先日、お稽古の時、師匠がこんな質問をされました。


続き薄茶で、薄茶点前のおしまいの場面でのこと。
「もう一服いかがですか?」と亭主が聞かれ、
客はたいがい
「十分でございます」とか「結構でございます」と
答えますよね?それを受けて、亭主は
「では、おしまいをいたします」とあいさつすることが
ほとんど。
では他に対応の仕方ってあると思う?


一同「・・・」

こんな時はね、
お客様がお茶がいらないのであれば、
「お白湯はいかがですか?」と尋ねるのよ。

と師匠が言った。

一同が「なるほど~!」と感心していると
師匠がまたまた私たちに問いを投げかけた。

「それじゃ、お白湯がいらないとお客様が仰ったら?」

「・・・」
一同閉口。

その時は、
「お水はいかがですか?と尋ねるのです」

(えっ?水差しから茶碗にお水入れてお客様にあげるの~?)

亭主には常に客を気遣う「おもてなし」の心が
必要だということ。
師匠がまだ20代の頃、師匠の尊敬する師匠から
教えていただいたそうです。

マニュアル通りのお点前すら、まだ満足に出来ない私には
なかなか難しいですが、お茶の「働き」=「機転」の素晴らしさを
実感したお稽古でした。

前置きが長くなりましたが、今日は樂家四代のみの覚書。

四代吉左衞門・一入(いちにゅう)
おおらかな作風のものも見受けられるが、晩年にむかうにしたがって
長次郎茶碗の伝統に根ざす一入特有の作振りをみせるようになる。
釉技において黒釉に朱色の釉がさまざまに混ざり合う鮮やかな
朱釉を完成させた。
代表作に黒楽平茶碗「西湖」、黒楽茶碗「カノコ斑」「金毛」「山里」、
赤楽茶碗「玉」「つるし柿」など。

ではまた。