、営業担当者に請求書の発行をまかせていたのですが、いつの間にかPICが発行する請求書の入金口座がPICの個人口座へと変更されていました。会社の財務諸表上はBSに売掛金が残りますが、会計監査においては実在性のチェックなどは行っていませんでした(そもそも決算を跨がないようになされた不正なので、年一回の監査にて実在性のチェックを行っていても防ぐことはできなかったでしょう)。

また、PICは日本人責任者から売掛債権の回収を行うように指示されていましたが、表面上回収活動をしているように取り繕い、報告書には先方の資金繰りの都合で1月後に入金されると記載していました。また、翌月は直接回収の話をしに行くと言って、先方に訪問するふりをし、報告書には必ず支払う旨の一筆を書いてもらったと記載しています。
3か月で十分な現金を手に入れたPICは突然会社に来なくなり、仕方なく社内で引継ぎを行った結果、当該事実が明るみになりました。

この売上債権に係る不正の問題点は、「財務諸表には現れない」というところにあります。顧客は買掛金の支払を行っていますが、インドネシア子会社には入金がありませんので、仕訳をきることができません。日系企業との取引は、日本人の責任者がすべて管理していると言える会社が多いと思いますが、ローカル企業との取引については現地の担当者に任せていませんか?

顧客と連携して、「顧客の買掛金残高」及び「インドネシア子会社の売掛金残高」を常に突合する仕組みが必要です。例えば次のような。
図2

これは顧客側の業務フローですが、毎月顧客は当社から送られてくるInvoiceに応じて社内でPayment Requestなどを作成し、上長の承認を受けて当社に支払いを行うはずです。その際に(入金前に)支払予定表を一緒に当社に送ってもらい、当社の入金予定表と突合できる仕組みを整えるべきです。※支払予定表が一般的になっている国も多いです。

顧客において当社から入手するInvoiceに記載のある銀行口座が営業担当者個人の銀行口座であったとしてもそれを会計システム上や業務フロー上でチェックすることはできません。そのため当社が主体的に動き、仕組みを整えてもらう必要があります。ただし・・・・、顧客に対して業務フロー変えて欲しいと頼むのは気が引ける会社が多いこともまた事実です。

そのため、弊社のBridge Note(会計システム)では自社の売掛金勘定と顧客の買掛金勘定を自動突合する仕組みをシステムに取り込むか検討中です(例えば、請求書の中に売掛金残高を自動で記載し確認する(販売側)/購買システムから支払予定表を自動で作成する(購買側)形式など)。数字の突合は人力で行うのではなく、自動で行わなければ恣意性の介入は避けられません。

Bridge Noteでは、常に利用者からの声を取り入れて、現場にあったシステムを開発してまいります。上記の開発計画は、その一例ではありますが、システムを入れるだけで多くの不正を起きなくなるようにすることは可能です。例えば、前回のBS科目を利用した不正についても、「その他未収入金 ○○/ 現金預金 ○○」という本来発生するはずのない仕訳に対してアラートを行うだけでも「不正が起こってしまう」可能性が極端に低くなることでしょう。常に進化するBridge Noteでは、皆様の会社に最適なご提案ができればと考えております。ご興味があれば是非ご連絡ください。

【過少資本税制の細則について】
知られている通りインドネシアでは、2015年の財務大臣規則(169/3/PKM.010/2015)により負債資本比率を4:1以内とすることが規定されています。2016年会計年度から適用となった一方で、実施細則については別途、国税総局規則で規定されるとされていました。
改めて2017年11月28日に公布された国税総局長官規則(No.PER25/PJ/2017)により、所得税計算に関する実施細則が定められています(2017年会計年度から適用)。

そもそもこの負債資本比率規制は、一般的には過少資本税制と呼ばれるもので、資金調達の多くを資本金ではなく借入金から行うことにより、過大な資金調達コストを損金に算入することを防ぐための規制です。4:1の比率を超える借入金に対する利息等(資金調達コスト)は、損金として認められません。

(負債の定義は、「国内外の借入金、利払い義務のある債務」であり、利息等は、「借入利子、借入割引額、保証料」を含みます)

今回、細則として定められた点は下記の通りです。
1.損金不算入となる利息等について
・負債資本比率4:1を超える借入金に対する利息等
・独立企業間取引の原則を満たさない場合の利息等
・非課税所得もしくはファイナルタックスの対象となる所得を獲得するために用いられた借入金に掛かる利息等
2.負債資本比率の計算の報告について
借入金を有している法人について、利息等を損金に算入する場合は、法人税確定申告提出時に「負債資本比率の計算」を添付する。添付しなかった場合は、確定申告自体が不備と見做される。
3.海外からの借入金の報告について
海外からの借入金を有している法人については、法人税確定申告提出時に「海外からの借入金報告書」を添付する。添付しなかった場合は、確定申告自体が不備と見做される。
前述の通り、利息等の定義は、「借入利子、借入割引額、保証料など」とされていますが、税務署担当官の解釈で外貨建借入金にかかる為替差損なども含めて指摘されるケースも発生しているので留意が必要です。

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