
いけばなで「ためる」という技術があります。
「ためる」というのは、枝に力を加えて曲げたり伸ばしたりして、
自然の枝葉に少し手を加えて、自然な感じに美しさを
引き出してやることです。コレがすごく難しい。
私の母は発病する前、華道を教えていました。
先日、大丸京都店で「華道京展」が開催され、母と見に行きました。
40年以上のお付き合いがある華道仲間からのお誘いがあったためです。
母はとても嬉しそうでした。
母の華道仲間のNさんの作品は山桜のお生花。
枝の「ため」が、お見事でした。
まるでそのまま、山の斜面に植わっていたかのようでした。
芸術は「センス」に左右されるものでありますが、「美」を表現するには、
技術力もたいへん重要なんですね。
あたりまえのことですが、改めて認識したのでした。