5分で分かるタイビジネス。

日系企業を取り巻く海外ビジネス環境は年々厳しくなっており、海外ビジネスのあり方そのものを考える中堅中小企業がここ最近では多くなってきたように感じます。 海外では知識レベルによって人を評価するローカル社員も多く、経営スキルではなく知識レベルによってローカル社員から信用されない現地法人の社長も散見されます。 会計・税務・労務の専門家が貴社の知識面でのサポートを当ブログにて行うべく、各種法律を基礎とし実態と比較しながら(実態よりに)執筆しています。 また、グループ全体のリスク管理の観点からも記載することが多いため、タイビジネスだけではなく日本も含めたグループ全体のリスク管理のためにもご確認いただければ大変嬉しく思います。

今回はタイの労務にかかる月次・年次業務のスケジュールについてです。会社の人数規模に関わらず対応が必要なものから、50名以上など一定の人数以上の場合に対応が必要なものまであります。あくまでも一般的なものになりますので、こちらに特別なライセンスに関連するものや会社独自のものを追加頂き、定期的な管理をして頂ければと思います。

 

<月次>

・勤怠データ管理(2120日)20日締めの場合

・給与明細作成(2125日頃)20日締め、30日支払いの場合

・給与振り込み手続き(25日頃)30日支払いの場合

※オンラインバンクでの支払いの場合、通常数営業日前にアップロードが必要です。

※オンラインバンクの「給与」機能で一括送金が可能なケースがあります。

 

<四半期・年次>

・安全衛生委員会(※50名以上):6カ月毎

・労働福祉委員会(※50名以上):3カ月毎

・年次有給休暇、傷病休暇等の一斉付与・買取:会社で設定するタイミング(1月、4月など)

・年間祝日の通知:会社の年度の開始前

・従業員の個人所得税にかかる源泉徴収票の作成:翌年12

・個人所得税の確定申告:翌年3

・給与・福利厚生・賞与の査定・交渉:支給・昇給の2ヵ月ほど前

・労働条件報告(※10名以上):毎年1

・労災保険の確定・概算申告、納付:毎年1月~2

※決算や法人税と異なり、個人所得税や社会保険は会社の会計期間に関わらず一定の時期が期日になります。

 

<随時>

・採用/採用通知書

・雇用契約書作成

・就業規則の作成、改訂2017年~労働局への届け出は不要になりました。

・社会保険加入・脱退手続き2017年~オンラインでの手続きが可能になりました。

・ビザ、ワークパーミット更新(毎年)

BOIなどで2年以上の有効期間の場合、失効1ヵ月前のタイミングで都度更新

・帯同家族のビザ更新

・ビザ、ワークパーミットキャンセル(帰任時)

※キャンセルをせずに帰国することも可能ではありますが、後任の方のビザ、ワークパーミット取得時に支障が出るケースや、転職先がタイの会社の場合に次回のビザ、ワークパーミット取得時に支障が出る可能性がありますので、キャンセル手続きをすることを推奨します。

 

なお、所得税関係としては、日本とは異なりタイには住民税や年末調整はありません。また、社会保険関係としては、タイの社会保険料の計算は毎月の給与額に基づき計算するため、算定基礎届や月額変更届などの手続きはありません。

 

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今回はタイの新任者の方向けに最低限把握していただきたい税務の留意事項です。留意頂きたい事項はたくさんありますが、その中でも特にという点のみピックアップしてまとめています。

 

<税務>

◆付加価値税(VAT

基本的な考え方は日本の消費税と同じですが、Tax Invoice方式をとっているため、通常のレシートではなく、Tax Invoiceがないと、仕入税額が出来ずにコストになるため注意が必要です。海外からサービスを受けた際には、別途税務署にVAT申告・納税が必要です。こちらもタイ国内支払い時のVATと同様に仕入税額控除可能です。また、VAT登録が完了する前に支払った費用にかかるVATは仕入税額控除出来ずにコストになりますので、大きな支払いはVAT登録後とすることをお勧め致します。

 

輸出企業においてはVATの還付金額が累積することとなります。優遇事業者登録(原則:土地保有等が要件)を行うケースもありますが、そうでない場合は定期的な還付請求と税務調査対応が必要です。なお、0%課税取引や非課税取引も存在しますので、輸送業や食肉販売、医療などの事業では課税区分の事前確認が必要です。

 

