2005年11月22日

第13回タイトル:「部門別原価計算にはいりましょう」

★ 絶対勝つ!!簿記検定試験!■第0013号 2005.11月22日
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第13回タイトル:「部門別原価計算にはいりましょう」
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★ 目 次

1. ごあいさつ
2.失敗したー!
3.俺の責任じゃないですよ
4. あとがき
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(1)ごあいさつ
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 もう早くも、クリスマスと年末に近づいてきましたね。
この時期は勉強に集中しろという方が無理な相談です。
受験生の人達を見ていると、イライラしながら勉強している人や、悲壮感を
漂わせながら勉強している人、あと極端に勉強時間が長過ぎる人よりも
毎日、集中して、楽しみながら勉強し、かつ、ちゃんと遊ぶ時間も作っている人の
方が合格率が高いような気がします。
 人間は強いストレス状態だと、記憶の能力などが低下するそうですから
適 度な息抜きをしつつ、きっちりと集中して勉強するようにするといいと
思います。
 あと、決してやってはいけないことは、自分のペースを捨てて、人のペースに
合わせてしまう事です。
周りに出来る人がいて、その人が夜遅くまで自習室で勉強していたとしても
それは、その人のペースであり、自分には合わないかもしれません。
自分に合わない勉強方法をいくらやっても身につきません。
 まさしく、最大の敵は自分自身なのです。周りに影響されず、自分自信を最後
まで信じて、ご自身のスタイルで勉強するように しましょう!
 
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(2)目 次:失敗したー!
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 (2)仕損の処理の論点
仕損とは、失敗による不合格品のことをいい、例えば、お皿を作る工房を例にして
その製造過程で、お皿にヒビが入ったというような場合です。

 このとき、2級工業簿記であつかう補修可能な仕損品とは、ヒビの入ったお皿
について接着剤やパテなどを塗り込むことで、ヒビを消し、合 格品に仕上がったというような場合です。よって、この補修に要した、接着剤やその労働費は
お皿の原価に加えます。
それでは、以下の設例でみてみましょう。

<設 例>
特注のお皿について製造指図書No,01を発行して製造していたところ、お皿にヒビが入り仕損が発生した。
幸い、この仕損は接着剤などで補修可能であったため、補修指図書No,01-1を発行して補修をおこない合格品となった。
なお、補修に要した直接材料費は50円、直接労務費は100円、製造間接費は20円で
あった。以上より、原価計算表と仕掛品勘 定を作成しなさい。

            <原価計算表>
      No,01(特注のお皿)  No,01-1(補修指図書)
直接材料費     500           50
直接労務費     200           100
製造間接費     300           20
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
小 計      1,000           170
仕 損       170          △170    
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 合 計      1,170           0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
備 考      完 成         No,01へ直課        

上記の原価計算表には、製造指図書No,01には、お皿の原価が集計され
補修指図書No,01-1には、ヒビを直すために要した原価が集計されています。
よって、小計以下の欄で、補修の原価をお皿の原価の方へ振り替えます。

   材 料           仕掛品(No,01:特注のお皿)
━━━━┳━━━━         ━━━━┳━━━━
    ┃500No,01へ       材料500 ┃
    ┃50No,01-1へ       賃金200 ┃       
    ┃           製造間接費┃
                   300 ┃
   賃 金           仕損170 ┃
━━━━┳━━━━
    ┃200No,01へ       仕掛品(No,01-1:補修指図書)
    ┃100No,01-1へ      ━━━━┳━━━━
    ┃            材料50 ┃仕損170
                  賃金100 ┃
  製造間接費         製造間接費┃
━━━━┳━━━━          20 ┃
    ┃300No,01へ
    ┃20No,01-1へ          仕 損
    ┃            ━━━━┳━━━━
                仕掛品170 ┃仕掛品170
               ( No,01-1) ┃( No,01)

原価計算表と勘定連絡図との関係を確認しておいて下さい。
仕訳についても以下に書いておきますから、確認してください 。

 仕損原価の仕訳
  (仕 損)170 / (仕掛品)170 ←No,01-1:補修指図書
  
  (仕掛品)170 / (仕 損)170 ←No,01へ振替え
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(3)目 次:俺の責任じゃないですよ
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 <部門別原価計算の考え方>
 製品の製造にあたり、いくら消費されたのかを直接的かつ個別に計算できる
直接費は仕掛品勘定に金額を流し、いくら消 費されたのかを直接的かつ個別に
計算できない間接費については、いったん製造間接費勘定に集計し、なんらかの
基準で各製品に配賦しました。
 また、製造間接費は種々雑多な費目で構成されることから、予算を設定し、金額による管理を行いました。

 このような製造間接費勘定による、間接費の集計・製品への一括配賦と
予算による間接費の管理は、工場全体で一個の製造間接費勘定を設け、そこに
工場全体で発生した間接費を集計し、配賦と管理をおこなおうとするものです。
しかし、小さな工場であればこれで も問題ないのでしょうが、規模がある程度以上の工場になると話しは違ってきます。

