bobmarley_

How Beautiful!

築80年の町家をリノベーション。旦那と猫と暮らす京女の茶道覚書とそのくらし

2011年09月

23 9月

楽茶碗を知ろう②

先日、お稽古の時、師匠がこんな質問をされました。


続き薄茶で、薄茶点前のおしまいの場面でのこと。
「もう一服いかがですか?」と亭主が聞かれ、
客はたいがい
「十分でございます」とか「結構でございます」と
答えますよね?それを受けて、亭主は
「では、おしまいをいたします」とあいさつすることが
ほとんど。
では他に対応の仕方ってあると思う?


一同「・・・」

こんな時はね、
お客様がお茶がいらないのであれば、
「お白湯はいかがですか?」と尋ねるのよ。

と師匠が言った。

一同が「なるほど~!」と感心していると
師匠がまたまた私たちに問いを投げかけた。

「それじゃ、お白湯がいらないとお客様が仰ったら?」

「・・・」
一同閉口。

その時は、
「お水はいかがですか?と尋ねるのです」

(えっ?水差しから茶碗にお水入れてお客様にあげるの~?)

亭主には常に客を気遣う「おもてなし」の心が
必要だということ。
師匠がまだ20代の頃、師匠の尊敬する師匠から
教えていただいたそうです。

マニュアル通りのお点前すら、まだ満足に出来ない私には
なかなか難しいですが、お茶の「働き」=「機転」の素晴らしさを
実感したお稽古でした。

前置きが長くなりましたが、今日は樂家四代のみの覚書。

四代吉左衞門・一入(いちにゅう)
おおらかな作風のものも見受けられるが、晩年にむかうにしたがって
長次郎茶碗の伝統に根ざす一入特有の作振りをみせるようになる。
釉技において黒釉に朱色の釉がさまざまに混ざり合う鮮やかな
朱釉を完成させた。
代表作に黒楽平茶碗「西湖」、黒楽茶碗「カノコ斑」「金毛」「山里」、
赤楽茶碗「玉」「つるし柿」など。

ではまた。

20 9月

楽茶碗を知ろう①

「そちらはお見受けするに楽茶碗ですが、何代目のものですか?」
「こ、これは・・・ええっと・・・」

私がお茶のお稽古でいつも言葉が詰まってしまうやりとり。

もちろん、その時、手にしているのは、お稽古用の「写し」の楽茶碗。
でも、それぞれ特長があるはず。
しかし、樂家の歴代の特長がわからず答えられない。

このままではイケナイので、自分自身の覚書として
今日は3代目まで調べてみます。

初代・長次郎(ちょうじろう)
楽焼を創設。千利休にしたがい赤楽茶碗、黒楽茶碗をつくった。
造形の根底には利休の侘びの思想が濃厚に反映されている。
装飾を極限にまで抑えている。
代表作に黒楽茶碗として「大黒」「俊寛」「ムキ栗」「禿」「面影」、
赤楽茶碗に「無一物」「一文字」「太郎坊」など。

二代吉左衞門・常慶(じょうけい)
造形的な動きをあらわし、大きく沓形に変形を加えた黒茶碗などがある。
長次郎の時代の赤黒の二種の釉に加えて白釉(香炉釉)を考案した。
代表作に黒茶碗として「黒木」「ホトトギス」、黒楽筒茶碗「長袴」、
赤楽茶碗に「古手巻」「菊之絵赤楽茶碗」、そのほか「香炉釉井戸形茶碗」など。

三代吉左衞門・道入(どうにゅう)
別名「ノンコウ」と称され、のちに樂歴代随一の名工とされる。
黒釉や白釉や透明釉をかけあわせ、装飾的な効果を出した。
茶碗も大ぶりで、明るく軽やかな個性を表現している。
代表的な作品にノンコウ七種、ノンコウ加賀七種として編纂された
作品がある。
ノンコウ七種→黒楽「升」「千鳥」「稲妻」「獅子」
赤楽「若山」「鵺」「鳳林」
ノンコウ加賀七種→黒楽「桔梗」「青山」「霞」「此花」「香久山」「善福寺」「今枝」
その他、黒楽「残雪」「木下」、赤楽「寒菊」「山人」

ちなみに写真はお気に入りの楽茶碗です。師匠からいただきました。IMG_3168


黒楽茶碗 長次郎写 三代佐々木昭楽
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