「そちらはお見受けするに楽茶碗ですが、何代目のものですか?」
「こ、これは・・・ええっと・・・」

私がお茶のお稽古でいつも言葉が詰まってしまうやりとり。

もちろん、その時、手にしているのは、お稽古用の「写し」の楽茶碗。
でも、それぞれ特長があるはず。
しかし、樂家の歴代の特長がわからず答えられない。

このままではイケナイので、自分自身の覚書として
今日は3代目まで調べてみます。

初代・長次郎(ちょうじろう)
楽焼を創設。千利休にしたがい赤楽茶碗、黒楽茶碗をつくった。
造形の根底には利休の侘びの思想が濃厚に反映されている。
装飾を極限にまで抑えている。
代表作に黒楽茶碗として「大黒」「俊寛」「ムキ栗」「禿」「面影」、
赤楽茶碗に「無一物」「一文字」「太郎坊」など。

二代吉左衞門・常慶(じょうけい)
造形的な動きをあらわし、大きく沓形に変形を加えた黒茶碗などがある。
長次郎の時代の赤黒の二種の釉に加えて白釉(香炉釉)を考案した。
代表作に黒茶碗として「黒木」「ホトトギス」、黒楽筒茶碗「長袴」、
赤楽茶碗に「古手巻」「菊之絵赤楽茶碗」、そのほか「香炉釉井戸形茶碗」など。

三代吉左衞門・道入(どうにゅう)
別名「ノンコウ」と称され、のちに樂歴代随一の名工とされる。
黒釉や白釉や透明釉をかけあわせ、装飾的な効果を出した。
茶碗も大ぶりで、明るく軽やかな個性を表現している。
代表的な作品にノンコウ七種、ノンコウ加賀七種として編纂された
作品がある。
ノンコウ七種→黒楽「升」「千鳥」「稲妻」「獅子」
赤楽「若山」「鵺」「鳳林」
ノンコウ加賀七種→黒楽「桔梗」「青山」「霞」「此花」「香久山」「善福寺」「今枝」
その他、黒楽「残雪」「木下」、赤楽「寒菊」「山人」

ちなみに写真はお気に入りの楽茶碗です。師匠からいただきました。IMG_3168


黒楽茶碗 長次郎写 三代佐々木昭楽