例えば、木製のイスを作る工場があったとします。その生産の流れは以下のとおりです。
    
 材料仕入→「切削部門」→「組立部門」→イス完成
          ↑   ↑
      「動力部門」→ ↑

(1) 仕入れた材木を切削部門が切断
(2) 切削部門が切断した材木を組立部門が組立てイスが完成
(3) 切削部門が使う切削機械の電力と組立部門の組立機械の電力は
     動力部門が提供

 このような工場においては、「切削部門」「組立部門」「動力部門」のそれぞれにおいて製造間接費が発生します。
よって、各部門で発生する製造間接費を1つの製造間接費勘定に集計し、1つの
配賦基準で一括して製品に配賦するよりも、各部門の製造間接費勘定を設けて
それぞれの製造間接費勘定から、それぞれの部門に合理的な配賦基準を設定して
製品に配賦する方が製造間接費をより正確に配賦できるはずです。

 つまり、「切削部門」「組立部門」「動力部門」のそれぞれにおいて発生した
製造間接費を、直接作業 時間などの1つの配賦基準で配賦するのではなく、例えば
「切削部門」→切削作業時間を基準に配賦
「組立部門」→組立作業時間を基準に配賦
「動力部門」→電力消費量を基準に配賦
のように、それぞれの配賦基準を定めて配賦するほうが合理的です。
 それと、もう一つ。
工場全体で1つの製造間接費勘定を使い、ここに実際発生額を集計して予算差異を
算定したとします。
このとき、例えば「切削部門」はちゃんと間接費を管理していて、予算差異の発生を抑えていたのに対して、「組立部門」が多額の予算差異を発 生させていた
とします。

このような場合、製造間接費勘定だけで管理をおこなうと、予算差異発生の責任の
所在がはっきりせず、工場長から「バカもーん!!」と全部門の責任者が
怒鳴られるということになってしまいます。
そこで、各部門の責任を明確にし、原価管理を適切におこなうためにも、各部門毎に製造間接費勘定を設け、それぞれの予算差異を算定するほうが合理的です。

 以上が、部門別原価計算の考え方であり、ようするに、製造間接費勘定を細かくして設けようということです。

2、原価部門 の分かれかた
原価部門は大きく次の2つに分かれます。
(1)製造部門→直接加工に従事する(例:切削部門・組立部門)
(2)補助部門→直接加工に従事せず、製造部門にサービスを提供
     ↓
   補助部門はさらに2つに分かれます
    ・補助経営部門(例:動力部門)
    ・工場管理部門(例:工場事務部門)

(1)製造部門と(2)補助部門は上記のように、製造部門が加工を担当し
 補助部門は製造部門をサポートする役割を担います。
 このような関係にあることから、補助部門に集 計された間接費は
 直接に仕掛品勘定に配賦せず、一度、製造部門に配賦して、製造部門から
 仕掛品勘定に配賦するのです。
 
 この部門別計算を苦手にする受験生の方は結構多いと思います。
 苦手な方は、まずは上記の考え方を理解してください。
次回は設例を使って実際に計算しながらみていますね。それでは!
 

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(4)目 次:あとがき
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 京セラの稲盛和夫会長が、著書で「会計がわかなければ真の経営者には
なれない」「会計データはコクピットの計器盤に表示される数字に相当し
その数字の意味するところを手にとるように理解できなければならない」と
おっしゃっています。
 簿記検定も1級とかに進み、会計学とかを学ぶと色々と理論的におかしな
ところにも遭遇するようになります。
ぜひとも、簿記を勉強するときは、「どうしてこのように計算するのか?」
というような疑問をもちながらテキストをみていって下さい。
 そうすれば、制度会計 の仕組みとともに、理論的な不都合やあるべき姿などが
見えてきて、稲盛会長がいうように真の意味で決算書を使いこなせるように
なるのではないでしょうか。
 財務諸表を一目みて、どこが悪いかとか、その企業の業務が脳裏に浮かぶ
なんてぐらいプロフェッショナルになればカッコいいですね!
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第12回タイトル:「個別原価計算にいってみよう!」

★ 絶対勝つ!!簿記検定試験!■第0012号 2005.11月21日
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第12回タイトル:「個別原価計算にいってみよう!」
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★ 目 次

1. ごあいさつ
2.ヤマト対タイタニック号
3.あとがき
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(1)ごあいさつ
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 ようやく、メルマガに図らしきものを書くことができました。
これからは、少しは見やすくなると思います。
メルマガの発行計画なのですが、現時点では、全部で22回程度で直接原価計算
までいって終了する予定です。
ご利用は計画的に。
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(2)目 次:ヤマト対タイタニック号
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1、原価計算の種類には(1)個別原価計算 (2)総合原価計算(3)標準原価計算
(4)直接原価計算の4つがありました。
今日は、このうちの(1)個別原価計算についてみていきましょう。