◆源泉税(WHT

日本では給与の支払い時に会社が源泉税控除、納税するケースがありますが、タイでは一般的なサービス全般の支払い時に源泉税を控除・納税する仕組みあります。誤って控除せずに支払ってしまうと、相手への返金を求める必要があり、最悪の場合返金を受けられずにコストになる可能性がありますので、特に初めのうちはサービスへの支払い時は注意が必要です。なお、月次税務申告のペナルティとして、加算税上限100%、延滞税1.5%があります。

 

<国内源泉税率>

支払利息           1

広告料   2

一般サービス(ロイヤルティ、コミッション、請負含む)           3

賃貸料   5

配当      10

 

<国外源泉税率>※日本の場合、支払い相手の国との租税条約により異なります。

支払利息           15

配当      10

ロイヤルティ          15

 

◆法人税の中間申告・確定申告

決算期末より8カ月目の月末までに中間申告(初年度は不要)、5カ月目の月末までに確定申告が必要となります。特に中間申告の金額により罰金が発生する可能性がありますので注意が必要です。

 

中間申告は推定所得(利益)に法人税率(通常20%)を掛けた年税額の半額を納税します。

中間申告期日までの月次決算による実績及び期末までの残りの期間の予算から推定所得を算出し、申告・納税する必要があります。中間申告での推定所得が年次確定申告時点での確定所得の25%を超えて下回る場合には、不足納税額の20%が罰金としてかかります。

 

例えば、以下のようなケースでは罰金が発生します。

中間申告時の推定所得:200万バーツ

推定所得に基づく年税額:200万バーツ×20%=40万バーツ

推定所得に基づく中間申告時の納税額:40万バーツ×1/220万バーツ

確定申告時の確定所得:400万バーツ(推定所得200万バーツは確定所得400万バーツの50%であり、25%を超えて下回っている)

確定所得に基づく年税額:400万バーツ×20%=80万バーツ

確定所得に基づく中間申告時に収めるべき納税額:80万バーツ×1/240万バーツ

不足納税額:40万バーツ-20万バーツ=20万バーツ

罰金額:20万バーツ×20%=4万バーツ

 

なお、前事業年度の所得に基づき計算した法人税額の半額以上の納税を行うなど、合理的な理由がある場合は、上記の罰金は不要となります。所得計算時には、営業損益だけでなく、為替差損益、利息収入・費用、固定資産売却損益などの営業外収益、特別損益も考慮する必要があります。また、上記の計算では法人税率は20%として計算していますが、中小企業(払込資本金が500万バーツ以下、かつ事業年度の総収益が3,000万バーツ以下の法人)には以下の特例があります。

 

<法人所得:税率(累進課税)>

300,000バーツ迄:非課税

300,000-3,000,000バーツ:15

3,000,000バーツ超:20

 

◆印紙税・看板税

マイナーな税金ではありますが、業務内容により契約書への印紙添付もしくは税務署への納税が必要です。契約書を正副作成するケースがありますが、その場合正本は下表の通りの印紙税率となり、副本は正本にかかる印紙税が5バーツ以下の場合は一律1バーツ、5バーツ超の場合は一律5バーツとなります。一方、副本ではなく単なるコピーとして保管する場合には、印紙税の添付は不要となります。201545日以降、100万バーツ以上の報酬である請負契約や契約期間の賃料総額が100万バーツである土地・建物等にかかる賃貸契約等の場合については、印紙の添付ではなく契約締結の翌月15日以内に申告・納税となります。会計事務所で契約書ごとに印紙税の確認が困難なケースがありますので、必ず自社のスタッフに確認をしてもらう必要があります。以下印紙税にかかるペナルティの金額になります。

 

90日以内の遅延の場合は2倍もしくは1,000バーツあたりの単価4バーツのいずれか高い方(例:請負契約の場合は1,000バーツあたり単価が1バーツ(1,000バーツ×0.1)となりますので2倍が2バーツとなり、4バーツ>2バーツのため4バーツが適用され、実質4倍のペナルティ)

90日超の遅延の場合は5倍もしくは1,000バーツあたりの単価10バーツのいずれか高い方(例:請負契約の場合10バーツが適用、実質10倍のペナルティ)

・申告せずに歳入局からの指摘を受けた場合、上記6倍もしくは単価25バーツの高い方

(例:請負の場合25バーツが適用、実質25倍のペナルティ)

 

また、小売・飲食業などで社名の看板を外に掲げる場合、看板税の申告・納税が必要です。

契約内容           印紙税率

不動産賃貸借契約           0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

株式譲渡契約      0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

ハイヤーパーチェス契約        0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

請負契約           0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

金銭消費貸借契約           0.05%(2,000バーツにつき1バーツ)