2、個別原価計算とはどんな原価計算なのか
 個別原価計算とは、個別に注文を受けて、生産される製品に対して適用される
原価計算をいいます。その具体例としては、造船が挙げられます。
 これに対して、例えば、テレビ等の電化製品や自動車のような大量見込み生産
されるような製品に対して適用される原価計算が総合原価計算なのです。

3、個別原価計算の論 点
 個別原価計算は、製造指図書をもとに、原価計算表を作成し、製品の種類ごとに原価を集計して製品原価の計算を行います。
大きな論点としては、以下のものがあります。

個別原価計算の論点:(1)原価計算表の作成と勘定記入
          (2)仕損の処理

この二つについて、以下みていきましょう。

4、(1)原価計算表の作成と勘定記入の論点
個別原価計算の問題においては、「原価計算表の作成」と「勘定記入」の2つが問われます。
よって、原価計算表と勘定連絡図の両者がどのように リンクしているのかという
ことを理解することが重要です。
このことについて、以下の設例でみてみます。

<設 例>
次の資料に基づいて、原価計算表と仕掛品勘定を完成させなさい。
(資料)
当造船所は、製造指図書N0,1を発行し、タイタニック号を建造するとともに
製造指図書N0,2を発行して。戦艦ヤマトを建造している。
当月の原価の消費額は以下のとおりである。
(1)当月直接材料消費額 製造指図書N0,1:10,000円製造指図書N0,2:20,000円
(2)当月直接労務費消費額 製造指図書N0,1:5 ,000円製造指図書N0,2:3,000円
(3)製造間接費は直接作業時間を配賦基準として、正常配賦する。
   正常配賦率200円/時間 製造指図書N0,1:10時間製造指図書N0,2:20時間
(4)タイタニック号については、当月に完成したが、戦艦ヤマトについては当月
 未完成である。

まずは、原価計算表の作成からみていきましょう。
この表はけっして難しくないので、表の作成についてはこれといって解説はいらないでしょう。
            <原価計算表>
      N0,1(タイタニック号)   N0,2(戦艦ヤマト)
直接材料費     10,000        20,000
直接労務費     5,000         3,000
製造間接費     2,000         4,000
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
合 計      17,000         27,000
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
備 考      完 成         仕掛中        
                    

 つぎに、原価計算表と勘定連絡図 との関係についてみていきましょう。
ここは、大事なところですよ!


    材 料         仕掛品(N0,1タイタニック号)
 ━━━━┳━━━━     ━━━━━┳━━━━━
     ┃10,000N0,1へ   材料10,000┃製品17,000
     ┃20,000N0,2へ   賃金5,000 ┃
     ┃         製造間接費┃
                 2,000 ┃
    賃 金    
 ━━━━┳━━━━      仕掛品(N0,2戦艦ヤマト)
     ┃5,000 N0,1へ    ━━━━━┳━━━━━
     ┃3,000N0,2へ 材料20,000┃次月繰越27,000
     ┃ 賃金3,000 ┃
製造間接費┃
   製造間接費 4,000 ┃
 ━━━━┳━━━━
     ┃2,000N0,1へ        ↓
     ┃4,000N0,2へ        ↓この指図書別のものを合算したもの
     ┃              ↓が解答の仕掛品勘定

                    仕掛品勘定
                ━━━━━┳━━━━━
                材料30,000┃製品17,000
                賃金8,000 ┃次月繰越27,000
                製造間接費 ┃
                  6,000 ┃
                    

 このように、個別原価計算の問題を解く時は、指図書ごとに仕掛品勘定を
考えると理解しやすいと思います。
このように考えること で、次回みる仕損の論点がよくわかると思います。

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(3)目 次:あとがき
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レリバンス・ロスト/理論と実務の乖離
よく、サラリーマンの人などに、工業簿記は理論と実践が乖離してて役に立たないと言われます。今日は、このことについてお話しいたします。

 1970年代後半以降、管理会計の理論と実務の乖離が問題化してきました。
また、80年代半ばにな って、キャプラン等は既存の理論モデルは現代の経営管理者が解決しようとしている問題状況に適切でなくなってきており、現代の企業環境に適切な革新的管理会計モデルを構築すべきと訴えました。
このレリバンス・ロストに触発され、1980年代後半以降、新しい管理会計の手法が数多く誕生しました。

 このように、原価計算方法に対する反省から管理会計においては、現在、以下のような2つの方向性が生まれています。

第1の方向性:工場のオートメーション化などによる間接費の増大に対応し、間接費の配賦を より精密に行い、製品原価の正確な計算を行おうとする
       方向
       →活動基準原価計算(ABC)

第2の方向性:JIT環境の進展に伴い、製品原価の計算のためには、簡素化した
       原価計算システムでよいとする方向や、計画と統制のためには
       基本的な原価情報だけでよいとする方向
       →バックフラッシュ・コスティング
        TOC(制約理論)

これらは、いずれも1級や公認会計士試験の範囲ですが、興味があるという方は
ぜ ひとも、さっさと2級を合格していただき、1級にあがって勉強してみてください。
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