※上限1万バーツ

総会にかかる委任状           1回の総会にかかる委任:20バーツ

2回以上の総会にかかる委任:100バーツ

保証契約           10,000バーツ超の場合:10バーツ

※金額により異なる。

 

◆交際費

タイでは交際費要件が厳しく、贈与品は1名・回あたり2,000THBまで、交際費の年間上限は資本金ないしは総収益いずれか大きいほうの0.3%となります。例えば、総収益が大きく年間の総収益が5,000万バーツの場合の上限額は15万バーツとなります。それを超える金額は損金不算入費用となります。

 

なお、飲食代などのレシートを交際費として処理する場合は、上述のTax Invoiceを受領する必要があります。レストランなどで都度依頼が必要となります。以下Tax Invoiceの必要記載事項です。また、Tax Invoiceはボールペンなどで記載をすると無効となりますので、メモを残す際はポストイットなどでの記載をお願い致します。

 

Tax Invoice記載事項>

自社及び相手先の

・会社名

・住所/本店・支店(支店の場合支店番号)

Tax ID

及び

Tax Invoiceの連番

・発行日

・内容

・数量・金額(価格・VAT

の明記が必要です。

 

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今回は新任者の方向けに最低限把握していただきたい会計、労務、法務の留意事項です。留意頂きたい事項はたくさんありますが、その中でも特にという点のみピックアップしてまとめています。税務の留意点については次回ご案内致します。

 

<会計>

◆会計監査

タイでは非上場・駐在員事務所でも会計監査が必要となります。決算期末から4カ月以内に株主総会があり、通常そこをターゲットとして対応するケースが多くなります。

 

◆固定資産の計上

税務にもかかわりますが、タイでは少額固定資産の基準がなく、1年超の耐用年数のものはすべて固定資産計上するのが原則となります。実務上は3,000THB程度を社内基準としているケースが多くなります。

 

◆為替差損益の計上

タイでは、外貨建ての借入金や売掛金・買掛金などの科目について、期末に必ず洗い替えが必要となります。実際の返済・支払いがされていない場合でも期末のレートで洗い替えを行い、決算・税務申告にも影響しますので、注意が必要です。タイの決算内容が為替によりぶれるのが望ましくない場合には、バーツ建て取引を多くするのが望ましくなります。

 

◆登記前の立替費用

法人や事務所登記前にかかった経費でタイ法人の費用とするもので、日本の親会社や役員個人が立て替えている経費については、タイ法人宛ての請求書を発行して費用の付け替えをすることが可能です。ただし、初年度の決算時点で精算をしなければ、翌年以降は税務上損金処理が出来なくなりますので、遅くとも初年度の決算時点の日付で請求書を発行し、会計監査を受ける必要があります。

 

<労務>

◆ビザ・ワークパーミット

登記ステータスによりビザ・ワークパーミットの申請要件やスケジュールが異なります。特に人数要件、資本金要件など注意が必要です。

また、初回のワークパーミット申請時にはタイ人取締役によるサインが必要であるため、タイ人を取締役として選任する必要があります。

 

◆欠勤控除、残業代

タイでは月給者の欠勤控除や残業代の計算は以下のように計算します。

月給÷30日÷所定労働時間×欠勤/残業時間

暦日数や営業日数に関わらず30日で計算します。

割増率は以下の通りです。

・時間外労働:1.5

・深夜労働:-

・休日労働:2倍(月給者は残業手当は1倍) 休日時間外:3

※時間外労働時間数は、休日労働および休日時間外労働の時間数と合計して週36時間を超えてはならない。

 

◆特殊な休暇制度

労働法は、タイの労働法に基づき労務管理をする必要がありますので、雇用契約書や就業規則作成時にタイの労働法の概要について把握しておくことをお勧め致します。特記事項としては、1年以上勤務した従業員に6日以上付与する有給休暇は原則買取となります。また、年間30日間ある有給の傷病休暇があり、法律上は3日以上連続で取得した場合に限り医師の診断書の提出を求めることができます。

 

<法務>

◆定時株主総会

上述の通り決算期末から4カ月以内に定時株主総会の開催が必要ですが、初回については登記から6カ月以内に行う必要があります。特に議題が無い場合でも新聞公告や議事録の作成・保管は必要となります。

 

◆契約言語

契約書は日本語でも締結が可能ですが、監査・税務調査・裁判などを考慮して最低英語、出来ればタイ語での作成が望ましくなります。

 

◆ライセンス

事業を行うにあたり別途ライセンスが必要となる事業(レストラン、人材紹介等)がありますので、新規で事業を行う場合には対応可否を事前に確認する必要があります。

 

 

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